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173話 異世界の武器は規格外




 まだ水龍の解体が終わりそうにないので、渡された素材をアイテムボックスに仕舞いながら、機能拡張されたセレクト自販機の検証をおこなう。


「ふむ。雑貨屋・ドラッグストア・工務店の商品カタログは、Aランクの時とそこまで変わらないか。なら、新たに追加されたスーパーと武器屋をチェックだ」



 まずは、「スーパー」という異世界の店から。


 この店の品揃えは、雑貨屋やドラッグストアと被っている物もあるが……食料品が多く売られており、その安さにはビックリした。



 特に、変なニオイのしない<生魚>と<生肉>……そしてアイスと言われる、キンキンに冷えたクリーミーで甘いお菓子。


 なぜ異世界では、「管理に手間のかかる食料品」がここまで安く売られているのだろう?



「えっ!? いや、ちょっと待ってくれ……コレ、胡椒じゃないか!! なぜ瓶一杯もの胡椒が、500ロルで売られているんだ!?」


 しかも、特に希少な白胡椒もある!


 こんな高級品、商業ギルドへ持っていけば金貨を積んで買ってくれるぞ!



「胡椒で驚きすぎて疲れちゃったけど、岩塩もありえない価格で売られているな。これまでも思っていたけど、勇者の故郷は規格外すぎる!」


 異世界から来た勇者には「贅沢でワガママな者」が多いと聞くけど……「コレが当たり前」の生活をしてきたんだとしたら、その態度にも納得がいくよ。






「とりあえず20種類だな。セレクト自販機に、塩・胡椒と金になりそうな商品を入れて……オアシスフロアに”ドン”と出現! よしっ、近くにいた人が気付いてくれた」


 明らかに儲かる商品ばかりだから、長い間「地下暮らし」させちゃったオアシスフロアの住民も、老若男女問わず喜んでくれるだろう。



『はぁっ!? おぃちょっと……マジかよ! お前ら、この自販機を見てみろ! 胡椒がバカほど安い値段で売っているぞ! こんなの価格破壊だ!!』


『砂糖・塩・油……全部ヤバイな。なぜ精製に手間がかかる高級品が、銅貨数枚で買えるんだろう? やっぱり、ここの魔王様は規格外だぜ!』



『細かい事はどうだっていいんだよ! 俺たちゃ”家族と仲間”が幸せに暮らせて、腹いっぱい飯が食えれば充分さ。だったら、やる事はただ一つ』


『『『『『『『『『『魔王同士の戦いが終わったら、地上へ戻って胡椒を売りさばく!!』』』』』』』』』』


 くくっ……オアシスフロアの皆さん、「僕が望んだ答え」ありがとうございます。



 見ただけで出所が分かるシャツやズボンと違い、塩や胡椒は”ダンジョン産”とバレる事なく売りさばけるから、彼らにとっても都合がいいよね。


 ハイドンを殺し終えたら、オアシスフロアを32階層→地上へ戻すので、もう少しだけ待っていてください。






 オアシス住民の騒ぎようを眺めつつ、スーパーの商品をチェックし終えた僕は、「武器屋の商品カタログ」へ手をのばす。


「ふむふむ。スーパー同様、”知っている物”と”知らない物”が混在しているな。剣や盾は分かるけど……手榴弾って何だ? 拳銃シリーズ? この黒い物体が70万!?」



 とりあえず落ち着こう。


 知っている物の値段を見るかぎり、「武器の価格」は「食料品の価格」に比べて、この世界との異差が小さい気がする。



 そして、異世界モノと思われる「銃シリーズ」の価格が特に高い!


 マシンガンと書かれている黒い物体なんて、「1個=70万ロル」もするが……僕が知らない武器ってことは、この世界の敵に有効なんじゃないかな?


 今の僕なら手が出ない価格じゃないし、とりあえず一通り買ってみよう!



〜購入した武器(一部)〜

・手榴弾:500ロル

・閃光弾:2000ロル

・ピストル:5万ロル

・アサルトライフル:10万ロル

・ボルトアクションライフル:10万ロル

・スナイパーライフル:100万ロル

・マシンガン:70万ロル

・ショットガン:3万ロル

・ハンドガン:7万ロル






 そう思った僕は50種類の武器を買い、仕事がないCランク以下のモンスターに”お試し”させてみたのだが……控えめに言ってエグかった。


「威力は”猛者の魔法”の方が高いけど、射程距離とか費用対効果がヤバすぎる。こんなの、Sランクモンスターでも太刀打ちできないって!」


 ちょっとレバーを引くだけで、大きなモーションもなく1km以上離れた壁にめり込む金属……なんて初めて見たよ。



 対抗できるとすれば、防御タイプの「皮膚が硬いモンスター」か「SSランクの化け物」くらいだが……それでも、催涙ガスや閃光弾はくらいたくないだろう。


 MPが切れたら撃てなくなる普通の魔法と違い、「セレクト自販機の武器」は、お金さえあれば好き放題撃ちまくれるチート仕様だからね!



「う〜ん。さすがにコレは、仲のいい魔王にも渡すわけにはいかないな。僕とサーシャだけの武器にしよっと」


 しかし……魔王転生時に、”乾き”と”飢え”対策で選んだ<自販機作製ギフト>が、攻撃の切り札に化けるなんて思わなかったよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ピストルとハンドガンって英語とフランス語の違いなのに値段違うのかー
[一言] オートマタに与え、銃撃部隊を編成したら結構強い部隊になる 戦闘スキル持たないはずのモンスターが精密操作銃撃はヤバい www
[気になる点] 化粧品の自販機監修はサーシャとアスタリアがするのかな?
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