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125話 自分を中心に世界は回っている


〜ハイドンside〜




 配下を経由して、我が根城である<蠱毒のダンジョン>へつなぎ……”新米狩り”仲間である、クルスとアリスに連絡を入れる。


 儂は、”移動に適した数”のモンスターしか連れてきていないのでな。



 城からの増援とクルス隊・アリス隊を合わせねば、「ダンジョン攻略の戦力」としては心許ないのだ。


 しかし……やっとの思いで怒りを収め、適切な指示を出した私に対する奴等の答えは、敬意のカケラもないものだった。



4528 名前:アリス(30期)

 ちょっとハイドン様、<恵のダンジョン>で私達の悪口言ってたの!?

 最低。信じてたのに!!


4529 名前:クルス(27期)

 ハイドンさんに比べると弱いのは認めるが、後輩に聞かれる場所で"俺らの陰口"はねぇよ。

 同盟リーダーとして、少しは責任を持ってくれ!



 ふんっ。


 まだ200歳にもなっておらん、ケツの青いヒヨッコ共がなにをほざく!


 誰しも、生きていたら他者の悪口くらい言うものだし、貢献度の低い貴様らが悪いのだ!!



 悪口を言われたと知ったら「自分が未熟だった」と反省し、相手に認められる魔王になるべく、研鑽を積めばいいだけだというに……


 儂が甘やかしすぎたせいで調子に乗り……他力本願でも生き残れた事で、謙虚な心を失ってしまったのかもしれん。






4530 名前:ハイドン(10期)

 儂を責める前に己の言動を省みろ。

 発言の一部を切り取れば、誰の悪口集だって作れるわ。

 そなた達もベテランの域に入っているのだから、ルーキーの浅はかな策にのるでない!


4531 名前:クルス(27期)

 うっ、すまねぇ……。

 予想外の報復だったから動揺しちまった。


4532 名前:アリス(30期)

 そうね。

 ここまで卑怯な手を打つほど、メグミが追い詰められているって証拠でもある。

 冷静に対処すべきだったわ。



 まったく……形勢が悪くなったと見るや、殊勝なフリをしやがって。


 使える新人が現れたらコイツ等を切り、従順な手駒を育ててもいいが……今本音をさらけ出すのはマズイな。


 時が来るまでは、クルス・アリスと組んで安全に上位を維持し、儂に逆らえる者を減らしていくのだ!



4533 名前:ハイドン(10期)

 どのみち、そなた等と儂が組んでいることは知られておる。

 今協力してメグミを倒さねば、力を付けたヤツに各個撃破されるぞ。


4534 名前:クルス(27期)

 分かったよハイドンさん、全面的に協力させてもらう。

 俺たちは一蓮托生だ!


4535 名前:アリス(30期)

 えぇ。

 ナメられた魔王は徹底的に搾取される。

 今後の事を考えたら、ケンカを売られたまま放置なんて出来ないわね。



 よしっ、とりあえずこれで戦力の確保は完了!


 クルスとアリスも、儂の座を狙っている可能性があるゆえ油断できんが……今の実力で、のし上がる夢を見るほど愚かではないはずだ。


 少なくとも今回は協力するだろう。






 あとは、現場の生き残りであるナステックに連絡を入れ、少しでも早く下層階へ潜るよう指示を出せば……


「ん? なんじゃ、このデカイ宝箱は。今いる砂漠は<恵のダンジョン>の支配領域だから、宝箱を出現させられるのもヤツだけのはず」


 さては……儂の怒りに恐れをなし、”詫びの品”でも贈ってきたのか?



「ふんっ、チンケな宝物程度で許すものか! 儂が欲しいのは、貴様とサーシャが絶望する未来だけ。物で落とし前をつけようなぞ、ナメるにも程があるわ!」


 タダで奪えるものは回収するが、これで許されたとは思わぬこと……!?



「何じゃコレは!? この美しいポエム……儂が一昨日、物思いに耽りながら書いたものではないか!!」


 7期のキャシー先輩が、水着姿で笑顔を浮かべるセクシーな写真を持ち、<ピー>している映像まで入っている。



「クソッ! こんな物出回ったら、儂の尊厳は破壊されたも同然! ダンジョン内で<ピー>動画を流されている、ナステックと同じ状況になってしまう」


 200歳以上年長の先輩を、こんな卑怯なやり方で愚弄するなど……許せん!


 今すぐハラワタを引きずり出してやる!!






「ハァ……ハァ…………。いかん、これもメグミの策だ。感情のまま動いては不利になる。至急ナステックへ連絡を入れろ! 急ぐんだ!!」


「かしこまりました」



 宝箱に入れられた下品なブツを粉砕し、破裂しそうな怒りをいなした儂は、22階層で「手形認証ゲーム」をしているナステックへ指示を出した。


「ロミオット達が殺されたと知ったら、臆病者のアイツも逃げ出す可能性が高い。死亡情報は伏せ、”お前が一番優勢”とだけ伝えておけば大丈夫だろう」



 喜び勇んだナステックは、儂が「コアルームも近いゆえ23階層へ急げ」と言うと、「全力で駆け抜けます!」と返答してきた。


 本当にコアルーム間近なら、23階層も時間稼ぎ特化のフロアになっている筈だから……


 儂はそれを確認したあと突入し、より早く・安全に最下層を目指せばいい。



「首を洗って待っていろ、メグミ。200年以上生きてきた、先輩魔王のチカラというものを見せてやる!」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 精力旺盛な200歳…… よく今まで子供が出来なかったな(汗) 先輩の写真がオカズだからか?wwwwww [一言] 22階層までは攻め込まれるとして…… ナステックもそろそろ仕留められ…
[気になる点] 125話辺りの『恵のダンジョン』は何層まであるのだろう? 軍隊&聖女で襲撃時は40層だったからその時と変わらないことはあっても浅くなることはないと思うが。 [一言] 初回のルーレットゾ…
[一言] ハイドンたちは自分の実力で生き残ってきたと思ってるんだろけど、絶対にかかわり合いになりたくないし、滅ぼす価値もない小物だから放置されてただけだろう。 あと、どうせ生き残れない残念な新規を適度…
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