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178話 十色の温泉




「あぅ〜、腰が痛い……。喉カラカラで水飲みたいのに、コップを持つのすらダルいとは…………」


「にししっ! ソレも含めて、構って欲しかった私からのオシオキなの♪ はいメグミ君、お水どうぞ〜」


「ありがとうサーシャ。うん、美味い」



 ハイドンを倒した事で「防衛戦」から解放された僕は、結局10時間以上「魅惑の女豹」に翻弄されシオシオに干からびた。


 好きな娘とイチャイチャできる”至福のひと時”だったのは、間違いないんだけど……後遺症で身体がだるいし、今だけはハイドンの”絶倫”が羨ましいよ。



「ふふっ。ちょっとした事で狼狽えるメグミ君、すごく可愛かったよ♪ タイミングがズレちゃったけど、祝勝会で英気を養ってからもう一晩楽しもうね〜」


「はぅぅ……っ!!」



 いや、サーシャ様……”据え膳”を用意してくれるのは嬉しいんですが、もう少し間隔あけませんか?


 このままだと僕、消耗しすぎて干物になっちゃうよ!



「ところでメグミ君、おはようのキスは? 私、待ってる」


「あっ、ウン。その……おはよう。Chu!」


「うふふっ。ご馳走さま♪ メグミ君大好き〜!」



 一晩中激しく運動したはずなのに、サーシャは疲れるどころか肌ツヤが増しており、魅惑のフェロモンを放っている感じがする。


 ダンジョン所属のモンスターは、魔王に”そういう思い”を抱かないから問題ないとして……


 彼女がうっかり「魅了モード」のまま外出せぬよう、彼氏として気を配るべきかもしれない。






 朝のイチャラブタイムを終えた僕らは、後処理をやってくれたモンスター達と合流して、諸事情によりドタキャンしちゃった祝勝会を開催。


 “新米狩り”との戦いでゲットした、高ランクモンスターの肉を焼いたり、自販機で買えるようになった新メニューを食べたりして……


 頑張ってくれた、仲間の労をねぎらった。



 <恵のダンジョン><未設定のダンジョン>共に、最低限の警戒は必要なので、見張りの仕事があり参加できてないメンバーもいるけど……


 二次会は<未設定のダンジョン>で行い、シフトもきちんと調節するので、思う存分「食べて・飲んで・騒いで」くれ!



「はい注目! メグミ様・サーシャ様の仲睦まじいお姿に、乾杯〜!」


「「「「「「「「「「乾杯〜!」」」」」」」」」」



 命のやり取りから解放されたモンスター達は、ハイドンがため込んでいた美酒を飲み、「モンスター肉・生魚・アイスクリーム」等をかっ食らう。


 異世界の「スーパー」という店は、驚くほどに品揃えが豊富で激安だから……


 皆、自販機のとなりに置いてある(”ご自由にどうぞ”の)銅貨を突っこみ、それぞれの種族が好む味付けの料理を買って、爆食いしているのだ。



<<<<<<<<<<パパーン!!>>>>>>>>>>


「「うおっ!?」」


「あははっ! メグミ様とサーシャ様が驚いた〜♪ このクラッカーっていう”おもちゃ”、お祝い事で使うって書かれているけどビックリしますよね〜♪」



 中には「幼い妖精」など”イタズラ好きな子”もいて、クラッカーや怖い仮面で驚かされたりもしたけど……


 懐いてくれているからこそだし、彼女たちとコミュニケーションが取れて楽しいよ。



「ふむ。精力増強に効くという、”マムシ・スッポン・高麗人参”が入ったこの薬を、メグミ様の料理に混ぜれば……お二人とも今晩幸せに…………」


「執事君、それはストップ! 幸せになる前に干からびちゃうから! 主人を大事にして!」


 純粋な好意で「笑えないイタズラ」を仕掛けてくる、サーシャ贔屓のオートマタもいるため、油断は禁物だけどね。






 ワイワイ・ガヤガヤと、「ダンジョンの奥深く」にある光景とは思えないほど、愉快なひと時を過ごした僕らは……


 ハイドンの<改造阻害>効果が消えてすぐ、<恵のダンジョン>の居住区画に新設した、<温泉フロア>の魔王専用風呂でくつろいでいた。



「ふわぁ〜、いい湯だぁ〜〜〜〜!」


「うん。トロトロに解れて、溶けちゃいそうだね〜」



 <温泉フロア>は、この前まで行われていた殺戮ポイントランキングでもらった、上級カタログギフトから<十色の泉>を選び……


 そこからわき出る”冷泉水”を、砂漠特有の熱で”温泉水”に変えて造ったんだ。



〜十色の泉〜

乳白色で美しい10の冷泉が、枯れる事なく湧き続ける泉。

色は付いているが飲むこともできる。


・桜の泉(思い人と一緒に飲むと恋が実る)

・紅の泉(精力増強作用がある)

・山吹の泉(肩こり・腰痛を回復させる)

・山梔子の泉(MPを微回復させる効果がある)

・白花の泉(HPを微回復させる効果がある)

・青竹の泉(フレッシュな気分になれる)

・若梅の泉(頭の回転がはやくなる)

・常盤緑の泉(目の病気に効く)

・露草の泉(リラックス効果がある)

・葡萄の泉(香り高く美味しい)



 ミッション報酬で得た泉を”源泉”にしているから、「砂漠の真ん中」という「水に縁遠い立地」でも安価に造れたし……


 水量の制限もないため、モンスター用の巨大風呂も用意できた。


 温泉を楽しみつつも色仕掛けをしてくる、サーシャが気になって仕方ないところ以外は、完璧な(居住用)設備だと思う。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで、少しでも「おもしろい」と思った方は、下にある「いいねボタン」と「☆☆☆☆☆評価」で、作者に燃料を注いでくれると嬉しいです!


感想・レビューも大歓迎だけど、作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言]  コミカライズ版が出る時は、是非とも冒頭のシーンの メグミ君をミイラ一歩手前に描いて貰ってください。  もしくはヨボヨボ白髪お爺ちゃん状態でもいいです。
[良い点] 【魅惑の蝶】を持ってるのは、恵君ではなくサーシャさんでしたっけ?www サーシャさんのは【魅了】とか?www 温泉素敵ですな!現実にもそんな魔法の効果があれば良いのに。
[一言] メグミ君達ナニ色の泉入ったんだろう✍(◔◡◔)
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