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238話 悲報:勇者に狙われている


〜メグミside〜




 ユアンの一件も片付き、平和な時間を満喫しながらダンジョンを育てていた、ある日のこと……


 魔王になるまで僕等が通っていた、<ラヴィレンス高等学園>がある学園都市に、潜ませていたモンスター部隊から「勇者襲来」の報告があった。



「うん、そうそう。君達は、もう勇者に見つかっているの。だけど、他の先輩方が送り込んでいるモンスターも多数いるから、目立たないうちに逃げてくれ!」


「かしこまりました。悔しいですが退避します!」



 ダンジョン踏破経験のある勇者ともなれば、街中にモンスターが潜んでいる事くらい、秒で気付くはず。


 それゆえ、ウチの子には「命大事に」を合言葉に学園都市を脱出させ、勇者の探知圏から外れるまで距離をとってもらったのだが……


 異世界の文明が生み出した、スマートフォンや監視カメラを所持した状態で、勇者と遭遇したら、全て奪われ終わっていたので、恐怖で胆が冷えたよ。



「でも……なぜ勇者は、今さら学園都市に来たのだろう? ゴシップ誌でユアンの所業が暴露された直後なら、"報復に駆り出されたんですね"となるけど」


 正直、"今"学園都市に来たところで、出来ることなんて「80期魔王になるかもしれない奴の調査」くらいだし、先輩方も引きあげようとしていた所だ。


 そんな所に、人類の最高戦力たる<勇者>が、護衛も付けずに乗り込んでくるなんて、冷静に考えて「不自然」なんだよ。



<−−− ピロリロリ〜ン♪ −−−>


「ぅん? 2期のアスタリア先輩からメッセージが届いた。この前販売した商品の感想と、次回の購入希望かな? って……マジで!!!?」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜緊急事態よ!〜



メグミ君、緊急事態よ!


勇者<マサル>が今日、学園都市に入ったのは知っているよね?


それで現在、<ラヴィレンス高等学園>の調査をしているんだけど……メグミ君の事を、名指しで詳しく教員に尋ねていたわ。


サーシャちゃんの名前も偶に出るけど、圧倒的に君への注目度が高いし、もしかすると、君がユアン殺害の主犯だとバレたのかも。


ウチの子達は引き続き調査を進めるんで、また新しい情報が入り次第、モンティートから譲り受けた携帯で共有するね!


同盟<農民>は、今シフト制で学園都市の監視をしているので、時間帯によっては、他のメンツから携帯にメールが届くと思います。



SMS:***-****-****


この番号、登録しておいてね^^


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ヤバイ。最悪だ、勇者に目をつけられるとか……泣きそう。<伏龍のダンジョン>から撤退するとき、証拠になるようなモノを置き忘れちゃったのかなぁ?」


 改めて振り返ってみても、そんなポカをやらかした記憶はないが、アスタリア先輩が嘘をつくとも思えないし、勇者の狙いは十中八九"僕"なのだろう。



 現地にいたモンスター達を即時撤退させて、本当に良かったと思う反面……


 先輩から何も教えてもらえず、勇者が<恵のダンジョン>に来てから慌てる展開になったかもしれない事を考えると、ストレスで吐きそうだよ。






「ハァ〜。とりあえず、親切に情報提供してくれたアスタリア先輩には誠心誠意"お礼"を言って、"可愛い後輩"だと思ってもらえるようにしないと!」


 優しくしてくれる<農民>同盟の先輩方に対してまで、打算的な思考の自分が少し嫌になるが、コッチにだって背負っているモノがある以上、仕方ない。



 彼女だって……純粋な厚意だけでなく、「メグミが死んだらオムツ買えないじゃん!」という、打算込みで情報提供してくれた可能性が高いし……


 魔王は、"万"を超える社員モンスターを率いる会社の社長みたいなものだから、「打算的なくらいで丁度いい」とポジティブに考えるべきだ!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜情報提供ありがとうございます〜



アスタリア先輩、情報提供ありがとうございますm(_ _)m


潜伏班の子達は全員退避させており、「僕が狙われている事」なんて全く気付けなかったので、教えてもらえなかったら油断してバカンスに突入していたかも。


本当に助かりました!


未熟な後輩すぎて情けない限りですが、サーシャと力を合わせて精いっぱい戦い抜きますので、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m


勇者がいる学園都市での調査は、多大な危険をともなうかと。


出過ぎた発言なのは重々承知ですが……踏み込みすぎて先輩方まで勇者に目をつけられぬよう、重々お気をつけくださいm(_ _)m



P.S.

携帯番号、登録させていただきました!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 <集金箱のダンジョン>にも関係する案件だから、サーシャにこの話を回すのは当然として……魔王掲示板のチェックも必要だな。


 ピンチの時ほど、関わりのある魔王が本性を曝け出してくれるものだし、この機会に、彼等がどう動くか見極めて今後の関係性を考えよう。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 事前に危険察知!持つべき者は、頼りになる優しい先輩魔王様!(打算計算有りw) [気になる点] 勇者は、平和なオアシスを見て、どんな感想を持つのか…。
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