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196話 言霊




 ユアンに逆探知されて、僕が「ゴシップ作戦を実行した犯人」だとバレる展開は防げたので、続いて奴の自滅を誘うべく固定費アップを促す。


 とりあえず、僕等が新米のときロミオットがやらかした、「モンスターの数が多すぎる状態」を生み出してやろう。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


748 名前:メグミ(78期)

 頑張れ!!

 ユアン君なら、きっと乗り越えられるよᕦ(ò_óˇ)ᕤ

 あとダンジョンの防衛についてだけど、大人数相手なら、あらかじめモンスターの数を増やしておいた方がいいかも。


749 名前:ユアン(79期)

 えっ?

 前もって迎撃用のモンスターを増やすと、日々の維持費が嵩みませんか?


750 名前:メグミ(78期)

 メチャクチャ嵩む。

 とはいえ……特殊なギフト持ちっていうのは案外いるもんで、「ダンジョンの改造ができない」とか「新たにモンスターを生み出せない」みたいなのが来ちゃうと、其奴を追い払わない限り"臨機応変な対応"ができなくなるんだよ。

 だから戦争をするなら必要経費と割り切って、あらかじめモンスターの数を増やしておいた方がいい。


751 名前:ユアン(79期)

 なるほど、参考になります。

 お財布事情が厳しいので、日々の固定費が増えるのは辛いんですけど、"保険"と割り切ってモンスターを増員します!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 これは一見正しいアドバイスに思えるかもしれないけど、ユアンみたいな新米魔王が増員させすぎると、すぐに財産を食い潰して破産しちゃうからNGだ。


 このアドバイスをそのまま実行して「役に立った」と言えるのは、モンティート先輩のような金が有り余っている古参か、僕みたいに収入が多い魔王だけ。



 いくらユアンが情報商材を売って大儲けしたといっても、それをダンジョン育成に回していたら、残っている現金はそれほど多くないはずだから……


 特殊なギフト持ちに備えるのではなく、スリムに構えて敵がダンジョンに着く直前に対応するくらいじゃないと、あっと言う間に資金ショートしちゃうよ。



「まぁでも、ロミオットみたいに"計算ができなくて素でやらかしたバカ"じゃないから、これだけじゃ致命傷にはならないか」


 精々「念の為にとっておいた貯金」が消えて、メインの収入源も絶たれた結果、精神的余裕がなくなり、魔王掲示板で救援要請し出す程度だろう。



「なら、その辺も絞っておくか。くくくっ! 一見正論だから疑われないし……追い詰められている今のアイツなら、僕の本音に気付かず騙されるはずだ」


「メグミ君、顔が悪魔みたいになっているよ〜。しかし、あ〜〜笑い死ぬところだった〜〜! 君達の腹黒合戦、大道芸を見るよりずっと面白いよ」



 ふふっ、サーシャお帰りなさい。


 まだまだ見せてあげるから、笑顔はモニターじゃなくてコッチに向けてね!






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


752 名前:メグミ(78期)

 あと、一番気をつけなきゃいけないのは援軍要請ね。

 どれだけ厳しい状況になっても、近隣の魔王に援軍を要請しちゃダメ!

 たぶん彼等は来てくれるけど、それは君を助ける為じゃなくて、ボロボロになった君のダンジョンを乗っ取り、いい思いをするためだから。


753 名前:ユアン(79期)

 そうですよね。

 もし彼等が信用できる相手なら、平常時からメグミ先輩みたいに慕いますし。

 ちなみになんですが……先輩の方から、援軍を出してもらうことって出来ないですかね?

 今、本当にピンチなんです( ; ; )


754 名前:メグミ(78期)

 う〜ん。

 たぶんユアン君のダンジョン、僕の近場じゃないよね?

 移動コストを考えると厳しいなぁ。

 でも本当に命が危なくなったら、そこら辺は何とかするんで頼ってね!

 僕も去年ピンチに陥ったとき、「助けてくれる先輩がいたら」と何度も思ったから、ユアン君には同じ思いをして欲しくなくって……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「うわ、出たよ! 他の選択肢を潰した挙句、一歩引いて相手に誘わせてからの、"本当に命が危なくなったら頼ってね"宣言! 絶対、トドメ刺すやつじゃん!」


「くひひひっ! ピンチのとき援軍要請しちゃダメなのは、本当だよ? ただ……その対象に僕も入っているという事を、言わなかっただけだ」


「悪辣〜!!」



 僕の方から言うんじゃなくて、ユアンの思考を誘導して自ら「頼っていい?」と言わせることで、アイツは「己の意思でメグミ先輩を頼った」と思いこんだ。


 そして僕等は、己の心を守るために、過去の発言と一貫性のある行動をとりたがる生き物だから、ユアンは極限まで落ちたとき僕に助けを求めるだろう。



「ねぇメグミ君。もし援軍要請を受けたら、馬鹿にして断るんじゃなくて、行ってダンジョンごと滅ぼすんだよね?」


「うん。ユアンのギフトには興味があるし、サーシャにケンカを売った落とし前は、アイツの命でつけてもらう。それが敗者の定めってもんだ」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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