136話 クソ生意気にも程があるだろ!
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
時は、少しさかのぼる。
成人前のルーキーから予想外の反撃を受けた、同盟<若狩龍>……通称”新米狩り”の三人は、砂漠の真ん中で<恵のダンジョン>の情報を確認していた。
「ココで一番厄介なのは、運営ルールに抵触しないギリギリの”時間稼ぎ”と、”モチベーションを下げる”事に特化した環境。他に恐れるところはない」
「オリハルコンゴーレム以外、碌なモンスターが出ないと聞いたわ。ハイドン様。ココって……”暑さ”と”小細工”で、体力・精神力を削るタイプなんでしょ?」
「あぁ。環境の過酷さを利用して、少ないポイントでやり繰りするタイプのダンジョンだ。78期最下位から、スタートした男の城だからな」
「魔王メグミは、学生時代ロミオット達にイジメられていた男。その時のトラウマが原因で、正面からぶつかるのを恐れ”卑怯な策”を多用してるんだろう」
「ふぅん。裕福になっても、染み付いた性根は直らないのね」
ハイドン・アリス・クルスの三人は、これから攻める予定のダンジョンを上から目線で評価しつつ、連れてきたモンスターに突撃の準備をさせる。
アリスの<魅惑の蝶>ギフトに、メグミ配下が一体もかからなかったのは残念だが……「音声を切られている」と分かったことで、慢心が生まれたのだ。
「チッ! モスキートか……。この状況でHランクのモンスターを、数百体だけ送り出したってことは……音声カットを補うべく、情報源にするつもりだな」
「気に入らないわね! ハイドン様。代わりが幾らでもきくモスキートじゃ、燃やしたところで”お代わり”投入されて終わりよ。私のギフトも使えないし」
「アリスの魅了で裏切らせたところで、知能の低いHランクモンスターじゃ糞の役にも立たないからな。ハイドンさん、あの”群れ”どうする?」
「ふんっ。ナメられるのは癪だ! 生意気なガキに、一発お灸を据えてやろう」
「「了解」」
「無視して先へ進むか?」というクルスの問いかけに、ハイドンは「脅しも兼ねて一発応戦する」とつぶやき、すぐさま配下に業務口を攻めさせた。
メグミが「業務口の封鎖」をまに合わせたうえ、モスキートを討伐している間に排水まで終わらせたのには驚いたが……
ジャブを打ったことにより、「後輩にやられっ放し」でイライラしていたハイドンの機嫌が良くなったので、三人は追撃することなく1階層へ。
地上で小競り合いをするよりも、さっさとこの「クソみたいなダンジョン」を攻略し、メグミに教育的指導を施そう……という方針でまとまった。
この時のハイドン・クルス・アリスは、「タネが割れている1階層」くらい、半日かからず抜けてやると息巻いていたのだが……
<第1の試練>に入ってすぐ、自分たちの決断を後悔することとなる。
<透明化ギフト>で存在を消し、余裕の表情で<天国と地獄フロア>へ足を踏み入れた三人を待っていたもの……
それは「本人ソックリな顔で、大事な部分だけ貧弱なつくりにされたキャラ」が演じる、アブノーマル極まりないエロ動画だった。
「ちょっと、ふざけんじゃないわよ! なぜ”鬼畜ルーレットの餌食になっていない”私の、イヤラシイ映像が流れているわけ!? それも、不完全な再現で!」
「(多少強調されているけど、アリスが貧乳なのは事実だから問題ないだろ? そんなことより……)俺のアレも、随分と”粗末なつくり”になっているんだが」
<恵のダンジョン>の鬼畜ぶりは聞いていたものの、まさか自分が被害に遭うとは思っておらず、大慌てでわめくアリスとクルス。
故意の”再現ミス”で生まれた(微妙に)貧相なカラダが、二人の羞恥心をさらに高めているようだ。
<第一の試練>では被害を受けずに済み、「厄介なものを作ったのぉ」と呆れ半分で見ていたハイドンも……
「ふざけるな! 儂の毛はここまで薄くないし、そもそも”カツラじゃない”と言っとろうが!!」
<第二の試練>で、「致している最中にカツラが飛び、”無防備な頭皮”が露わとなる自身の姿」を見せつけられ、脳の血管が切れそうなほど怒り出す。
しかし、いくら怒鳴ったところで……透明化しており姿が見えない状況だから、コアルームにいるメグミへ怒りは伝わらない。
三人はその後も、「微妙にムカつく再現ミス」が連発するエロ動画を、1〜10の試練全てで見せられ……「細菌シャワー」名目で<ウ○コ砲>も被弾。
ようやく終わると思った瞬間、「エロエロ動画を格安で販売します!」という煽り文句にトドメを刺され、30歳は老けた様子で2階層へ降りた。
「ねぇハイドン様。クルスも……メグミって糞ガキ、捕まえたら100日くらい拷問して……この世に生まれたことを後悔させましょうね」
「「あぁ、もちろんだ!」」
試練の最中に<透明化>を解除するわけにもいかず、「細菌シャワー」で臭くなった身体を洗えなかった三人は、ニオイをまき散らしながら復讐宣言。
音声カット中のメグミには、決して届かぬ思いを抱え……精一杯の抵抗で監視カメラを睨みつけて、身を清め始めるのだった。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






