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223話 予想外の爪痕


〜ユアンside〜




「お前が想像したとおり、今からお前の<遠隔商談ギフト>を奪う。お前は、金・権力・尊厳どころかギフトまで奪われて、惨めに死ぬんだ」


 もう何一つ奪えないほど、全てを壊され搾り取られた……と思っていた。


 だけどメグミが<遠隔商談>ギフトを奪う気だと知り、奴にそのチカラがあると分かると、心の底から恐怖と憎悪の念が湧きあがってくる。



「(ここまでされた時点で、命を奪われることは分かっていた。"奴を道連れにしたい"とは思ったけど、命に対する執着はもうあまり残っていないんだ)」


 そもそも……取り返しがつかないほど尊厳を貶められ、「自分の存在は奴隷以下だ」と認識させられた時点で、この先生きていく意味など殆どない。


 どうせ生き残ったところで、私に待っている未来は暗く惨めなもので、「自分で自分のことを嫌悪するクソッタレな人生しか歩めない」と分かっているから。



 だけど己の内にあるチカラ……短い間だったけど、「一番信頼できるパートナー」として背中を預けてきたギフトを、奪われるとなると……


 喪失感で頭がいっぱいになるし、<遠隔商談>ギフトが今度はメグミの元で活躍すると思うと、一番大事なモノを盗もうとしている奴を殺したくなるのだ。



「ゥググゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」


 なぁ<遠隔商談>ギフトよ……お前は生き残れるんだから、私の代わりにメグミを内側から破壊してくれ!



 恨みを残して死んでいく私に代わって、メグミに「死んだ方がマシ」と思うような屈辱と、祟られたように不幸な日々を!!


 頼む……もう、お前しか頼れないんだよ…………!!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




 ユアンの絶望した表情は顧客満足度を高めるし……「無念のまま死んだ証である首」をホルマリン漬けにして、先輩から金をむしり取るのもアリだろうと……


 トドメを刺す前に、直接「己が置かれている状況」と「全てを奪われて骸になる最期」を教えてやったところ、ユアンはタガが外れたように大発狂。



 四肢を拘束している状態だから特に害はないんだけど……暴れられるとコイツの血と汗が飛び散り、それが僕の服について不快なので……


 撮影を再開し、<伏龍のダンジョン>からの全面撤退も済ませたうえで、ユアンの腹を開き、サクッと心臓を壊して無理やり静かにさせた。



「よし、ユアンの死亡確認! ランクEだけど、<遠隔商談>ギフトも生えたな。って…………あれ?」


 特に苦しかった訳でもないのに、僕の<精神耐性>がAランクに上がっており、<呪縛耐性>などという物騒なスキルも生えている。


 ユアンのステータスには、"耐性スキルの餌"となる「"根性野郎"みたいな形跡」など無かったんだけど……何由来で、こんな育ち方をしたんだろう?



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ(17)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター・勇者

HP:49869/46387→49869

MP:77090/71825→77090

スキル:剣術C・狙撃F・噛みつきE・火魔法S・水魔法S・風魔法S・土魔法A・氷魔法D・回復魔法S・聖魔法SS・闇魔法B・遠視F・物理耐性B・精神耐性B→A・呪縛耐性C(New)・お笑い耐性E・アイテムボックスA

ギフト:自販機作製S・統率A・聖者の祈りA・看破B・火魔法の才C→B・水魔法の才SS・土魔法の才C・風魔法の才C・ゴーレムマスターB・透明化E・魅惑の蝶E→D・龍の涙C・若返りC・変身E・鑑定C・偽装D→C・水分身D・改造阻害E・遠隔商談E(New)

その他:称号(蟻マスター・異端児・超新星・ゲス鬼畜・ドラゴンキラー・水龍殺し・モンスターの天敵・ジジィ狩り・魔王を狩る魔王・クズキラー・報復ソムリエ)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 まず全体的な伸びだが……ユアンは、狡賢さと詐欺で勢力を伸ばした男であり、本人のステータスは「そこら辺の新米魔王」と大差なかったので……


 奴を殺したところで僕が得られる"糧"も限られており、去年ロミオット・ホムビッツ・ナステックを殺したときと、同レベルの恩恵を受けるに留まった。



 だけど……倒した相手の適正によって、成長率が変わる箇所の伸びが不自然というか……


 どう考えても、ユアンの適正・バックグラウンドとかみ合っていないんだよね。



 まぁ張本人は既にあの世だし、遺骸も「アイツに恨みをもつ魔王」に高値で売りつけるべく、防腐処理を施されている最中なので……


 呼びつけて聞くわけにもいかないんだけど、なんとなく気持ちが悪いし、後片付けが落ち着いたら、清水でも浴びてお祓いしてこようと思う。



<--- ピロリロリ〜ン♪ --->


「ん? あぁ、モンティート先輩からのメールか。どれどれ……えっ!? うわぁ〜、撤退ギリギリだったじゃん! 間に合って良かった〜!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


件名:<伏龍のダンジョン>に勇者襲来! 逃げて!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 遠隔商談ギフトがのちに暴走しそうなフラグ
[一言] うーむ、何だか一気に恐ろしい事態が勃発し始めたようだな。 しかし人間側から見ると、20万人もの軍人たちが成す術もなく犠牲になったわけだから、むしろ勇者の襲来は必然と言うべきか。 そして、これ…
[一言] 勇者が来たら、最終って感じかなあ?
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