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194話 犯人に相談する新米魔王


〜ユアンside〜




 配下のオートマタに指示を出して、急いでダンジョンの迎撃体制を整えさせた私は、可能な限りの手配をしたあと魔王掲示板でメグミ先輩に質問した。


 この人は元ボッチだからか、成り上がった現在も後輩が質問したら無償で対応してくれ、回答の精度も高いので重宝している。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


741 名前:ユアン(79期)

 メグミ先輩、相談があるんですけどいいですか?


742 名前:メグミ(78期)

 もちろん。

 遠慮なくどうぞ^^


743 名前:ユアン(79期)

 ありがとうございます!

 実は、悪意を持つ誰かに悪い噂を広められてしまって……。

 そのせいで、人間の権力者にダンジョンを狙われそうなんです。

 スタンピードミッションをこなすために、人間の街を襲ったのは事実ですけど……それ以外は全部冤罪なのに、報復がデカすぎて泣きそう。


744 名前:メグミ(78期)

 そっか、間違えるなんて酷いね( ; ; )

 他の先輩方も被害に遭っているみたいだし、物騒すぎて嫌になっちゃうよ。

 サーシャのダンジョンも、誰かに冤罪を着せられて殲滅候補にされちゃったし(T ^ T)


745 名前:ユアン(79期)

 サーシャ先輩も……。

 お互い大変ですね( ; ; )


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 よしっ、上手くメグミ先輩の同情を得られた!


 ナチュラルに下に見てくるのはムカつくけど……コイツの知恵はバカにできないし、今は"雌伏の時"だから接待モードでアイデアをむしり取る!


 だから、さっさと「実現可能で効果が期待できる策」を教えろ!






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


746 名前:メグミ(78期)

 まず、情報の逆探知にリソースを割いちゃダメだよ!

 ユアン君は新人だから、たぶん仕掛けた先輩方より資産額が少ない。

 だから、今から逆探知したところで犯人にたどり着けない可能性が高いし……

 そもそもそんな所にリソースを割いていたら、人間にダンジョンを食い破られて殺されちゃう。


747 名前:ユアン(79期)

 そうですね。

 こんな酷いことをした奴……いつか絶対に探し出して仕返ししたいと思っていますが、今は耐えて侵入者だけにフォーカスします。


748 名前:メグミ(78期)

 頑張れ!!

 ユアン君なら、きっと乗り越えられるよᕦ(ò_óˇ)ᕤ

 あとダンジョンの防衛についてだけど、大人数相手なら、あらかじめモンスターの数を増やしておいた方がいいかも。


749 名前:ユアン(79期)

 えっ?

 前もって迎撃用のモンスターを増やすと、日々の維持費が嵩みませんか?


750 名前:メグミ(78期)

 メチャクチャ嵩む。

 とはいえ……特殊なギフト持ちっていうのは案外いるもんで、「ダンジョンの改造ができない」とか「新たにモンスターを生み出せない」みたいなのが来ちゃうと、其奴を追い払わない限り"臨機応変な対応"ができなくなるんだよ。

 だから戦争をするなら必要経費と割り切って、あらかじめモンスターの数を増やしておいた方がいい。


751 名前:ユアン(79期)

 なるほど、参考になります。

 お財布事情が厳しいので、日々の固定費が増えるのは辛いんですけど、"保険"と割り切ってモンスターを増員します!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 メグミ先輩の言うとおり、死んだら元も子もないから、モンスターの増員は早めに行うしかないな。


 どうせ人間が襲ってきたら、迎撃ですり潰されて減る連中なんだから……バカみたいな数用意しなければ、運営に響くほどの痛手にはならないのだろう。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


752 名前:メグミ(78期)

 あと、一番気をつけなきゃいけないのは援軍要請ね。

 どれだけ厳しい状況になっても、近隣の魔王に援軍を要請しちゃダメ!

 たぶん彼等は来てくれるけど、それは君を助ける為じゃなくて、ボロボロになった君のダンジョンを乗っ取り、いい思いをするためだから。


753 名前:ユアン(79期)

 そうですよね。

 もし彼等が信用できる相手なら、平常時からメグミ先輩みたいに慕いますし。

 ちなみになんですが……先輩の方から、援軍を出してもらうことって出来ないですかね?

 今、本当にピンチなんです( ; ; )


754 名前:メグミ(78期)

 う〜ん。

 たぶんユアン君のダンジョン、僕の近場じゃないよね?

 移動コストを考えると厳しいなぁ。

 でも本当に命が危なくなったら、そこら辺は何とかするんで頼ってね!

 僕も去年ピンチに陥ったとき、「助けてくれる先輩がいたら」と何度も思ったから、ユアン君には同じ思いをして欲しくなくって……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「よしっ、"お人好しのカモ"ゲット! これで最悪、殺されそうになっても助かる希望が持てた!」


 崖っぷちの後輩を助けたところで、謝礼金が支払われる保証などないのに、よくボランティア活動する気になるもんだ。


 まぁでも私としては、純粋に「保険が一つ増えた」だけで得しかないから、万々歳なんだけど。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] これスキームの意趣返ししてるなぁ… 小さな得を与えて信頼を稼いだらデカい罠に落とすっていう
[一言] 大きな嘘はついてないんだよなー 但し「情報戦は捨てろ」とか「モンスターを増やせ」とか、 「ダンジョンマスターのセオリー」ではあっても「メグミたちのやり方」ではない方へ誘導してるっていう…… …
[一言] 実際、情報戦にリソースをつぎ込んでいる場合ではないとか、聖女が来たら改造が出来なくなるから万全の準備とモンスターの増員を終わらせないといけないのと下手に援軍を呼んでも搾取されるのは合っている…
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