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244話 悪口フェスティバル




 勇者パーティーに到着された後じゃ手遅れになる、管理システムでの課金育成を終えた僕は、プチ炎上中の魔王掲示板を覗くことにした。


「おぉ〜、景気良く燃えているねぇ〜。7割くらい、冤罪が混ざっているじゃないか!」



 手始めに直近アクセスの多いスレッドを開いてみると……


 60期〜70期台前半の魔王たちが、ここぞとばかりに僕の悪口を書きこみ、"ざまぁ話"に花を咲かせていた。


 コイツ等は、いわゆる「期が近くて僕をライバル視していた連中」である。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


656 名前:ザッパパ(75期)

 ほらな、俺前から言っていたじゃん!

 若手エースなんて持ち上げられて、調子に乗ったバカは、すぐ目をつけられて殺されるって!


657 名前:ズズミ(63期)

 ガキは無鉄砲なもんだから、湧きあがる承認欲求を抑えきれなかったんだろ?

 しかし、結果は"皆が見ている前で"撃沈……と。

 惨めなもんだね〜www


658 名前:モブモブ(63期)

 こら、笑ってやるなよww

 本人は今頃、0.01%の可能性にかけて必死こいているんだからwww

 魔王ランキングの順位も落ちちゃって、可哀想にwww


659 名前:ケッチ(60期)

 そんな可能性に賭けるなら、土下座行脚でもして、先輩方から借金すればいいのになwww

 アイツ、日頃からゴマ擦ってたし、助けてくれるんじゃね?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 仮に"僕がこのまま殺される"として……コイツ等が書きこみによって得られるのは、「マウント取りによる一時的な快感」だけ。


 それと引き換えに、「自分は他者が困っているとき嘲笑する魔王です!」と自己紹介して、マトモな魔王からの信任を失うのだから、救いようがない。






「ユアンの件で関係をもった小物魔王たちは……案の定、"だんまり"を決めこんだか。あれだけギャースカ騒いでいたのに、ピタッと書きこみがなくなったし」


 仇討ちを代行してもらった相手に対して、舌の根も乾かぬうちに手のひら返しをしたら、「不義理なザコ」として有名になってしまう。



 かと言って、不利な状況に立たされた僕をかばっても損しかないので……


 僕が死ぬまで書きこみを控え、ほとぼりが冷めたころ掲示板に現れて、「忙しくて見れなかった」フリをするつもりなのだ。



 もちろん奴等は、「魔王<メグミ>は勇者に勝てず滅ぼされる」と思っているため、まだ支払われていないユアン関連の報酬はブッチするだろう。


 まぁ……僕が勇者を追い払ったら、「忘れていた!」と言い訳しつつ大慌てで追納するかもしれないけど……失われた信用が、それで戻るわけじゃない。



「逆に、ユアンの一件で"見事な手のひら返し"を披露した先輩たちは、今回の対応も美しいな。どちらに転んでもいいように、言葉を選んで発言している」


 彼等とて「2連続"手のひら返し"」のヤバさは理解しているため、バカな連中と共に、僕の悪口で盛り上がったりはしないけど……


 逆に、僕に肩入れするようなコメントを残しても、「だったら助けてやれよ!」と突っ込まれてしまうため、失言できない"ポジション綱渡り"が大変そうだ。






「サーシャの扱いはどうなっているのかな? って、うわ〜。案の定、"掠奪狙い"のオス共が湧いている。キモすぎ!!」


 なんだよ、「勇者襲来のピンチからサーシャちゃんを救うスレ」って!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


204 名前:ソーム(47期)

 俺、さっき<未設定のダンジョン>に、同盟への招待状をもった部下を向かわせた。

 間に合ってくれれば、メグミが勇者に殺られる前に、サーシャさんの所属だけでも移せるはずだ!


205 名前:ナガラ(44期)

 無駄な努力、乙www

 「メグミの仲間」ってことで、どうせサーシャも目をつけられているだろう。

 今さら所属を移しても、人間側にソレは分からねぇから、移籍先の同盟を巻きこんで自爆する、"疫病神"になるだけだぞ。


206 名前:ソーム(47期)

 うっせーな、外野は黙っておけよ!

 ダンジョン名も、<集金箱のダンジョン>とかいう「罰ゲームみたいな名称」に変えられちまったし……

 きっとサーシャちゃんは、メグミに虐げられているんだ!

 だから俺が助けて、サーシャちゃんの傷を癒してやる!!


207 名前:エンロ(42期)

 それで乗り換えさせて、彼女のピチピチボディーを堪能するつもりなんだろ?

 学生時代のサーシャちゃん、バチくそ美人だったもんなぁ〜。

 きっと今頃、尻とか胸がもっと成長して、色気ムンムンのセクシーお姉さんになっているぜ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「はい、テメェ殺す! サーシャは僕の彼女なんだ。40期台の加齢臭ジジィが、下品な妄想を垂れ流すじゃねぇよ!」


 ここぞとばかりに僕の悪口を書き込んでいる若手連中や、不義理な知り合い達より、遥かにコイツの方がムカつくし殺したくなった。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 恵さん、勇者の問題が片付いたら、40期台の加齢臭ジジィを潰しに向かうのですか?…その展開、読んでみたいです。
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