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219話 やっている側も辛い




 ダンジョン内にいる敵軍本隊は、放っておいても物資不足で全滅するので、僕はモンスターに命じて、"泥舟"から逃げ出した魔法師と中堅冒険者たちを始末。


 そして魔王<ユアン>が貯めこんだ(事になっている)財産目当てに、冒険者ギルドの掲示広告に釣られてやってくる、頭の弱いパーティーを……


 ポイント化できるテリトリーに入ると同時に、即刻ライフルで射殺して、彼等の身包みを剥ぎ全てを頂いた。



 まだダンジョン内に餓死待ちの敵兵がウジャウジャいるから、最低限の管理はするけど……


 魔王<ユアン>を殺すと決めている以上、<伏龍のダンジョン>をいつまでも保持する気はないので、奴等が全滅したらその日のうちに退散するつもりだ。



 ダンジョンマスターはモニターを見ているだけだから、僕が暇だと思う人もいるかもしれないが……ぶっちゃけ今、このダンジョンに来てから一番忙しい。


 なにせ<伏龍のダンジョン>は数日以内に消えるにも関わらず、絶賛"かき入れ時"であり、嫉妬深い先輩魔王に気付かれぬよう現金化するのが大変だからだ。



 得られたポイントで課金して、ダンジョン最深部に幾つも宝箱を出現させては中のお宝(金貨・貴金属のインゴット)を回収し……


 それを<恵のダンジョン>へ運んで帳簿付けした後、サーシャにも半分渡して、互いの金庫へそれぞれ格納する仕事は、普通に面倒くさい。



 しかもただ機械的に課金しているだけじゃ、「<伏龍のダンジョン>のポイント推移」をリアルタイムで見ている魔王に、現金化がバレてしまうので……


 クレクレされたり嫉妬に狂われぬよう、"敵と戦うためにダンジョンを強化した"風を装い、緩急をつけて課金しつつポイントを調節しなきゃいけないのだ。






 またサーシャの方も、<恵のダンジョン>と<未設定のダンジョン>を同時に管理しながら、次々とやってくる金貨&インゴットを処理し……


 <伏龍のダンジョン>から<恵のダンジョン>へ所属替えした、モンスター達のケアも行ってくれているので、ハッキリ言ってキャパオーバー状態。


 ほぼ日課になっていた夜の営みも、忙しすぎてご無沙汰なので、<伏龍のダンジョン>から完全撤退できる日が待ち遠しいよ。



「だけど、十数万人の殺戮ポイントをそのまま手放すのは惜しすぎるから、引き出しだけはきちんとしないとね〜。根性、根性!」


 目先の快楽に溺れて資産増強のチャンスを逃すなんて、バカのやる事だし……"我慢"といっても所詮数日だけ。


 それなら死にものぐるいで働いて、地獄を乗り切ったあと2人で甘い時間を噛み締め、得られた資産で祝勝パーティーを開く方が"お得"に決まっている!



「ん? あらら……また"空気を読めない冒険者パーティー"が、稼いで人生一発逆転させようとやって来たぞ! 命を捨てに、ご苦労なことでございます」


 彼等が来た方角の地面は、"血糊"掃除済みだし残骸の撤去も終わっているな。


 それなら地上班にマニュアル通り処理してもらって、コッチは現金化作業を続けよう!






 失敗しても命の危険はないんだけど、"小物魔王の心の闇"を完全には理解できないオートマタに任せる訳にもいかない、地味な作業を続けること3日。


 ダンジョン内に残っていた兵士達も、ほぼ全員"渇き・飢え・毒"で死に絶え、コチラの完全勝利が決まった!



「ふふ〜ふ〜ふ〜ん♪」


「マスター。楽しそうですね?」


「うん♪ もうすぐケリがつくと思うと、心が躍るよ!」



「マスターの心情を察するのは難しいですが、マスターの喜びは我々の喜びでもあるので、早く片付くよう私も全力を尽くします」


「執事君、ありがとう!」



 あとは先輩魔王(=お客様)に満足いただける、「ユアンの悲惨な末路を収めた映像データ」を完成させて、役目を終えたアイツを殺処分すれば……


 この件は無事解決となり、僕も久しぶりに、サーシャと蜜月の日々を楽しめるはずだ!



 なお……立派なナニを持つオークジェネラルに遊ばれたり、途中で死なぬよう回復を徹底した状況で、拷問されまくったユアンは……


 生皮を剥がれて人体模型みたいになった己の顔を見た段階で、本格的に気が狂ったらしく、「精神を(無理やり)安定させる係」が苦労しているとのこと。



 拷問担当者が休憩がてら、部屋の天井にあるモニターに「笑顔を浮かべた僕のビデオ」を映すと、なぜか涙を流して発狂するそうだが……


 アイツが悲惨な目に遭っているのは100%自業自得であり、お仕置き内容も"先輩のリクエスト"で決めているので、人のせいにするのはやめてもらいたい。



 そうでないと……<未設定のダンジョン>を売った落とし前に、ユアンを殺してギフトを奪うとき、僕が近付くだけで憤死してしまうので……


 顔を合わせた状態で報復できるよう、鎮静剤の量をコントロールするオートマタの仕事が、また増えるじゃないか!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 冷静に鬼畜してるように見えて、嫁を攻撃したことにキレまくってるの好き
[一言] 昔懐かしい(?)「クレクレ厨はカエレ!!」の実写アニメgifを思い出した。 ( https://imgur.com/I23hL2K.gif ) それはさておき<伏龍のダンジョン>を直接どこ…
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