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221話 ユアンは己の末路を知る


〜メグミside〜




 ダンジョン内で飢えていた敵兵が死に、奴等から入るポイントの増加も一段落したので、僕は違和感のない所まで「ポイントの現金化」を済ませた後……


 先輩方の欲望を満たすために休むことなく身体を売っている、ユアンから<遠隔商談ギフト>と命を奪うために、<恵のダンジョン>へ戻った。



 ギルドで掲示された情報を見て、欲望をかき立てられた冒険者はそれなりにいるらしく、未だにパラパラと二流冒険者パーティーがやってくるけど……


 ダンジョンの周囲20kmは監視できる体制をつくり、その上で「不審者のレベルに合わせた対応」を徹底させているので、もう僕が現場を離れても大丈夫!



 もしライフルじゃ太刀打ちできない敵がやって来た場合、その時点で<伏龍のダンジョン>から<恵のダンジョン>へ伝令係が飛んできて……


 慌てて戻った僕が"対決"か"全面撤退"を選び、撤退なら20km離れた場所にいる敵が到着するまでに、<転移陣>を剥がして全員逃げる算段となっている。



 可能性は低いと思うけど、もし万が一"勇者パーティー"が襲来した場合、雑魚狩り用に改造しただけの<伏龍のダンジョン>を守り切るのは無理だし……


 ユアンの居城をいつまでも律儀に守ってやる必要などないので、モンスター達の安全を優先して、「ピンチの時はユアンから切る」を徹底するのだ。






<--- コンコンコンッ! ガチャッ --->


「…………! マスター、お帰りなさいませ。掃除するそばからコイツが部屋を汚すので、悪臭で気分が悪くなるかもしれませんが、寛大な心でご容赦ください」


「「ご容赦ください」」



 情報商材(=グロ映像)を撮影中の拷問部屋へ入ると、現在進行形でユアンが脱糞しており、拷問担当のオートマタ達が次々と謝ってきた。


「えっ? あぁうん。生身の男を壊しているんだし、多少の"汚れ"は仕方ないよ。ゴキブリだって、苦しんで死ぬ時には涙を流すって聞くしね」



 ちなみに……ゴキが最期にひねり出すのは、超絶臭い体液であって涙じゃないのだが……不快さに付き合ったところで、銅貨一枚儲からないのは同じ。


 それに比べてユアンは、先輩魔王からタップリと報酬をむしり取ってくれた訳だから、多少部屋を汚されたところで怒りなんて感じない。



「担当君達! いい感じに背中の皮膚が剥けているから、床と一緒にタワシでゴシゴシ擦ってやってくれ。特典映像追加で、顧客満足度をアップさせよう」


「「「かしこまりました!」」」



 もちろんタダで許す気はないし……粗相をしたなら、清掃代くらい身体を売って稼がなきゃ、「一流の愚者」とは呼べないので……


 ユアン君にはあと少し、18禁映像の主演俳優になってもらうけど。






 剥き出しの背筋をタワシでゴシゴシ擦られたユアンは、痛みでさらに漏らして"お代わり"をくらっていたけど……


 ここ数日、あまりに衝撃的な体験をしたせいで"新たな扉"を開きかけているらしく、<ピー>が反応してキモかったので、途中でお仕置きの執行を中止。


 <ピー>が悪さをしないよう焼きゴテで炭化させた後、いったん18禁ビデオの撮影を止め、トドメを刺す前に「己が置かれている状況」を説明してやった。



「ユアン。ボロボロになるまで、"18禁ビデオの撮影"お疲れさま。お前が主演男優として出演した映像を先輩方に売って、僕は一儲けする予定なんだ」


「ぅん〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」



 マゾヒストの扉を開きかけた状態でも、さすがに「自分の尊厳が売られる」のは納得できないのか、人体模型姿でジタバタと暴れ出すユアン。


 だが奴の舌はカット済みであり、声帯も絶叫し過ぎて枯れてしまったため、出てくるのはガラガラの呻き声だけ。


 それでも気持ちは伝わってくるんだけど、普通に暮らしていただけなのにコイツに浚われて奴隷にされた人達の方が気の毒だし、同情の念は湧いてこない。






「どうした、なに怒っているの? お前は踏み台にした先輩方から報復されて、自業自得の末路を辿っただけ。全て"自分の行い"が招いた結果だ」


「ぅん〜〜〜〜!! ぅぐぅ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」



「大事な彼女にケンカを売られて、僕が何もしないと思ったか? どれだけ、頭お花畑なんだよ。まぁいいや。今から、サーシャの件の落とし前をつけてもらう」


「……………………」



「僕は平民上がりの魔王だけど、勇者の血を引いているちょっと特殊なタイプでね。魔王でありながら、勇者と同じく"倒した魔王のギフト"を奪えるんだ」


「……………………!!!!」



「うん、そうだよ。お前が想像したとおり、今からお前の<遠隔商談ギフト>を奪う。お前は、金・権力・尊厳どころかギフトまで奪われて、惨めに死ぬんだ」


「ゥググゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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