177話 メグミ、女豹に敗れる
<ドゥウゥゥゥゥゥゥン!!>
『メグミ様、ターゲットは出血多量で死亡しました。辛うじて形状をとどめている部位も、ミンチにしますか?』
「いや、お腹も空いたし止めておくよ。狙撃練習は終了で!」
『かしこまりました。では、後処理に入ります』
実践スタイルで一生懸命”狙撃”の訓練をしていたら、42発目で「ハイドンの上半身にあたり爆散した」と連絡が入った。
撃ち抜いた部分が悪かったらしく、内臓が散乱してエライことになっているため、片付けはスカベンジャースライムに任せるそうだ。
「う〜ん。まだ完全にはコントロールできないから、もう少し練習したかったんだけど……コツは掴めたし良しとするか」
あとは、ヒマな時間に練習して少しずつ精度を上げていこう!
「さてと……仮にも序列10位の魔王を倒したんだし、ステータスの伸びは期待していいはず! 如何程のものか……おぉ、いい感じに成長しているじゃん!」
下手くそな腕で、何十発もスナイパーぶっ放した甲斐があったよ。
メグミ(17)
種族:魔人族(魔王)
職業:ダンジョンマスター・勇者
HP:46387/41426→46387
MP:71825/62853→71825
スキル:剣術C・狙撃F(New)・噛みつきE・火魔法S・水魔法S・風魔法S・土魔法A・氷魔法D・回復魔法S・聖魔法S→SS・闇魔法C→B・遠視F(New)・物理耐性C→B・精神耐性B・お笑い耐性E(New)・アイテムボックスA
ギフト:自販機作製S・統率A・聖者の祈りB→A・看破B・火魔法の才C・水魔法の才SS・土魔法の才C・風魔法の才C・ゴーレムマスターB・透明化E・魅惑の蝶E・龍の涙C・若返りD→C・変身E・鑑定D→C・偽装E→D・水分身D・改造阻害E(New)
その他:称号(蟻マスター・異端児・超新星・ゲス鬼畜・ドラゴンキラー・水龍殺し・モンスターの天敵・ジジィ狩り・魔王を狩る魔王)
水龍を討ったときに比べると緩やかだけど、クルスやアリスを倒した時よりステータスが伸びたのは、「ハイドンの評価が高かったから」なのだろう。
僕には「言い訳三昧のボケ老人」にしか見えなかったが、生への執着と、(他者から搾取することで積みあげた)実績だけは凄かったしね。
「アイツが持っていた<改造阻害>ギフトは、<聖者の祈り>と性質が近いし……今のところランクも低いから、お蔵入りだな。使い物にならん!」
とはいえ、アレを持つジジィが死んだことで<恵のダンジョン>を縛るギフトもなくなったし、「マイナスを0にした」って意味では良かったと思う。
「少し落ち着いたら、今回の戦いで”改善した方がいい”と思ったポイントや、新しいフロアを整備するぞ! そのために必要なポイントも沢山もらえたしね」
細かな集計結果は、まだ出ていないが……ベテラン魔王を3人ほふったことで、ウチのダンジョンには”あぶく銭”があふれている。
サーシャと半分こしてもかなりの額になるから、予備資金を残しつつ、積極的に設備投資していくつもりだ。
「よしっ! 皆……共同墓地で殉職者の冥福を祈ってから、コアルームへ戻ろう。早くしないと、サーシャのお仕置きが増えちゃうよ」
「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」
今夜からは(良くも悪くも)たっぷりと時間を取れるので、ドSモードになった彼女に、どれだけ絞り取られるか想像がつかない。
これに関しては、なぜか僕配下のモンスターもサーシャに味方するし……シオシオに干からびないか心配だ。
今回の戦いで犠牲となったモンスター達の冥福を祈り、墓に自販機で買った「美味しいご飯」を供えてから、サーシャの待つコアルームへ戻ると……
オアシスフロアを地上に戻した彼女が、宝箱機能を使って、活気づく住民達に”おひねり”を配っていた。
どうやら(生への執着が強すぎた)ハイドンが、マジックバッグの中に、<長寿の石>と言われるパワーストーンを大量に貯めこんでいたらしく……
実際に効果があるわけでもないので、幸せ(=市場価格5万ロル)のおすそ分けをしていたんだとさ。
「メグミ君お帰りなさい! ご飯にする? お風呂にする? それとも……私?」
「ぐふぅ……っ!?」
サーシャさん……ジジィの呪いがかかってそうなパワーストーンはどうでもいいけど、裸エプロンでそのセリフを言うのはやめてください!
わざわざそんな格好する意味なんてないし、絶対に故意だよね!
「もちろんゴバブゥン……」
ヤバイ、出る!!
精神耐性スキルは持っているはずなのに、なぜかエロには効果がないし、鼻血が止まらなくなっちゃうからさ!
「うんうん分かった。お腹いっぱいご飯を食べたあと、二人でお風呂に入ってベッドインするんだね♪ メグミ君、今晩は寝かさないよ〜。オシオキ♪」
「あっ、ハイ……お願いします」
「ガアァァ〜ゥ♪」
だから、その格好で女豹になるのはやめてください!
夜遅くなってからじゃないと、朝まで体力がもたな…………
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






