206話 先輩活に勤しむクズ
〜ユアンside〜
メグミ先輩に自ら援助方法を決めさせることで、より気持ちよく協力させる準備を整えた私は、ダンジョン防衛の指揮をとりつつ魔王ランキングを注視。
「今から準備する」と言ったメグミ先輩……あとついでにサーシャ先輩が、一体どのくらいのポイントを私の支援に充てるつもりなのか、チェックした。
「んっ、動いたぞ! この減り方は……2人とも、手持ちポイントの2割を兵力に換えたのか。割合的に、多いとまでは言えないが……」
若手では断トツトップのポイント保有額を誇る、メグミ先輩の2割は、私がこれまで注ぎ込んだ全ポイントに匹敵するし、サーシャ先輩もバカにできない。
それに手持ちのポイントを、いきなり全て戦闘タイプのモンスターに換えたら、維持費がバカにならないし……
もし実際に敵軍とぶつかってみて、「もっと相性がいいモンスターがいたのに」となっても、作戦変更する予算がないから、先輩2人の対応は正解だ。
「きっとメグミ先輩が言っていた、"特殊なギフト持ちに備えて防衛用のモンスターを増やせ"ってアドバイスも、この位の増員を想定していたんだな」
それなのにバカみたいに増員して、せっかく稼いだお金をドブに捨てた私は、悔しいが真性のバカである。
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11 名前:メグミ(78期)
ユアン君。
準備ができたから、<転移陣>を繋いでソッチへ向かいたい。
コアルームへすぐ行けて、援軍用のモンスターも待機させられるスペースを、用意してくれるかな?
今回は「手本を見せる」って意味も兼ねて、ユアン君にモンスターの管理権限を移さず、僕とサーシャが援軍の戦闘指揮をとるので、パパッと動ける所で!
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「フゥ〜。これで私の命は安泰だし、ダンジョンの復活も時間をかければ成せるだろう。モンスターの所有者名義を移してくれないのは、残念だけど……」
モンスターの主人を私に替えたら、援軍がメグミ先輩の指示を聞かなくなるし、私に援軍だけ与えて放置してもダメと判断されているのだから、仕方がない。
というか……所有者名義を私に変更されたら、維持費が賄えず<伏龍のダンジョン>は破産してしまうので、選択の余地すらなかったか。
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12 名前:ユアン(79期)
スミマセン。
丁度いいスペースをご用意するべきとは、私も思ったのですが……資産もポイントも枯渇していて、ダンジョンの改築がですね……。
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ここは可愛く"資金不足"をアピールして、メグミ先輩からお小遣いを引き出し、投資ゼロで援軍を呼ぶのが最善手!
私の生活スペースに滞在してもらえば、ちょっとの改築で済むので、今あるポイントでも辛うじて足りるんだけど……
モンスター風情に私の生活スペースを穢されるなんて耐えられないし、ここまで来たら恥など全捨てして、タカれるだけタカるのが正義である。
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13 名前:メグミ(78期)
あっ、気が利かなくてゴメンナサイm(_ _)m
リフォーム代は送るから、それで丁度いい感じに作ってね^^
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「くくくっ、乞食ムーブ成功! もしこういうコメントを魔王掲示板で書き込んだら、口だけは喧しい魔王どもが騒いでいたかもしれないが……」
ここは、私・メグミ先輩・サーシャ先輩しかいない同盟チャットだからな。
いくら先輩をカモっても、後輩らしい態度さえ崩さなければ疑われないし、ここでの発言が原因で私が誹謗中傷されることもない!
メグミ先輩からお小遣いが送られてきたので、それを使ってコアルーム直結の待機室を作り、その部屋の真ん中に<転移陣>の受け入れ先をセットした。
防衛戦にポイントが入り用で其方に回したから、内装は少々安っぽいけど……十分な広さがある空間だし、モンスターの待機所としては上出来だろう。
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14 名前:ユアン(79期)
メグミ先輩・サーシャ先輩、お待たせしちゃってスミマセン。
待機所の用意ができたので、お手数ですが<転移陣>の設置と援軍を、よろしくお願いしますm(_ _)m
15 名前:メグミ(78期)
OK〜、すぐに行きます!
ウチのモンスターが誤ってケガをさせちゃうといけないから、<転移陣>発動時は陣から少し離れるよう、配下の子にも徹底させておいてね。
16 名前:ユアン(79期)
勿論です!
いつでもお待ちしております!!
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理想の後輩を演じてコメントを書き、メグミ先輩・サーシャ先輩の援軍を待つこと5分……。
<転移陣>の設置と動作チェックが終わり、先輩管轄のモンスターが続々と到着して、その中に混ざって先輩たちも現れた。
読んでくださり、ありがとうございます!
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






