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209話 Sランク自販機TUEEE




 ユアン配下のモンスター達が進退を決めるまで、それなりに時間を稼がなきゃいけないので、僕は<伏龍のダンジョン>の防衛にとりかかった。


「ふむ。理には適っているし、全体的な構成も悪くない。悪くないんだが……教科書的すぎて、人間側に対策マニュアルがあるタイプのフロアばかり……」



「これじゃあ、大人数で攻め込まれたら対応できませんね」


「うん。炎上しなければもっと成長して、マシになっていたかもしれないけど」



 ウチの執事君が言ったとおり、対策マニュアルが整備されていない仕掛けを用意しないと、防衛力も"平凡"の域を出ないんだよ。


 まぁそれでも、情報販売で儲けた金をつぎ込んだ甲斐あって、ある程度のクオリティーはあるのだが……人間からすれば、攻略しやすいダンジョンだろう。



「ちょうど、<聖者の祈り>持ちの聖女が合流したところか。今回の奴もまた、守る気がなくても純潔を捨てられなかったタイプの、ヒステリーババァだな」


 とはいえ……どんな背景があろうとギフトの威力は絶大なので、祈られる前にアイツを殺して、ダンジョンにトドメを刺されるのを防がなければならない。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜聖者の祈り〜

純潔を守りとおし、"長い間"修行を積んだ聖職者だけが得られるギフト。

ダンジョンの改造阻害や、ダンジョン攻略時のステータスアップなど、熟練度によって叶う範囲が広がる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 以前は、厳重に護られている聖女を殺すとき苦労したが……今の僕にとっては、制空権を取られない限り、簡単に処理できるタスクでしかない。


 だってセレクト自販機がSランクに上がった事で、選べる仕入れ先に<武器屋>が追加されて、「勇者が生まれた世界の凄い武器」が簡単に買えるんだもの。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜セレクト自販機(Sランク昇格後)〜

以下の店で扱っている物の中から好きな商品を100点選び、ソレ等をいつでも自販機のメニューに並べることができる。

データの書き換えやリセットは、前の商品選択から1日以上経っていないと行えない。


・雑貨屋

・ドラッグストア

・工務店

・スーパー

・武器屋


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 ゆえに聖女を殺したければ、ユアンが教科書的に用意していた"サブの出入り口"から、(僕配下の)飛行系のモンスターを外に出して……


 彼等に、聖女がいるテント上空で爆弾を落として貰えば一発だ!



 もちろん二度目以降は敵も警戒して、結界を張ったり上空の警戒を徹底するため、一度しか使えない方法だけど……


 これだけ追い詰められた状況からでも、確実に聖女を仕留められるんだから、化けた自販機作成ギフトはエグさピカイチだと思うよ。






<−−− ババババババババババババンン!!!!!!! −−−>


「OK。聖女にダンジョン機能を阻害される恐れはなくなった。執事君、22階層の防衛は順調かい?」



「はい。マスターにお預けいただいたライフルを使って、廊下部分で狙撃を行っております。もう少し敵の人数が減ったら、22階層は取り戻せるかと」


「了解。引き続きよろしく」



 幸いにも、現在敵が侵入している最奥の22階層には、長い廊下があったので……重力を考えて床と天井の角度だけ調節し、銃を持ちこみ射撃場へと変えた。


 敵視点で見ると、弓は天井が邪魔で使えず……遠距離魔法も射程圏外の距離から、ゴーレムが入れ替わり立ち替わり殺傷力抜群の攻撃を仕掛けている状況。



 そして彼等は"銃"なんて武器知らないから、対策マニュアルもクソもないし……弾切れ・モンスターの体力切れを待っても、その時は一向におとずれない。


 また盾を使って強引に前へ進もうとしても、トロトロ進んでいる間に、可燃性ガス散布からの火炙り攻撃に遭うので、可哀想なくらい呆気なく死んでいく。






「これで、人間相手の対処は大丈夫だな。問題は、ユアン憎しで<伏龍のダンジョン>討伐を支援しようとしている、魔王達だけど……」


 もし万が一、ここで僕が自販機チートを使って、彼等に被害を与えたら、この先ずっと逆恨みされそうなので、世渡り的な意味で"警告"は必要だ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜魔王掲示板〜


956 名前:メグミ(78期)

 ユアンの言動に対応して、つい先ほど<伏龍のダンジョン>を乗っ取り、アイツを拘束しました。

 今から"お仕置き"と"後処理"を行うので、その最中に人間がコアルームへ侵入するのを防ぐために、少々荒っぽい手を使います。

 経験豊富な先輩方には要らぬ心配だと思いますが、僕が乗っ取っているダンジョンに攻めこみ無意味な戦いをするのは、避けていただきたく存じます。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「よしっ。魔王掲示板にコレを書き込んでおけば、ユアンの動向を注視している魔王は見てくれるはずだし、余計なチョッカイをかけられる心配もないだろう」


 仮にこの警告を無視した上で突撃してきたら、殺傷性抜群の武器でボコボコにして、理由説明と共に僕の力を見せつければいいだけだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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