表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
199/958

199話 難題の波状攻撃


〜ユアンside〜




 怒りで沸騰しそうな頭を氷で無理やり冷やして、魔王掲示板のチェックを続けた私だったが、現実は非情なもので……


 スケープゴートにされて没落した小物魔王だけでなく、一時はコチラに味方して金を稼いだ奴等まで、アッサリと私を裏切り売りやがった!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


541 名前:ロルカナ(25期)

 あ〜、最悪!

 まさかホログラムの正体が、79期のクソガキだとは思わなかったわ。

 断ったら私がスケープゴートにされそうだったから、仕方なく誘いに乗ったけど、新米だと分かっていたら無視したのに!


542 名前:ガルガロク(17期)

 俺もだぜ。ガキにしてやられた!

 こういうのは大抵、断った奴が腹いせに狙われるから、「集中砲火されるくらいなら」と乗っちまったんだよなぁ〜。

 実力の伴っていないクソガキが、おふざけで人形遊びしているって分かっていたら、間違いなく潰していたのによぉ。


543 名前:トキナ(36期)

 僕もハメられて久々にキレてますが、まだ挽回はできます!

 スケープゴートにされて生き残った被害者に、慰謝料として幾ばくかの資源を渡し、ナメた真似しやがったクソガキを剥製にしてやりましょう!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「クソッ、この恩知らず共め! 貴様等も、私が支払った情報提供料で充分儲けたじゃないか!!」


 8割以上が死に絶えたスケープゴート組に、今さら"僅かばかりの慰謝料"を渡したところで、コイツ等が受け取った報酬を考えると間違いなく収支はプラス。


 普段大物ぶっておきながら、いい思いだけして都合が悪くなったら即逃げるその姿勢には、虫唾が走るよ。






 絶対いつか報復すると心に誓い、(心がもたないので)魔王掲示板のチェックを止めて、ダンジョン防衛戦の指揮役に戻った私だったが……


 コチラも想定通りにはいかず、数の暴力で次々とフロアを突破され、10日経った頃には24階層のうち17階層まで攻略されてしまった。


 しかもゴシップ紙が続報でさらに私を貶めたせいで、他の国からも援軍がやってきて、せっかく敵兵を削った意味がなくなる始末。



「クソッ! 名誉の報復とか、"都合のいい事"ばかりホザきやがって。どうせ狙いは、口封じと<伏龍のダンジョン>に貯め込まれた"埋蔵金"なんだろ?」


 ゴシップ紙や冒険者ギルドが、「<伏龍のダンジョン>には貴族から奪った埋蔵金がある!」などと煽り立てたせいで……


 コチラの財布事情はカツカツなのに、人間共は「ここに行けば金儲けできる!」と、ありもしない財宝を鼻息荒く狙うようになった。



 卑しい生まれで、万年金欠の冒険者だけではない!


 他国の貴族から奪い取った金まで総取りしようと、「家を継がせられない次男三男ばかりの軍隊」を派遣して、"現金化"を狙う軍上層部もだ!



「ハァ〜。いっその事、目立つ位置にホログラムでも出して金欠を訴え、兵士共のモチベーションを削ごうかな?」


 でも私が能力を使うと、ゴシップ紙で拡散された"情報商材詐欺師"というレッテルに、証拠を与えてしまうようなものなので止めておこう。


 リスクも大きいし、どうせ人間は魔王の言うことなんて信じないから、何を言っても「命惜しさになりふり構わなくなった」とバカにされるだけだ。






「ご主人様。大変申し上げにくいのですが……先ほど17階層が攻略され、敵の斥候が18階層へと足を踏み入れました」


「チィッ!」



「ご主人様、国外の見張りより報告が! スタンピードのスケープゴートにされた事で、ご主人様に恨みを持っていた魔王共が、ついに動き出した……と」


「ヌゥ……」



「ご主人様、ルールベル皇国にいる配下と連絡がつきません! 申し上げにくいのですが、敵傘下のモンスターに殺られたものと考えられます」


「ムゥゥ……!」



「ご主人様、一大事でございます! 先ほど潜伏班より、各地の新聞が届きまして……またご主人様を貶めるようなタイトルで、記事が掲載されております」


「ああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」


 ダメだ、これ以上は耐えられない!



 どれだけ私が死力を尽くしたところで、数の暴力に押しつぶされるのは目に見えているし、こんなの理不尽すぎるじゃないか!


 私に非がなかったとは言わないが、それにしたってこの報復は過剰だし、あまりに追い詰められすぎて、世界全体が敵に見えてくるよ。



「こうなったら、残された道はただ一つ……メグミ先輩を頼り、あの人の支援を受けて一発逆転を狙うルートだけ」


 あの先輩に頭を下げるのは、正直"男のプライド"が潰される思いだが、それ以外に道はないし、今こそ"我慢"の時!


 邪魔な敵を追い払ってダンジョンを育てあげれば、用済みになった先輩など下剋上で餌にできるし、それまでほんの少し媚びて援助を引き出すだけだ!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この期に及んでメグミに対する本音が未だ変わらないユアンに対しては、どこぞのアザゼルさんのように「いや…お前もうホンマ死ねや」と言わざるを得ない。 一方、魔王掲示板におけるメグミの発言…その…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ