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157話 卑怯者にふさわしい最期




 セキュリティーを考えて30階の<中ボス部屋>で待機していると、原型が分からなくなるまでボコボコにされた、「素っ裸の男」が引きずられてきた。


 ハイドン程じゃないにしろ怪しかった毛髪も、綺麗サッパリ抜き取られており、「ランキング上位の魔王です」と言われても信じられない様相だ。



クルス(191)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター

HP:1068/25547

MP:0/26085

スキル:剣術B・韋駄天C・火魔法A・水魔法E・風魔法E・土魔法C・回復魔法D・物理耐性B・精神耐性F・偽装B・隠密C

ギフト:透明化

その他:称号 (新米狩り2号)・状態異常(隷属中)



 ナステックの配下だったフェアリーに隷属させられ、<透明化>ギフトを使うためのMPも空っぽに。


 そのうえ下着まで脱がされ「全ての装備」を奪われた状態だから、今のクルスに反撃するチャンスはない。



「ご主人様。この男から奪ったマジックバッグは、モンスター処理班のところへ回しておきました! 素材と一緒に、綺麗に処理してくれるそうです♪」


「ありがとうフェアリー。殺さぬよう気を付けつつ、ここまで削るのは大変だったろうに……。君たちの腕は素晴らしいね!」



「えへへ。ハイドンとアリスも、コイツ同様”ギリギリの状態”でお持ちできるよう頑張ります!」


「うん。よろしく!」



 クルスは隷属させられたうえ、グチャグチャになった手足に<寄生型モンスター>を植え付けられており、居場所丸分かりの状態だから……


 時間経過によりMPが回復したところで、<透明化>ギフトで抗うすべはない。


 ゆえに、僕も安心して蹴り起こせるよ。






「ぐほっ……!?」


「惨めな先輩、おはようございます。10代の後輩に惨敗し、這いつくばらされる気分はいかがですか? ねぇ教えて、今どんな気持ち〜?」



 HPが0にならぬよう気をつけつつ、顔の中央を蹴って起こしてあげたところ、クルスは殺気むき出しで僕を睨んだあと目をつぶった。


 そしてズタボロになった身体をゆっくりと動かし、手足を折って土下座しだす。



「この度は無礼をはたらき、申し訳ございませんでした。今後はメグミ様に仕え、ダンジョンの運営技術も差し出すので、俺を部下として使ってください」


 へぇ〜。


 このままだと殺されるから、ハイドンを裏切り僕に鞍替えか。



 勝ち目がない状況まで追い込まれても僕を罵倒し、過激に殺されたロミオット達よりはマトモな判断だ。


 だけどな……



「ふんっ! 薄汚い”新米狩り”のオヤジなんて、受け入れるわけないだろ? 息を吸うように他者から搾取する奴を信用して、同じ卓につけると思うか?」


「くっ……!」



 それにロミオット達の配下を受け入れた以上、彼らを虐げたコイツを殺さないのは、モンスターに不信感を抱かれる愚行。


 デメリットが大きすぎて、どんなメリットを提示されても霞むんだよ。



「という事で……生きている必要がないお前は、死んで僕の糧になれ。せめてもの情けとして、来世ではゴブリンになれるよう祈ってやるから」


「ふざけんな、クソ餓鬼っ! コッチが下手に出たらつけ上がりやがって! あと少し、あと少しで貴様のダンジョンを攻略出来たのに!!」



 ふふっ……鞍替えの芽がないことを悟り、ようやく本性を現したか。


 というか、まだ<恵のダンジョン>最深部が30階層辺りだと思っているんだ。






「残念〜。ウチは50階層以上ある大型ダンジョンで〜す! 勘違いするのは勝手だけど、甘い考えで部下を全滅させるとは……無能の極みだなぁ〜」


「そんなバカな……。クソッ! ハイドンの爺ぃ、騙しやがったな!! 来世では先輩としてイビってやるから、覚悟しておけよ!!」



 あらら、いい歳して今度はハイドンに責任転嫁ですか?


 さすが……何千・何万ものモンスターを率いる魔王のくせに、先輩のスネをかじり続けた中途半端野郎だけあるわ。


 こういう害虫にならぬよう、定期的にこの映像を見返して「反面教師」にしよっと。



「じゃあ……改めて、バイバ〜イ♪ お前みたいな害虫が生きていると、酸素がムダに消費されて他の生物が迷惑するから、僕が地獄へ送ってやる」


 「聖剣斬り」の代金は、マジックバッグの中にある財布から頂くんで、そんな遠慮しなくてもいいよ!


 臭いオッサンを斬るのはキモいけど、勇者としての経験値も貯まるから、今だけ「胴体まっ二つ」の特別サービスです!



「おぇっ、臭ぃっ……! よ〜し、害虫1匹目の討伐完了! コレの亡骸は、君たちの好きにしてくれ。お疲れさん」


「「「「「「「「「「ありがとうございます! ゾンビ化してリッチロードに支配させ、消滅するまでタダ働きさせます!」」」」」」」」」」


「うん、ガンバッテネ」



 “虐げられた怒り”は本人達しか分からないから、彼らに「これ以上復讐するな」とか「もう許してやれ」と言うつもりはない。


 僕は”トドメの一撃”を譲ってもらえただけで満足だし、クルスの処理は<三馬鹿>配下だったモンスターに任せて、サーシャの待つコアルームへ戻るよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言]  クルスさんよ~そこは粘れよ。  粘って粘ってそれでもダメなら、そこでようやく反抗 だろぉ?  手足潰されてても根性見せろや。  こんなあっさり終了ではメグミ君も拍子抜けだろうよ。  これ…
[良い点] よほど、恨みがたまってたんですねw しかも、死んでもまだまだ続く…。いい気味w
[一言] 下には下が要るもんだ
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