２４８話 親バカフィルター
働いて寝て次の日起きたら、モンティート先輩たちの悪ノリで、魔王掲示板がお通夜状態になっていた。
「わ〜ぉ。ある意味スゲェ」
挨拶を交わした事すらないような魔王から、面白半分で飛ばされていたヤジはピタリと止まり……
明確に僕等をディスっていた連中も、言い訳と謝罪コメを延々と垂れ流している状況。
きっと上位陣のかけ合いを見て、「メグミは勇者＜マサル＞に殺されるから、何やっても平気」という考えが、どれだけ甘いか思い知らされ……
前提が崩れたことで、このピンチを凌いだ僕が、ユアンに報復したときと同じように、容赦なく「ディスった奴の粛正」を始めるのでは、と怯えたのだろう。
「くくくくっ。魔王ランキング1桁順位って、伊達じゃないんだなぁ〜。さすが先輩方！」
モンティート先輩からは、「悪ノリ万歳♪(´ε｀ )」と短いメールが届いただけだったけど……
その悪ノリが原因で、今頃やらかした連中はストレス反応（胃痛・下痢・抜け毛）に苦しんでいるだろうし、敵にとってはナチュラルに怖い存在だと思う。
「まぁ……自業自得の魔王を見て"ざまぁ"と思い、＜農民＞同盟の先輩方にお礼（自販機奢りチケット）を配った、僕に言われたくはないだろうけど」
ともかく……過剰なストレスで、実力だけでなく見た目まで悲惨な事になりそうな、小物魔王の皆さん……お疲れ様で〜す♪
サーシャに幻滅されぬよう、彼女の所へ行く前に＜恵のダンジョン＞で"毒抜き"を済ませた僕は、朝から興奮状態の砂龍を連れて……
＜集金箱のダンジョン＞へ向かい、彼女指揮のもと、砂龍と風龍のレベリングを始めた。
ちなみに……勇者の所在地は、モンティート先輩から届いた朝イチのメールで、"学園都市のまま"と判明しているため……
ウチとは距離がある状態だから、今日・明日中に襲われる可能性は低いし、見張りも徹底しているので大丈夫！
もし勇者パーティーが＜恵のダンジョン＞へ近付いたら、他所のオアシスに寄った段階で僕に連絡が入るし……
オアシスフロアの住民にも、合意の上で32階層へ（フロアごと）潜ってもらったので、砂龍達の特訓中に被害が出ることはない筈だ。
「風龍・砂龍！ あと5秒で、ソッチに30体着くよ〜。仲良く分けてモグモグしてね♪」
『『ハイ！ サーシャサマノ、ゴメイレイドオリニ！！』』
まずはエレベーター式の階層移動トラップを使って、地上で捕縛班が捕まえてくれた低ランクモンスターを、地下深くの闘技場まで運び……
縄で縛られたソイツ等を、砂龍・風龍で仲良く半分こしながら屠って、基礎ステータスを上げていく。
そして低ランクモンスターじゃ、コスパ良くレベリングできなくなった段階で、セルフハントに切り替え……
古株のオートマタを頭に乗せた状態で、＜集金箱のダンジョン＞から解き放ち、近場の未開地で満足するまで"狩り放題"してもらう予定となっている。
近くに街がある＜集金箱のダンジョン＞でコレをやると、人間に見つかってしまうから、本当は避けたかったんだけど……
幸いなことに、昨日からの雨で足元がぬかるんでおり、不利な条件で戦いたくない大半の冒険者は街に引きこもっている筈なので、「問題ない」と結論づけた。
またモンスターの狩りすぎにより空白地帯が生まれ、一斉リポップでパワーバランスが乱れて、スタンピードが起きる可能性もあるが……
リポップしたモンスターも、ウチと＜集金箱のダンジョン＞の中ボス陣が、自主練で美味しくいただく予定だから、たぶん大事にはならないだろう。
『マスター。ステータスガ、ノビマシタ！ ミテクダサイ！！』
「どれどれ……」
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砂龍
ランク：SS
職業：恵のダンジョン・大ボス
スキル：頭突きA・噛みつきS・咆哮A・火魔法C→B・水魔法D→C・土魔法SS・風魔法D→C・物理耐性B・魔法耐性B・錬金B・アイテムボックスD
ギフト：鉱物の支配者・人化(New)
所属：恵のダンジョン
維持費：30000ポイント/日
詳細：古を司る土属性の龍。近場にある鉱物を取り込んで砂状に変え、それを使って自身の肉体を育てていく特性があり、防御力は使用される鉱物の硬さに比例する。それゆえ土龍より撃たれ弱い事が多いが、身体を構成する＜砂＞を武器に変え使う場合もあるため、総合力では甲乙つけがたい。オリハルコン等のレア鉱物で身体を構成している場合、頭から尾まで全てが高級素材となるため、倒した者は巨万の富を得ることができる。
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おぉっ！
＜火魔法B＞は一流魔法師レベルだし、土魔法と組み合わせてさらに"TUEEE度"が上がったな！
それに人化も習得したなんて……ウチの子は、なんて凄いんだ！！
読んでくださり、ありがとうございます！
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます！！
作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)
