171話 メグミ、ドラゴンキラーになる
『やった、やったぞ! 俺たちの力で、格上のSSランクモンスターを倒せたんだ!!』
『90%くらい、マスターの聖血のお陰だけどな。とはいえ……復讐の山場は終えたし、生き残っているのも”薄汚れたジジィ”だけ。喜びで血がたぎるぜ』
『ちょっと君たち、喜んでないでコレ運ぶの手伝ってよ! SSランクモンスターの素材なんて滅多に入らないんだから、腐る前に剥ぎ取らないと!』
『そうだぞ。奴が水魔法でグチャグチャにしたとはいえ、ここは灼熱地獄が売りの砂漠。放っておいたら、2日ともたずに腐っちまう』
『『『『『は〜い』』』』』
強敵を倒したことで、感情のままに喜びの声をあげるモンスター達と、それを冷静にたしなめるオートマタ。
ゴーレム達も、他のモンスターより冷静に周りを見て、オートマタの手伝いをしている。
「ねぇメグミ君、彼らの精神年齢……明らかに高くなっているよね。<ゴーレムマスター>ギフトの効果かなぁ?」
「多分そうだと思う。成長してくれて嬉しいけど、子供が”独り立ち”していくみたいでちょい複雑な気分かも」
「あはは。そのうち、私たちよりもしっかりした大人になりそうだね。だけど、彼らは出ていかないから大丈夫だよ」
たしかに、<恵のダンジョン>と<未設定のダンジョン>に所属しているモンスターは、(彼らが所属替えしない限り)死ぬまで僕らと一緒。
「反抗期とかあれば面白かったのに〜」と思わなくもないけど、いい変化と思って暖かく見守るよ。
「あれ? よく見ると、またメグミ君のキラキラ感が増している。メグミ君、水龍を倒したことでステータス伸びたんじゃない?」
「えっ? でも僕、戦闘には参加してないよ。ほら見て……あっ!」
サーシャの言ったとおり、ステータスが爆伸びしていた。
そして……ずっとAランクで停滞していた<自販機作製ギフト>も、<S>にランクアップしている。
メグミ(17)
種族:魔人族(魔王)
職業:ダンジョンマスター・勇者
HP:41426/22041→41426
MP:62853/46925→62853
スキル:剣術C・噛みつきE(New)・火魔法S・水魔法E→S・風魔法S・土魔法A・氷魔法D(New)・回復魔法S・聖魔法A→S・闇魔法D→C・物理耐性C・精神耐性B・アイテムボックスE→A
ギフト:自販機作製A→S・統率B→A・聖者の祈りC→B・看破C→B・火魔法の才C・水魔法の才SS(New)・土魔法の才C・風魔法の才C・ゴーレムマスターC→B・透明化E・魅惑の蝶E・龍の涙C(New)・若返りD(New)・変身E(New)・鑑定D(New)・偽装E(New)・水分身D(New)
その他:称号(蟻マスター・異端児・超新星・ゲス鬼畜・ドラゴンキラー・水龍殺し・モンスターの天敵)
〜龍の涙ギフト〜
あふれ出る涙が極上のポーションになる。
その効果は「感情の種類・幅」によって変わり、強い感情を込めれば込めるほどよく効くポーションができあがる。
〜若返りギフト〜
強いモンスターの肉を食べることで肉体年齢が若返る。
壮年になった頃からアクティブとなり、成人したころの肉体年齢に戻ると鳴りを潜めるため、幼少期に戻ることはできない。
〜変身〜
似たような体型で、見たことのある対象へ変身することができる。
体積・体重・性別は変えられないが、同程度の体積をもつ無性生物になることは可能。
〜水分身〜
水と自身の細胞を媒介にして、「自我を持った分身」を創り出すことができる。
水分身の戦闘力は低いうえ、外部からの衝撃で形を保てなくなると壊れるが、「危険な場所を調査するとき」など使える場面も多い。
〜称号:ドラゴンキラー〜
Sランク以上の竜種を殺した者へ贈られる称号。
ドラゴンと戦うとき攻撃力が強化される。
戦闘に貢献した者だけしか与えられず、ワイバーンも竜種と見なされないため、この称号を持つ者は非常に少ない。
〜水龍殺し〜
SSランクモンスターの<水龍>を殺した者へ贈られる称号。
水属性のモンスターと戦うとき、ダメージを受けにくくなる。
戦闘中「誰もが認めるレベルの貢献」をしないと<水龍殺し>にはなれないため、世界でこの称号を持つ者はメグミただ一人。
「うわぁ〜、全体的にヤバイ! 直接トドメを刺したわけでもないのに、ドラゴンキラーになっちゃってるし。<水龍殺し>の称号もついている」
“勇者の聖血”が水龍にダメージを与えたから、”僕の貢献”って扱いになったんだろうけど……それでいいのか?
嬉しいのは嬉しいけど、「棚ぼた感」が凄すぎて現場のモンスターに申し訳ないよ。
「あはは、まぁいいじゃん♪ 自販機作製ギフトのランクも上がったし、アイテムボックスの容量も大幅に増えたはず。得しかないんだから喜ぼう!」
「サーシャありがとう! そうだね。モンスター達の頑張りに感謝しつつ、”棚ぼた”の幸せを噛みしめます」
アイテムボックスのスキルランクが<E>→<A>へ上がったから、水龍の素材や食べきれなかった肉を、時間経過ナシで保存できるかも。
容量がどのくらい増えたか分からないから、行き当たりばったりになるけど……とりあえず、亡骸を運んでいるオートマタへ連絡しよっと。
読んでくださり、ありがとうございます!
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






