表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

316/938

316話 お前がやったんだろ?


〜メグミside〜




 サーシャは徹夜での報復活動が堪えたのか、僕にお休みメールをくれた後、<集金箱のダンジョン>で泥のように眠ってしまったらしい。


 赤ちゃんポイ捨て作戦を実行した連中や、金に目がくらんで我が子を売り渡したクズ親は、無事地獄に落ちたし……


 これだけ大きな騒ぎになれば、工数的に手が回らず直接的な報復をされずに済んだ連中も、「次は自分の番か?」と怯えて暮らし、そのうち発狂するだろう。



「メグミ様、昨晩はウチのマスターがお世話になりました。マスター本人じゃなくて恐縮ですが、心より感謝を述べさせてください!」


 寝落ちしたサーシャに代わって、彼女の筆頭執事オートマタが僕に礼を言いに来てくれたが、さすが<ゴーレムマスター>というべきか……


 サーシャが育てた執事君は大変出来が良く、所作も貴族家の執事よりお上品だ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ゴーレムマスター〜

ゴーレムを愛し、ゴーレムと共に生きる者へ与えられるギフト。使役するゴーレムの攻撃力・防御力が2倍となる。

また日頃から側に置くことで、目をかけたゴーレムの成長速度が早くなり、自然にレベルアップする場合もある。

ゴーレムの成長率には劣るものの、側に置いたオートマタの能力も上がる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 一応僕も、ナステックを殺したとき<ゴーレムマスター>ギフトを得たから、ウチの子達もその恩恵を受けているんだけど……


 <ゴーレムマスター>以外のギフトを持っておらず、徹底的に使い倒しているうえに、元々の所作もお上品なサーシャが育てた子達と比べるとね〜。


 僕に似て野生っぽいというか、どうしても「見本が悪くてゴメンナサイ」感はあるんだよ。






「ふふふっ。僕とサーシャは一連托生だから、彼女を手伝うのも当然だけど、君にそう言ってもらえると嬉しいよ。そこのお菓子、お土産で持って帰ってね〜」


「ありがとうございます! メグミ様が自販機で買ってくださるお菓子は、どれも甘くて美味しいので、モンスター一同楽しみにしているのです」


「そっか。お代わりもあるから」



 執事君が音を出したり揺すっても起きないほど、サーシャは深く眠っているそうだが、彼女が休んでいようと時間は過ぎるし"報復の件"も広まる。


 朝イチで騒ぎ出したのは、ターゲット連中とその親族だけだったけど……噂が広まると同時に、各街に潜伏していた魔王の配下にも情報が入り……


 噂の真偽を確かめるべく掲示板で情報交換したり、僕やサーシャに名指しで質問する者も現れた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


263 名前:ジャスティン(55期)

 メグミ君、少し尋ねたい事があるんだけど……赤子ポイ捨て事件の報復って、君主導でやったのかい?

 巷では<集金箱のダンジョン>を治める魔王<サーシャ>がキレたと、もっぱらの噂だけど、サーシャちゃんは今まで表だって動いてこなかったから……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 こんな感じで、大方の予想は「僕がサーシャのフリをして動いた」というもの。


 中には僕へのヘイトを抑えきれず、「勇者戦で資産を使い果たしたメグミが、金を求めて泥棒に走った。理由なんて後付け」と書き込むバカまでいたけど……


 総じて彼等はサーシャを「僕の飾り」だと思っており、「僕の意思や支えなしでは自立できない女」扱いでナメている。






「まぁジャスティン先輩は、丁寧に尋ねてくれているから返信しておくか。まったく……ものの尋ね方や処世術くらい、学舎で習っただろうに……ゴミの多さよ」


 生き残っている魔王の多くは、転生したとき経済的に裕福だった者だから、それ相応の教養もあるはずなのだが、彼等を見ていると「教育の敗北」を感じる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


264 名前:メグミ(78期)

 今回の報復は、毎日のようにダンジョンへ赤子を捨てられて、堪忍袋の緒が切れたサーシャが、自分の意思で仕掛けたものです。

 僕も「同盟を組む魔王」として最低限のフォローはしましたが、戦力は全てサーシャの持ち出しですし、指揮も最後まで彼女が執りました。

 もちろん各所から奪った養育費も、全てサーシャの戦果として計上しており、僕は銅貨1枚たりとももらっていません。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 厳密に言えば、サーシャの配下が彼方此方で貼りまくった紙や、盗品を素早く入れるためのポリ袋は、ウチの自販機で買ったものなので……


 僕もそのお代で利益を得てはいるのだが、僕等にとって自販機は「生活に馴染みすぎて、当たり前に使う道具」なので、その辺はほとんど気にしていない。



 サーシャの部下がそれなりの数"半紙の束"を買っていたので、全部合わせると金貨1枚くらい儲けたかもしれないけど……


 戦争準備で武器を買うのと比べると"雑費"みたいなものだし、現在の僕等の資産規模から考えて、神経質になる程の金額じゃないのだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ