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239話 勇者襲来に備えて




 サーシャに、「勇者が<恵のダンジョン>を襲う可能性」について伝えると、慌ててコチラへ飛んできた。


「メグミ君、勇者が来るって本当!?」


 こんな時に考えるのはアレだけど……管理システムをいじっている最中に寝落ちしたと思われる、前髪の寝癖とおでこの痕が可愛らしい。



「うん。ついさっき、2期のアスタリア先輩からメッセージが届いた。というか、学園都市に勇者が襲来してウチの潜伏班が全撤退させられている」


「うわぁ、それヤバイね。狙われているのは<恵のダンジョン>なんだよね? 私に手伝える事ってあるかな?」



 さすがサーシャ……勇者襲来という緊急事態に陥っても、僕のことを心配してくれるなんて……女神だ。


 はい、ゴメンナサイ。


 さすがに惚気られる状況じゃないので、「バカな彼氏だ」と呆れられないうちに真面目モードに戻ります!



「そうだね。勇者なら転移陣についても知っているかもしれないし、<恵のダンジョン>と同じくらい<集金箱のダンジョン>の防衛も重要だ」


「たしかに。私のダンジョンが脆すぎて踏破されると、コアルームからメグミ君の方へ飛ばれて、共倒れしかねないもん」



 一応<転移陣>は、僕等とモンスター以外通れないよう設定してあるんだけど……


 そんなもの、魔王をボコって無理やり管理権限を奪えば、いくらだって変更できるし、そもそも「片方死んで、もう片方は生き残り」パターンも嫌!



 だから<集金箱のダンジョン>は、<恵のダンジョン>と同じくらいガチガチに防衛するべきだと思うし……


 防衛のための予算も、<恵のダンジョン>への一点集中は避けた方がいい。






「勇者襲来ってことは、当然"厄介な聖女"も来るんだよね? ウザいなぁ〜」


 サーシャが嫌がっているのは、<聖者の祈り>というギフトを極めた、純潔を「守りとおす」じゃなくて「需要がなくて捨てられなかった」タイプのオバサン。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜聖者の祈り〜

純潔を守りとおし、"長い間"修行を積んだ聖職者だけが得られるギフト。

ダンジョンの改造阻害や、ダンジョン攻略時のステータスアップなど、熟練度によって叶う範囲が広がる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 常に"お局臭"を漂わせているから監視していて不快だし、ヒステリックにキーキー喚くせいで、機器の音割れが起きて頭がクラクラするのだ。


 サーシャいわく、「処女すら捨てていないのに性格だけ姑になっちゃった、残念オバサン」らしいが、アレと比べるのは世の姑達に失礼だと思う。



「学園都市には、なぜか"勇者一人"で来たみたいだけど……パーティーメンバーには当然<聖者の祈り>持ちもいるはず。そう思って、準備しておく方がいい」


「そうだね」



 今代の勇者<マサル>は、民を思う優しく正義感の強い青年ではあるが、いささか性に奔放で、ソッチ関係のトラブルを複数回起こした……という噂がある。


 あくまで「庶民の間に広がっていた噂」なので、真実は定かじゃないけど、うっかり聖女と致して、<聖者の祈り>ギフトを失効させてくれないかなぁ〜。



 などと願っても……現実となる可能性は低いし、そもそも他力本願過ぎるので、ダンジョンの改築自体は明日中に済ませて……


 <恵のダンジョン>周辺の探知網も広げ、勇者が襲ってき次第、ゴリっとモンスターを増やして対応するのが、現実的な策だろう。



 ここで「勇者だから、予想外の襲来があるかも」みたいな妄想をくり広げて、ユアンのようにチキると、結局モンスターの維持費で追い詰められるので……


 あくまでも事前準備は、"維持費のかからない"増築や設備の追加だけに留め、モンスターは「勇者との相性」を確かめてから購入するのが吉だ!






「とにかく、各自ダンジョンポイントを8割消費して、"将来的にやる予定だった改築"を済ませちゃおう!」


「了解! ユアンの件の報酬として先輩方から届いたアイテムも、強化に繋がるやつは組み込んでおきたいね」


「あぁ!」



 それと……


「サーシャ。ダンジョン周りの処理が終わったら、魔王掲示板を流し読みしておいた方がいいよ。この件はすぐ広まって、必ず"調子にのる奴"が現れる!」



「うん。勇者の手でボロボロにされた<恵のダンジョン>を、棚ボタで奪って一発逆転したい……的なやつね」


「そうそう。あと、"報酬を支払う約束していたけど、どうせもうすぐ死ぬからスルーでいいや"とか言い出す、この前知り合った先輩方とか」


 素早い先輩方は、もう支払いを終えているんだけど……遠方に居を構える先輩には、まだの方もいるから要チェックだ!



「了解! メグミ君は私より忙しいだろうし、私はその分"掲示板監視"を徹底します!」


「ありがとう。<集金箱のダンジョン>を貶むバカも現われるかもしれないから、お互い"急ぎの改築"が終えたら掲示板にドップリ浸かろう」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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