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207話 Gと戯れながら待っていてね!


〜ユアンside〜




「(うわっ、相変わらず超美人。抱きてぇ……)」


 久しぶりに見たサーシャ先輩は、学生時代と変わらず美人で、身体つきも「出るところが出た素晴らしいプロポーション」であり、なにより所作が美しい。


 男爵家出身の令嬢だから身分的には不釣り合いだが、今は亡き皇太子が惚れていただけあり、男なら誰もが一度は「付き合いたい」と思うだろう。



 それで……


「(サーシャ先輩の隣に引っ付いているモブが、メグミ先輩か。実績はピカイチだけど華がないな。これなら、私が成り上がれば余裕でサーシャ先輩を奪える)」



 後輩のために一肌脱ぐ心意気は買うが、お人好しは物語の中でも大抵"脇役止まり"だしな。


 私の成り上がりストーリーの踏み台として、それなりに活躍できるだけでも、先輩の出自を考えたら贅沢なくらいだろう。



「はじめまして。君が、79期の魔王<ユアン>だね? 僕はメグミ。んで、こっちはサーシャ。ヨロシク!」


「ご足労いただきありがとうございます! ご存知のとおり、私が79期の魔王<ユアン>です。先輩方にご助力いただけること、誠に光栄に思っております!」



 正直、メグミ先輩のモブ臭さにはガッカリしたが、実力はあるし、引き連れている援軍も豪華(だからこそ、主人の存在感が霞むのだが)だから……


 <伏龍のダンジョン>の防衛については、全面的に彼に任せて大丈夫だろう。


 それで私は、(隙を見てサーシャ先輩の胸とケツを堪能しつつ、)メグミ先輩の防衛術を学びとり成長の糧とする!






「メグミ先輩・サーシャ先輩、こちらが<伏龍のダンジョン>のコアルームになっております。モンスターは、転移陣がある部屋で待機させてください」


「「了解!」」


 先輩が連れてきた援軍には、Sランクのドラゴンも含まれていたため、内心「待機部屋の空間を広くとって良かった」と思いつつ、二人をコアルームへ案内する。



 サーシャ先輩が歩くたびに、形のいい胸がユサユサと揺れるので、男として我慢するのが辛いが……ここで欲に負けたら、全てが終わるからな。


 張り詰めている<ピー>は不発弾のまま堪え、「いつかメグミ先輩を追い抜き彼女を奪う」活力として、プラス転換しなければならない。



「ふむ。ユアン君のコアルームは、レイアウトをイジったみたいだけど、基本的な造りはコチラと一緒だね。モニターつけてもいい? 敵の様子が見たいんだ」


「はい! 現在、地上は人間の大群に覆われ……ダンジョン内も、蟻の如く奴等が闊歩している状況です。急いで手を打たないと、敵がここまで来ウグゥッ!!」



 メグミ先輩に状況説明している最中、突然私の腹に耐え難い痛みが走り、何が起こったかも分からぬまま意識が途絶える。


 そして……目が覚めた時には、なぜか全身動かぬ状態で固定され、一筋の光も差しこまぬ真っ暗な空間に寝かされていた。



「何があった!? もしやアイツ等……散々偉そうなことを言っておいて、土壇場で私を裏切ったのか!? チクショウ、あのクソ野郎がっ!!」


<−−− ガサガサガサ……ガサガサガサガサガサ…… −−−>



 ぅん?


 ちょっと待て……この不吉な音と、私の身体をはい回る虫の感覚…………もしかしてこの部屋、かなりの数のゴキブリがいるんじゃないか!?


<−−− ガサガサガサ……ガサガサガサガサガサ…… −−−>



「ヒエエェェェ〜〜〜ッ!!!?」


 この後、私の身に何が起きたかは……グスッ……グスゥッ…………。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




 全ての用意が整ったので、カウンターをくらわぬよう「防刃ベスト」というアイテムを身につけ、僕はサーシャと共に<伏龍のダンジョン>へ乗りこんだ。


 ユアンは詐欺師らしい"人好きする笑顔"で挨拶し、しきりに「先輩! 先輩!」と僕を立ててくれたものの……元イジメられっ子だから分かるんだ。


 コイツ絶対、僕のことを内心見下しているし……サーシャに対しても、「年長者に対する敬意」ではなく「抱くための女」的な感情を向けている。



「(サーシャは美人だから、男の本能が疼いちゃうのは仕方ないけどね。でもユアンの感情は、"思慕"ではなく"性処理要員兼アクセサリー見つけた"だと思う)」


 だから劣情をサーシャへ向けたことを許す気はないし、コイツにくらわせる"お仕置き"は、予定より一段階過酷なものにするつもりだ。



「モニターつけてもいい? 敵の様子が見たいんだ」


「はい! 現在、地上は人間の大群に覆われ……ダンジョン内も、蟻の如く奴等が闊歩している状況です。急いで手を打たないと、敵がここまで来ウグゥッ!!」



 どの道、奴隷奉公させられているお前の所のモンスターを、<伏龍のダンジョン>と共に滅ぼすのは可哀想だから、一度はスカウトをかける気だったんだ。


 主人を替えるか・ユアンの部下として滅ぶか、どちらを選ぶかはモンスター達の自由だけど、彼等の決意が固まるまで数時間はかかるから……


 それまで裸に剥かれてシロップ塗れになり、ゴキちゃんが活動的になる真っ暗な部屋で、人生最後の(ゴキブリ)ハーレムを楽しんでよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 美女(昆虫基準)と最期にイチャつけるとは良い思い出になったな
[良い点] 不覚にもワロタ。 まさに「来ると分かっていても打てない豪速球」みたいな感じ。 [気になる点] 結構前から思っていた事だけど、「主人公とヒロインのイメージイラスト」を見て感じる印象は以下のよ…
[一言] やったなユアン、人生最後にハーレムだぞ!(ただしG
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