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270話 勇者は地獄にたどり着く


〜勇者<マサル>side〜




 21階層・22階層の時間稼ぎも、かなり露骨だったが、23階層<アルバイトフロア>はそれに拍車をかけて酷かった。


「独自の通貨<バイト>を稼ぎ、10万バイトで"24階層へ進む権利"を購入せよって……バイトで10万稼ぐのに何日かかると思っているんだか」



 しかも平凡なバイトに混ざって、見るからに胡散臭い高額バイトの求人も掲載されており、バカ発見器の役割を果たしている。


「"1プレイ"ってカウント方法からして、性的奉仕系のアレじゃねぇか。いくら溜まっていても、ダンジョンの奥深くで<ピー>を晒したくはねぇよ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


マトモなバイトの例


〜食器洗い〜

報酬:食器を一つ洗うごとに10バイト

雇用条件:認められるまで試用期間アリ

     試用期間中は報酬が半額となる

     食器を割った場合、新品の購入価格を報酬から差し引く

最低就労時間:30時間


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ヤバイ匂いがプンプンする高額バイト


〜接客バイト〜

報酬:1プレイ7000バイト

雇用条件:認められるまで試用期間アリ

     試用期間中は報酬が半額となる

     プレイ中に怪我を負った場合は自己責任

最低就労時間:30時間


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 幸いなことに、俺は日本にいた頃レストランの厨房でバイトをした経験があるので、皿洗いはメチャクチャ得意だ。


 それでも研修期間の上限が決まっていないため、長期戦になるだろうけど……


 バイト求人のくせに、「自己責任」とかクソみてぇなワードが入っている高額バイトよりは、安心・安全だろう。






 そう思って応募した俺に待っていたのは、"天の声"によるパワハラ紛いの研修と、時給に見合っていない高額な食事代だったが……


 日本にいた頃、「ダンジョンの中」みたいな特殊環境って訳でもないのに、リアルでパワハラしてきた元上司に比べれば、大したことはなかった。



 とはいえ……昔読んだラノベでは、こういう所で通貨を稼いでおかないと、後々困るような展開も多々あったため……


 俺は念のために20万バイト貯まるまで稼ぎ、余裕をもった状態で「下へ進む」と宣言。



<−−− 24階層へ進む権利の代金、確かにお預かりしました。こちらの階段から下へお進みください −−−>


 アナウンスの声が不快そうで、多少ドキッとしたものの、無事遮られることなく24階層へ降りることができた。



「ハァ〜。これでようやく、あの皿洗いから逃れられる! 誰だよ、あの食器を用意した奴。1枚割っただけでも青ざめるレベルの、ブランド品じゃねぇか」


 皿洗い歴は長かったため、俺はノーミスでバイトをやり切ったんだけど……まさか、前いた世界で誰もが知っている有名ブランドの食器が出てくるとは。



 たぶん「1プレイ幾ら〜」と同じ類のトラップだと思うが、もし食器洗いに慣れていない奴があのバイトを選んだら、罰金地獄にはまって詰んでいたな。


 日本にいた頃は、「バイトなんかしたところで金以外のメリットなどない」と思っていたけど、初めて自らの"皿洗いスキル"に感謝したぜ。






 で、その勢いのまま24階層<五感錯覚フロア>もクリアし、意気揚々と25階層<早食いフロア>へ凸った訳だけど……


 この場所、今までのどのフロアより鬼畜だった。



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〜<早食いフロア>のルール説明〜



その1:レベル1〜レベル5の料理が順番に出てくるので、それを時間内に食べ切ってください。

出てくる料理は全て、ダンジョンマスターが制限時間内に食べきれたメニュー……人間に食べられないモノは出てきません。

スープ含めて"お残し"厳禁。作った料理人に感謝して、最後まで食べましょう。

3回失敗した者には、重いペナルティーを受けてもらいます。

全ての料理を食べ終えるまで回復魔法は使用禁止なので、心してチャレンジしてください。


その2:レベル5の料理を食べ終わった時点で失格となっていない者には、成功者として"珍しい食材"が与えられます。

その後「26階層への移動」か「再チャレンジ」を提示しますので、"先へ進む"か"褒美を乱獲する"かを選んでください。


その3:公平をきすため、早食いチャレンジ中は「水・ポーション等の飲み物」「出されたもの以外の食材・調味料」は、摂取不可となります。

もし摂取した場合、そのチャレンジは失敗とし……ペナルティーとして激辛調味料を一気飲みしてもらいますので、お気をつけください。


その4:早食い部屋には、必ず1人(または1体)で入ってください。

もし不正が発覚した場合、内部の者が全員死亡するまで部屋のドアが開かなくなります。


その5:料理を出す時間を調節する事はできますが、チャレンジ2日目からは「1泊=10万バイト」の宿泊料をいただきます。

払えない場合、23階層に戻って<アルバイトフロア>で強制労働してもらいますので、財布と相談して滞在日数を決めてください。


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読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 食に恵まれた日本人にはキツイだろうな
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