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229話 疑いが疑いを生む




 ダンジョン跡地の調査で"決定的な証拠"を見つけた勇者一行は、若いメンバーが"夜の運動会・第二弾"を開催している間に……


 修道士<ジン>が詳細な報告書をまとめて司教へ送り、教会の判断を待って動くこととなった。



 しかし「勇者=人間側の英雄であり民のために尽くすもの」という、固定観念のある教会幹部も、この情報にはショックを受けてしまい……


 長く無意味な緊急会議がさらに長引いた挙句、「もし勇者<マサル>が寝返ったら〜」と言い出す幹部まで現れて、勇者パーティーには帰還命令がおりる。



「はぁっ!? あり得ねぇ……。クソッ! 休日返上でダンジョン討伐に駆り出された挙句、一方的に疑われて強制帰還とか……ふざけんな!」


 当然、魔法師<リーナ>・槍使い<サラ>・斥候<キラリ>を置いて裏切る気など、カケラもなかった勇者<マサル>は激昂。



 しかし頭の固い上層部の意識を変えるのは難しいうえ、ここで勇者パーティーが好き勝手に動いたら、それこそ"裏切り者認定"されてしまい……


 お先真っ暗な人生になるので、それを修道士<ジン>に説かれたマサルは、仕方なく帰還を決めて命令に従った。


 だが彼の心には、「自分は尽くしているのに一方的に疑われた」という不信感と、言いようのない虚しさが残ることとなる。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




「ん〜。午前中のノルマ、終わった〜! 肩と目の筋肉バキバキ。ちょっと休憩するぅ〜」


「マスター、お仕事お疲れ様です。午後の業務開始時間になったら起こしますので、それまでハーブティーでも飲んでゆっくりとお休みください」


「うん。執事君、ありがとう〜」



 <伏龍のダンジョン>から撤退して、ユアンを完全に葬った後は、それまで溜め込んでいた仕事を片付けたり、サーシャと愛を確かめ合ったりと……


 充実しているものの、中々にハードな日々を送った。



 ユアンを殺す前に、<伏龍のダンジョン>から<恵のダンジョン>に籍を移して、正式にウチの子となった、元「ユアン配下のモンスター達」は……


 <伏龍のダンジョン>とは違う環境に戸惑いつつも、仲間に加わろうと能動的に動いてくれ、わずか数日ですっかりウチに馴染んだよ。



 彼等を迎え入れたことで、<恵のダンジョン>の防衛に必要な、戦力以上のモンスターを抱える事になっちゃったけど……


 まだ致命的って程ではないし、僕とサーシャのダンジョンが成長したら、防衛に必要な戦力も増えて丁度良くなる筈なので、後悔は一切していない!






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


451 名前:ダンダ(62期)

 メグミ君。

 ユアンの末路映像、最後まで見せてもらいました!

 マジで"飯うま"だし感激だわ。

 集中し過ぎて目がシバシバしているから、一眠りしたら、もう一回"通し"で見ます!

 というか、データが壊れるまでリピートするかもwww


452 名前:ロミ(68期)

 同じく、寝食忘れてガン見しちまったぜ。

 ユアンの顔が絶望に染まる瞬間がたまらなくって、当分オカズにしちまうかもしれねぇwww

 良い買い物ができたわ。

 マジでありがとな!


453 名前:ウィン(32期)

 僕は届いた映像データをダンジョンで放映して、誰でも自由に見られるようにしてみたよ。

 死んでもなお冒険者に嘲笑されるとか、貴族出身でプライドの高いユアンには、耐え難い屈辱だろう。

 もちろん僕自身も、徹夜で視聴させていただきました!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「おぉ! 先輩達も楽しんでくれたようで何よりです♪ ユアンの映像データなんて放映したら、あらぬ誤解を招くかもしれないけど……まぁいいか」


 購入した情報をどう使うかは彼等の自由だし、その結果何が起こっても、それは彼等の責任なので、浅い付き合いしかない僕が指摘することではない。



「それに……何ヶ所ものダンジョンで、ユアンの末路映像が放映されているみたいだから、ウィンさんだけ狙われたりはしないはず」


 言っちゃ悪いが彼は"小粒の魔王"だし、ユアン討伐を望んでいた人間側の権力者に知られても、精々「コイツも騙されたんだな」と哀れまれる程度だろう。






「メグミ様。サーシャ様より、"もうすぐお仕事が終わりそうだから行くね"と連絡が入りました。いかがお返事いたしましょう?」


「"了解! 僕もそれまでに終わらせておきます"って伝えてくれる?」


「かしこまりました」



 さて……急がなきゃいけない理由もできたし、もうひと頑張りするぞ!


 今日で、後始末と溜め込んでいた業務の処理が全て終わるから……サーシャが来たら、いよいよ僕等が待ち望んでいた"名付け"タイムだ!!



 現在サーシャのダンジョンは、魔王転生時のトラブルが原因で命名できず、<未設定のダンジョン>となっている。


 同じく未取得となってしまったギフトについては、<いじめっ子トリオ>を屠ったとき、ナステックの<ゴーレムマスター>ギフトを奪い取れたのだが……


 名前の方は変更することができず、「サーシャに劣等感を抱かせているんじゃ」と、内心不安だったんだよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔王であり勇者なんて想定できる訳ないよね
[一言] 魔王を作ってる主と、勇者召喚を可能にしている主?は、はたして違う人物なのでしょうかね?
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