133話 猛獣に襲われるメグミ
寄生型モンスターの回収を終えた僕は、避難中のオアシスフロア住民へ「一段落祝いの小遣い」と「追加のバイト」を手配し……
細々とした後処理を終わらせてから、歓迎会中の大広間へ移動した。
「フワッフワなうえに、甘くて美味しいパンの”食べ放題”最高! このシュワシュワする飲み物も、刺激的でクセになります♪」
「ビールッテ”オサケ”、シゴトオワリニ、ノミタイアジデスネ。ニクリョウリト、イッショニタベルト、イヤサレソウナニガミデス」
「オデハ、ヤサイジュースがスキダ。スコシアマクテ、アッサリシテルぞ」
すでに自販機飯を食べているモンスター達は、お酒が入った事もあり、新旧問わず陽気にコミュニケーションをとっている。
ギフトランクが上がった事で、新たに追加された「お酒メニュー」のうち、ビールや酎ハイなど安いものを出しているんだけど……
揚げ物片手にグビグビ飲むさまは、人間時代に見た「肉体労働者のオヤジ連中」そっくりだ。
お酒嫌いな子にまで、“飲みニケーション”を強制する気はないけど……下層部が安全なとき飲む分には止めないから、これからも程々に楽しんでくれ。
「<未設定のダンジョン>で留守番している子と、シフトで各階層を守っている子達がいるから、実際はもっと多いんだけど……」
魔王3人の戦力を丸ごと移籍させた事で、僕とサーシャの配下はかなりの数になった。
モンスター数を抑えるタイプの僕らが、派手好きで後先考えず増やす<三馬鹿>の子を回収したから……
消費ポイントの割合は、新規合流組の方が3倍くらい多いよ。
〜<恵のダンジョン>所属の勢力〜
Sランク:34体(オリハルコンゴーレム・グリフォン等)
Aランク:49体(オートマタ・メイルーン等)
Bランク:186体(ミスリルゴーレム・コピースライム等)
Cランク:569体(アイアンゴーレム等)
Dランク:2957体(サンドゴーレム・マボロ虫等)
Eランク:1万4012体(シルクスパイダー等)
Fランク:3万2579体(スカベンジャースライム等)
Gランク:3000体(イッシャクムカデ等)
Hランク:8万体 (モスキート)
〜<未設定のダンジョン>所属の勢力〜
Sランク:28体(オリハルコンゴーレム・フェザードラゴン等)
Aランク:54体(オートマタ・ワイバーン等)
Bランク:213体(ミスリルゴーレム・パンドラミミック等)
Cランク:561体(アイアンゴーレム・ファイヤーフォックス等)
Dランク:2436体(ストーンゴーレム等)
Eランク:7万3285体(シルクスパイダー等)
Fランク:1万5087体(スライム等)
Gランク:420体(毒トカゲ等)
Hランク:15万体 (モスキート)
<三馬鹿>の所から合流した子達はまだ慣れていないので、コアルームやダンジョン運営の軸となる”心臓部”を、任せるわけにはいかないけど……
各々の強さと特性に合った階層へ振り分け、無理のないシフトを組むつもり。
「主人となる魔王」が切り替わったとき、本能に刷り込まれた忠誠心も回復したようなので、酷い扱いさえしなければ裏切られる心配はないよ。
“新米狩り”が事前に何か仕込んでいた場合、情報が筒抜ける可能性もあるから、連中を皆殺しにするまで最重要部へ立ち入らせることはできないが……
そう遠くないうちに「好き勝手移動できる状態」へ持っていくから、ちょっとだけ待っていてね。
「マスター。デキタテノ”フランクフルト”、モッテキタマシタ! イッショニ、タベマショウ」
「うん、ありがとう! ビールと合って美味しいね〜」
「ハイ、サイコウデス」
新しい子ばかりを気にかけると、元々<恵のダンジョン>にいた子達が拗ねちゃうので、どちらも平等に可愛がる。
ダンジョンを支えるための駒でもあるから、全員で生き残ることは難しいけど……
外敵と戦って死ぬとき「ココの所属で良かった」と思えるくらい、満足できる一生にしてあげないとね。
「あ〜いた、メグミ君〜。私ぃ〜、戦いが続いて本能が刺激されちゃったみたい。ちょっとムラムラしてきたなぁ〜♪」
腹一杯になるまで自販機飯を食べ、「そろそろお開きにしよう」と思っていると、目をトロンとさせたサーシャが近付いてきてガシッと腕を掴まれた。
どうやら彼女は、お酒を飲み過ぎてしまったようだ。
「ハイドンはまだ上にいるし〜、ピチピチの若い彼女が”据え膳”用意しているんだから……もちろん食べてくれるよねぇ〜?」
「あっ、いやでも……掲示板の観察とか、パーティーの後片付けがあるから……」
「メグミ様・サーシャ様、些事は我々にお任せを。全て滞りなく行いますので、どうぞ夜のパーティーをお楽しみください」
「「「「「「「「「「お楽しみください」」」」」」」」」」
ちょっと待ってよ君達、短時間で随分と間が良くなったねぇ!
もしかして、これが<ゴーレムマスター>の効果なのか!?
「メグミ君が来ないなら、コッチから頂いちゃお〜っと♪ ガオ〜!!」
「あっ、あぁ〜〜〜」
一致団結して(余計な)気を利かせた配下により、僕は獲物の前に差し出され……
そのままベッドへ運ばれて、限界まで搾り取られた。
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