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134話 狂人としか思えないギフト選択




「メグミ様・サーシャ様、起きてください! 警戒区域に新たな魔王が現れました」


「えっ!? 今行きま〜す!」



 限界まで搾り取られ、ヘロヘロの身体でサーシャの抱き枕になっていると……オートマタが部屋の外から、「魔王襲来!」と声をかけてくれた。


「いてて……。サーシャは、酔いが回って寝ちゃったか。念のため、<未設定のダンジョン>にも連絡を入れておこう」



 コアルームと繋がっているドアを開けると、オートマタが冷たい水を差し出してくれたので、一気飲みして眠気を覚まし……


 <未設定のダンジョン>へ伝令を送ったあと、現場班から魔王についての報告を聞く。



「メグミ様が”必ず報告しろ”と仰っていた、”新米狩り”のクルスとアリスです。言われた通り、モニターの音量をゼロにしております」


「執事君、良くやった! モニター越しでも、声を聞き続けるとダメらしいからね。会話から情報を得られないのは痛いが、今後も音は拾わないでくれ」



「かしこまりました」


 通常どおりの設定にしておくと、知らず知らずのうちに毒蝶のようなババアの罠にはまり……ロミオット達のような、”下僕”に落とされてしまうのだ。






アリス(169)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター

HP:28569/28569

MP:13985/14625

スキル:身体強化E・火魔法C・水魔法D・風魔法A・土魔法C・回復魔法B・物理耐性D・精神耐性B・魅了耐性A・偽装B

ギフト:魅惑の蝶

その他:称号 (新米狩り3号)



〜魅惑の蝶〜

特定の条件を満たした場合、人間およびモンスターを一時的に魅了する事ができる。

魅了の効果は強く、敵対ダンジョン所属のモンスターが相手でも例外はない。

対象を操れるのは24時間で、ギフトが解けた後3日は魅了できない。

ストックできる数は対象の実力によって変わり、最大100体まで。


条件その1:相手の瞳を50秒間見つめる

条件その2:相手に10分間声を聞かせる

条件その3:相手に口づけをする

*上記3つのうち、1つでも満たせば魅了発動






「モンティート先輩が、事前に教えてくれていたから良かったものの……コアルームでモニターを監視する、オートマタを狙われたら終わりだ」


「えぇ。魅了されたオートマタが管理者権限を乱用し、各階層の仕掛けを素通りさせてしまいますもんね。メグミ様を裏切るかもと思うと、恐ろしいです」



 大抵の魔王は睡眠時間を確保するため、側近のゴーレムやオートマタに操作権限を渡しているので、朝起きたらジ・エンド……という事態になりかねない。


 アリス自身の<偽装スキル>が高レベルなこともあり、「出来立てダンジョンの未熟な設備」じゃステータスの看破もできないので、本当にタチが悪いよ。



「もう一人のクルスも、対魔王を意識しまくったギフトだし……転生時のステータス決めで、こんなモノ選べるなんてどうかしている!」


 性質的にはロミオット達と同じ”ゲス”だけど、より根が深いというか……出来たら関わりたくない人種だよなぁ。



クルス(191)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター

HP:25547/25547

MP:21629/26085

スキル:剣術B・韋駄天C・火魔法A・水魔法E・風魔法E・土魔法C・回復魔法D・物理耐性B・精神耐性F・偽装B・隠密C

ギフト:透明化

その他:称号 (新米狩り2号)



〜透明化〜

MPを消費することで、自分含めて最大10個体を透明人間にできる。

ギフトを使っている間、対象者には一切の罠が作動しないうえ……人数限定の部屋へ入ってもカウントされない。

発動時間の制限はないが、クルスから10km以上離れると透明化が解除されてしまうため、遠隔での使用はできない。

また透明人間になっている間は、食欲・睡眠欲・性欲を満たす事ができない制約となっている。






「まぁ、僕やサーシャの場合……警戒していれば防げるんだけどね」


 コイツらのギフトは”初見殺し”で脅威だけど、ある程度育ったダンジョンの魔王なら、対抗する術がないわけじゃない。



 味方がアリスに魅了された場合、ステータスに状態異常表示が出るので……


 ギフトの内容さえ知っていれば、重要な場所を守るモンスターを定期的に鑑定する事で、攻撃をくらっても被害を最小限で食い止めることができる。



 それにクルスの透明化は、ギフトの制約上、腹が減ったり眠くなると解除せざるを得ないから……


 モンティート先輩いわく、攻略までにある程度時間がかかるダンジョンなら、途中で発見できるんだってさ。



「とはいえ……奴らも、自分たちの能力が”新米狩り”特化なのは自覚しているだろうし……それを踏まえた作戦を組んでくるはず」


 アリスの魅了をくらわぬよう、モニター室の音声を遮断せざるを得ない中で、適切に対処できるかは僕次第だな。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] クルス・アリスは最初の天国と地獄フロアで嵌めるのは困難かな。こちらのモンスターが各個撃破されるか魅了される可能性が高い。汚物シャワーを何度も浴びせてノロでも感染が精々かな。
[一言] 魅惑の蝶の効果がヤバイなあ ダンジョンを攻め込むときも強いけど ダンジョンの防衛の時もモニター室から声を届く様にすれば遠隔から相手を一日中持続する魅了に出来るってのはでかいなあ 正直何時でも…
[良い点] ギフトが厄介な敵達ですね(汗)いよいよオッサンとその部下達が…地獄に落ちていきますねw 楽しみですw 今まで誰もたどり着かなかった階層で、コテンパンにされて欲しいですw [気になる点] 目…
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