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246話 慕ってくれる後輩もいる




 良くも悪くも、サーシャと「ベッドの中の格闘技」に勤しんだおかげで、昼間40期台のクソ魔王に感じた本気の殺意は薄れたので……


 夕飯を食べた後は、サーシャと二人並んで魔王掲示板を覗きこみ、どの魔王が僕等にマイナス感情を持っているか、徹底的に調べあげた。



 その過程で、僕・サーシャ共に何度もハラスメント発言に遭遇したが……ソイツ等は一人でモニターの前に座り、寂しく書き込みしていると思うと……


 怒りよりむしろ優越感をおぼえてしまって、性格の悪さが表に出てサーシャに幻滅されぬよう、取り繕うのが大変だったよ。



 モンティート先輩みたいに、ほとんど掲示板に顔を出さない古株魔王はともかく、掲示板内では「メグミ・オワコン説」が定着し僕の悪評が流れていた。


 だけど中には、さりげなく僕等をかばったり……周りの意見に流されず中立な発言をする、魔王がいる事にも気づく。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


185 名前:ナガラ(44期)

 もう<恵のダンジョン>は終わりだよ!

 ハイドン先輩たちも気の毒になぁ〜。

 あと一年様子を見れば、性悪新人にハメられることなく魔王生活を満喫できたのに。


186 名前:スティーブ(79期)

 ハイドン先輩って、毎年猛威を振るっていたという"新米狩り"の方ですよね?

 弱い者イジメしかできない魔王なんて、下剋上されても仕方ないと僕は思うのですが……間違っていますか?


187 名前:ナガラ(44期)

 79期のヒヨッコが、生意気言ってんじゃねぇよ!

 そんなに目をつけられたいなら、俺が狩ってやろうか!?


188 名前:スティーブ(79期)

 いいですよ^^

 僕もある程度強くなって、そろそろ誰かと戦いたいと思っていたので、ご来訪お待ちしております。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「この79期の子……メグミ君が右も左も分からないとき、何度かアドバイスしてあげた魔王だよね? こんな事を言って、ダンジョン陥落されないかなぁ〜」


「大丈夫だよ。ナガラの魔王ランキングは、現在178位。231位のスティーブより上ではあるけど、こんな雑魚じゃ"攻撃"なんてできないもん」



 魔王同士のダンジョン攻防戦において、自分のテリトリーで戦える防御側は、攻撃側の何倍も有利なので……


 ハイドンみたいに、最初から「魔王を狩って成り上がる」目的でギフトを獲得するか、圧倒的な戦力差がない限り、他所のダンジョンになど攻めこめない。



 というか……40期台のくせに、178位なんてショボい順位にいるナガラは、自分のダンジョンを守るのに精一杯だし……


 戦力不足で、攻撃用の部隊を組織することすら叶わないだろう。



「まぁ、現在のスティーブ君はケンカ腰が過ぎるし……実力者の中堅魔王を怒らせて、本当に攻められると可哀想だから、裏から忠告してみるよ」


「そうだね。まだ発言回数が少ないから、"空気読めない新人"って扱いを受けているだけだけど、ヒートアップしたらメグミ君寄りなのがバレちゃいそう」



 僕自身に有料メッセージを使う権限はないけど……モンティート先輩と取引して、裏からメールを転送してもらえばいいだけなので……


 スティーブ君に発言を控えるよう伝えるのは、簡単だ。



 今回はたまたま相手がザコだっただけであり、この調子で試行回数を繰り返せば、いずれ"とんでもない奴"に当たっちゃうから……


 折角の"優しい子"を失わないためにも、早めに対策させてもらうよ。






「サーシャ様。先ほど<集金箱のダンジョン>に、<森のダンジョン>所属のモンスター部隊がやってきて……その…………支援物資を置いて帰りました」


「えっ? 執事君。その物資の中に、怪しい物とか入ってなかった?」


「はい。ポイントに換えられる硬貨のみが入っており、モンスターからも害意は感じなかった……とのことです」



 ふむ、不審な点を見逃した可能性もゼロじゃないけど……79期・魔王ランキング238位の子が、そこまで有能なモンスターを従えているとは思えない。


 つまり、<森のダンジョン>を治める79期の魔王<カルマ>は、何らかの理由があって、サーシャを支援しようと考えたわけだ。



「執事君。その支援物資運搬部隊のモンスター達は、何か喋っていた? 報告が上がっているなら、事細かに教えて欲しい」


「はい。演技の可能性もありますが……モンスター達の会話をまとめると、魔王カルマは以前サーシャ様にかばわれた事があり……その恩返し目的なんだとか」



「ふ〜ん。サーシャ、カルマさんを助けた覚えある?」


「ごめん。あまり覚えていないかも……。昔メグミ君に助けられたように、困っている子がいたら、私にできる範囲で手伝ってはいたけど……」



 なるほど、女神サーシャに助けられたら……そりゃあ誰だって信者化しちゃうわなぁ。


 その「助けられた相手」が、妄想を拗らせたあげく変態ストーカー化するクソ野郎じゃなくて、本当に良かったよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 36期のトキナ君がいるね 名前被りだけど
[気になる点] 魔王掲示板を見て思い出すのがひと昔前のサッカー関連のネット界隈だな。
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