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320話 報復の魔の手




 毎日のように緊急会議を開き、魔王<メグミ>と元勇者<マサル>をどう殺すか、話し合っているものの……


 エリート育ちで、<教会>という由緒正しい大組織に所属しているが故に、どこか「自分達の安全と栄華」を盲信している節がある、教会幹部一同。


 だが彼等はすでに、敵に回しちゃいけない相手にケンカを売り、しっかりと目をつけられていたのだった。



 すでに教会勢力にも、報復の魔の手は伸びており……勇者の元パーティーメンバーである、魔法師<リーナ>・槍使い<サラ>・斥候<キラリ>は……


 メグミの先輩にあたる魔王<アスタリア>によって、枕営業時に性病トラップを仕掛けられ、3人揃って「性病10種コンボ」を達成。



 立場上、この難しい時期に"教会勢力の色が強い"病院にかかる事もできず、悪化の一途をたどり、自慢の美貌も台無しに。


 ポーションや回復魔法を用いた強引な治療をおこない、辛うじて進行を食い止めてはいるものの……


 ベテラン魔王<アスタリア>が、ポーション程度で治る甘いトラップを仕掛けるわけもなく、水面下で"死病"とも言われる性病が進行中だ。



 ただ性病コンボが酷すぎて、姿を見ただけでも「あっ、これはダメなやつ」と分かるため、まともな権力者は枕営業の誘いに乗らなくなり……


 彼女達の知らぬところで不名誉な噂も広がっているため、「3人を源とした性病の拡散」は今のところ起こっていない。






 これは街全体にとって救いだが……勇者パーティーの仕事がなくなり、そのうえ誰も枕営業でお小遣いをくれなくなったことで、彼女達は飢えている。


「どうすんのよ!? せっかく貯めたお金がどんどん無くなっていく。このままじゃ、いずれ屋敷の維持費も払えなくなるわ!」



「怒鳴られたってどうしようもないわよ、私だって困っているんだもん。屋敷どころか、ポーションまで買えなくなったらどうしよう?」


「お金のこともそうだけど、最近外を出歩くと嘲笑されている気がするの。勇者パーティーが解散になった時もそうだったけど、なんかソレより酷い感じ」


「「私も〜」」



「今まで懇意にしていたオジサンに声をかけても、なんかバカにされた感じで避けられるのよね〜。ちゃんと、メイクで病気の症状は隠しているはずなのに!」


 いくらメイクをほどこしたところで、露出度の高い胸元や手足にも症状は現れているし、顔だってちゃんと見れば"出来物まみれ"なのくらい分かる。



 実は彼女達自身にも、アスタリアの眷属によって軽い催眠がかけられており、本人の目には「バッチリ隠せている」ように映るのだが……


 実際は全然隠せておらず、多少"そういう知識"のある大人が見れば、10人中10人が「絶対アウト!」という姿なのだ。



 何より……


「うぅ、痒いっ! どうしてこんなに痒いのよぉ〜!!」


<−−− ガリガリガリガリボリボリボリボリ…… −−−>



 何種類かの性病が、常時<ピー>に耐えられない痒みを与えてくるため……もう彼女達は、以前のように背筋を伸ばして歩けない状態になっている。


 常に内股で、人目も憚らず<ピー>を掻いている人間を見て、金を払おうと思えるマゾヒストは流石にいない。






 またサーシャによってばら撒かれたスキャンダルは、「ミョルリアン聖者長」と「赤子ポイ捨てに関与した権力者」のモノだけだが……


 すでにメグミは、教会幹部全員のスキャンダルを握っており、映像証拠以外の裏取りも済んでいるため、いつでも拡散できる状況だ。



 現在はまだ、「疫病患者ポイ捨て作戦」の恩恵で得られる"住人"がオイシイので、黙って好き勝手させているものの……


 勇者<マサル>の特攻準備が終わり、彼が報復の旅に出たあかつきには、メグミ自身も「サーシャより盛大にスキャンダルをばら撒く」と決めている。



 そして……怒りが暴走して<恵のダンジョン>の備品を壊し、ボランティア清掃を強要されたマサルも、ダンジョン攻略で消費した<能力玉>の補充は終わり……


 現在は、対教会戦で失態をおかさぬよう、ありとあらゆる場面を想定して、マイナーな<能力玉>を作っている最中だ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜スキル図鑑〜


相手の許可を得ることで、スキルおよびギフトが図鑑に登録され、登録された任意の能力を一時的に模倣できる、特殊な<能力玉>を生みだせるようになる。


ただし<能力玉>をつくる際は、己の血とHPを対価として捧げる必要があり、事前準備ナシでは役に立たない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 自業自得のやらかしで強要された"ボランティア清掃"によって、多少の遅れは出たものの、怒りがモチベーションとなり全力投球しているため……


 襲撃の対象者である教会幹部の命は、(本人達に自覚があるかどうかはさておき、)風前の灯である。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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