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267話 激辛料理でオモテナシ




 価値観が違いすぎてイマイチ納得できないが、ウチのモンスター達は、満場一致で「殉職者増加<勇者との序列付け」という意見だったので……


 多少の犠牲を払ってでも、今回の攻防戦で勇者<マサル>を追い込んで、圧倒的に有利な条件で停戦協定を結ぶことを、当面の目標に据えた。



 実際問題、アイツはまだ21階層に入ったばかりで休んでいるし……ここから先は"時間稼ぎ"が露骨になるので、今日・明日に勝負が決するわけじゃない!


 なので時間をかけて勇者の弱みを握り、二度と<恵のダンジョン>に刃向かえぬよう、コストに見合うだけの成果を手にいれるつもりだ!



 さすがに「未来の砂漠フロア住民候補」を、弱ったタイミングでトラウマになるまで<ピー>するほど、僕も鬼畜じゃないので……


 勇者<マサル>へ停戦協定の申し入れをするまで、そこら辺の仕掛けは全部、「熱々激辛鍋完食ミッション」に変えてあげるけど。



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21〜22階層:手形フロア(時間稼ぎ・分断用)

23階層:アルバイトフロア(働いたことのない坊ちゃん対策)

24階層:五感錯覚フロア(内装・床の角度などで五感を狂わせる)

25階層:早食いフロア(カロリーレス激辛料理専門)

26階層:映画鑑賞フロア(エロ動画を鑑賞し感想文を書く)

27階層:内職フロア(働いたことのない坊ちゃん対策)

28階層:早飲みフロア(高濃度アルコール酒)

29階層:学識迷路フロア(学力テスト)

30階層:中ボス部屋(ミスリルゴーレム担当)


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〜手形フロア〜



 ツルツルの石でできた床に油がしかれ、飛行できぬよう障害物があちこちから突き出ている、階段やトラップも豊富な巨大迷路。


 フロア内350ヶ所にある認証装置のうち300ヶ所で、自分の手形(モンスターの場合は体の一部)を認証後……


 解放された<試練の扉>を3時間以内に見つけ、手形を認証させることで次のフロアへ進める。



 なお……このフロアで認証されていない個体は、23階層以降<異物>と見なされ個室等に入れないルールとなっているため……


 特殊なギフト持ちの異空間へ隠れたり、部下任せにして認証作業を逃れることはできない。



 また認証装置にはミッション付随の物もあり、<変顔>や<スクワット100回>といった簡単なものから、<採血3L>といったヤバイものまであり……


 手形認証後にハズレのミッションが表示されて、それを拒否すると、積みあげてきた認証カウントがゼロに戻る。



 認証装置は一人が使用すると10分間使えなくなるうえ、不規則に壁の位置が代わり迷路のマッピングもできないので、人海戦術は使えない。


 このフロアを突破するには、自らの足で点在する認証装置を探し……一つ一つミッションをこなして、地道に「手形の数」を増やすしかないのだ。


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「ハイドン達のときは、手勢を連れて大勢でおしかけられたから、<手形フロア>の効果も抜群だった。だけど勇者<マサル>は個人ゆえ、足止め効果は限定的」


 また23階層<アルバイトフロア>も、勇者召喚される前は「普通に働く日本人」だったという、庶民派エピソードを持つアイツなら……


 特に苦戦することなく、数日で突破してしまうだろう。



「となると……やはり直近での目玉は、25階層<早食いフロア>かな? あそこでは、スラム住民でさえ嫌がる"激マズ食材"が山ほど提供されるから……」


 美食家で知られる勇者<マサル>は、辛さとゲテモノ料理のインパクトで心身をやられ、泣きが入る可能性が高い。



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〜メニュー表〜


レベル1:イモ虫がたっぷり入った激辛火鍋

レベル2:養殖ゴキブリの辛々炒め

レベル3:ドブネズミのスパイス漬け

レベル4:目玉のスパイス詰め

レベル5:ドブカタツムリの爆辛漬け


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 ダンジョン運営にも「邪神が定めた基本ルール」があり、それを破ると邪神から直にペナルティーが降ってくるので、これ以上の"料理"は出せない。


 だけど……


 養殖ゴキブリなんて「狩りたてホヤホヤ」だし、足をピクつかせたままスパイスと絡まったものが提供されるから、スキルやギフトじゃ対処できないだろう。






「ぅん? モンティート先輩からの連絡……。あぁ、掠奪品の分け前か。砂龍の成長のためにも、量より質優先で"オリハルコンをくれ"と返事をするべきだな」


 現在、サーシャの所の風龍は、先輩方の支援を受けてスクスク育っているが、ウチの砂龍は勇者襲来のせいで<恵のダンジョン>から離れられない状況。



 まぁアイツが最下層まで降りてこられるとは思っていないし、もしそうなっても時間がかかるので、今のうちに砂龍を留学させるべきかもしれないが……


 ある日突然、ワープ的なギフトを使われて最下層に飛んでこられる可能性もゼロじゃないため、どうしたって動きが制限されるのだ



 砂龍自身も、定期的に帰ってくる風龍から教えを受けて強くなっているとはいえ、ほぼ同期である彼女より成長が遅れてしまい凹み気味。


 だからと言って、「僕も外で修行したい!」とダダをこねる事なく、いい子にしてくれているのだが……この状況、どうにかならないかなぁ〜。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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