表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/962

174話 ハイドンの使い道




 モンスター達の”試し撃ち”を見ている間に、水龍の解体作業が終わったので……僕も彼らのところへ向かい、買ったばかりの銃を使ってみる。


 今回使用するのは、購入したモノの中でも特に高かった<スナイパーライフル>というものだ。



「え〜っと……このスコープってやつを覗いて狙いを定めてから、息を止めてズドーンと……」


<ドゥウゥゥゥゥゥゥン!!>



「おぉぅっ!? 大きな音が出るのは分かっていたけど、集中している時にいきなりくるとビックリするな。耳栓付けるか」


 そして肝心の弾丸は……ダメだこりゃあ。


 狙撃手(僕)の腕が悪すぎて、マトのはるか上に当たってしまった。



「よしっ、もう一発!」


<ドゥウゥゥゥゥゥゥン!!>


 おぉ、今度は見失うほどマトから離れた木の幹に……。



「メグミサマ、キヲオトサナイデクダサイ。ソゲキハ、ワレワレガ、タントウシマスノデ」


「マスターハ、コアルームデ、サーシャサマト、ゴユックリ。テキヲ、タオスノハ、オレタチノ、シゴトデス」



 あまりの「ド下手ぶり」を見て、すでにコツを掴んでマトに当てまくっているモンスター達が、同情の言葉をかけてくれたのだが……


 説明書に「練習すれば誰でも使用可」と記されていた武器を、この世界に輸入した本人が使えないなんて恥ずかしいので、上手くなるまで練習するよ。






「<改造阻害>持ちのハイドンが死んだら、スナイパーライフルの射程距離と同じくらい長い通路を造って、狙撃手を配置するのもいいかも」


「「「「「ハイ。オシゴト、ウレシイ! ガンバリマス」」」」」


「うん。一緒に頑張ろうね!」



 僕はまだ”下手っぴ”だから戦力にならないけど、C〜Fランクくらいのモンスターに狙撃練習させて、いくつもの通路で敵を撃ちまくれば……


 今までとは一味違う防衛スタイルを、確立できると思うんだ。



「メグミ様、この後どうされますか? サーシャ様率いる<捕縛班>がハイドンを捕えボコボコにしておりますが、手加減できているので死にはしないかと」


「う〜ん。せっかく練習するならリアリティーが欲しいから……そうだ! ハイドンを狙撃のマトにしよう。執事君、コアルームへ戻るよ!」


「かしこまりました」



 「職業:勇者」の恩恵を受けるためには、僕自身が魔王へトドメを刺す必要があるんだけど……聖剣でOKなら、聖魔法をこめた銃弾でも問題ないはず。


 ハイドンは長かったこの戦い最後の敵だし、記念すべき「この世界で初めて銃弾をあびた魔王」にしてやろう。






 ハイドンの処刑方法を決めてから、コアルームへ戻ると……


 <捕縛隊>の指揮を任せたサーシャが、30階層にいるモンスター達に命じて、死にかけのハイドンから装備品を剥ぎ取らせていた。



「何があるか分からないから、手足の爪は”全て剥いだ状態”をキープして! 死なない程度の回復魔法は必要だけど、筋や骨の治療はしちゃダメだよ!」


『『『『『はい!』』』』』



 <恵のダンジョン>には、頼んでもいないのに「僕の命を狙うクズ」が集まるため、サーシャも剥ぎ取りはお手のもの。


 慣れた様子でモンスターへ指示を出し、抵抗されぬよう気をつけながら服やベルトを脱がせている。



「サーシャお待たせ! 水龍の解体が終わったから戻ってきた。ハイドンは”新しい手法”で殺したいから、剥ぎ取りが終わったら拘束していいかな?」


「もちろん! このタイミングで”新しい手法”ってことは、勇者の能力か自販機関連だよね? メグミ君の勇姿、楽しみだなぁ〜♪」



 あっ、いやゴメンナサイ……当たるかどうか分からない「スナイパーライフルでの狙撃」を、当たるまで続けるつもりの男です。


 思っているような勇姿は見せられないけど、いずれモンスター達みたく「一発でマトの真ん中を狙撃できる」ようになるから、それに期待してくれ。






「ところでメグミ君、コッチの戦果も聞いてよ〜♪ ハイドンから剥ぎ取ったマジックバッグを漁ったら、白金貨が300枚も出てきたの! 凄いでしょ!!」


「凄い! 大儲けじゃないか!! サーシャよくやった、ナイス!!」



「えへへ。私達はアイテムボックスに仕舞っているから、拷問されないかぎり奪われる心配ないけど、”新米狩り”の三人は”マジックバッグ派”だったからね」


「うん。マジックバッグの方が容量大きいし、自分が上に立つ前提で”安全”だと思っていたんだろうけど……迂闊だよなぁ〜」



 <アイテムボックスF>程度なら、普段のミッション報酬でスクロールをもらえるんだから、1個くらい自分で使えばいいのにね。


 戦力となるモンスターばかり強化していい気になり、自分諸共「敵のダンジョン」へ乗り込んで、身ぐるみ剥がれているんだから世話ないよ!



ハイドン(249)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター

HP:146/42990

MP:3/13712

スキル:剣術B・格闘術B・火魔法E・水魔法A・風魔法C・土魔法F・回復魔法E・物理耐性B・精神耐性C→B・罵倒耐性F(New)・偽装B

ギフト:改造阻害

その他:称号 (新米狩り・無様さま・新米に狩られる者)

    状態異常(MP枯渇・貧血・吐気・局部欠損・頭皮欠損)

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
銃とか多少の習熟で誰が使っても一定の成果が出るものが不得意とか有り得ないから 狙い付けて引き金引くだけお手軽武器だから普及するんやで まして勇者()笑さんはステータス高いのでは? バシバシ当たらない方…
[良い点]  白金貨300枚  メグミ君の目も思わず(¥)(¥)になりそう。 [一言] 『猿でも当てられる狙撃術』  そんな感じの入門書が売っていればいいのに……
[一言] 罵倒耐性って…サーシャ班怖っww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ