114話 メグミ、勇者になる
78期の目を引くのに使えるかもしれないので、ホムビッツの亡骸は「ダンジョンのご飯」にはせず、チャリオット(戦車のアンデッド)の中で保管。
最下層に集まった古参メンバーとともに、寝返った子達をもてなしたり、細々とした後処理をしていると……
自分のダンジョンで、ギフト申請をしていたサーシャが戻ってきた。
「メグミ君、私のステータス見て! ギフト欄に<統率>が加わったよ!」
「どれどれ……おぉ、ホントだ。凄いね!」
サーシャ(17)
種族:魔人族(魔王)
職業:ダンジョンマスター
HP:5289/3087→5289
MP:3498/2165→3498
スキル:火魔法F・水魔法F・風魔法D→B・土魔法F・回復魔法F・解体F・料理F・アイテムボックスF
ギフト:統率E
その他:称号 (スズランの君)
直接ホムビッツを屠ったからか、サーシャのHP・MPは大幅に上がっており……奴が得意としていた、風魔法のスキルランクもBとなった。
目的だった<統率ギフト>も得られたし、言うことなしだ!
「”魔王に直接トドメを刺す”のって、ものすごく経験値効率がいいんだね。僕も体がホカホカしているし、ステータス上がったかも……!?」
「メグミ君どうしたの? えっ……なぜ勇者!?」
メグミ(17)
種族:魔人族(魔王)
職業:ダンジョンマスター・勇者
HP:6082/2801→6082
MP:18245/12304→18245
スキル:剣術C(New)・火魔法F・水魔法E・風魔法D→B・土魔法F→C・回復魔法B→A・聖魔法E(New)・闇魔法F(New)・物理耐性C・精神耐性D→C・アイテムボックスE
ギフト:自販機作製B→A・統率E(New)・聖者の祈りE(New)・看破E(New)・土魔法の才E(New)
その他:称号 (蟻マスター・異端児・超新星)
サーシャしか貰えないはずの<統率>ギフトが、僕にも追加されているだけでなく……見覚えのある<聖者の祈り>まで増えている。
階層を増やしても上がらなくなり、「ランクアップの条件が変わったのかな?」と思っていた自販機作製ギフトも、Aランクになっていた。
そして極めつきは、新たに追加された職業<勇者>!
これって……父の「我らは勇者の末裔」という戯言が真実で、魔王を倒したことで能力が覚醒し、本物の<勇者>になっちゃったってこと!?
予想外すぎるし、理解が追いつかないんですけど!!
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〜職業:勇者〜
異世界の血を引く「選ばれし者」がなれる職業。
聖職者としてのチカラを得るだけでなく、<才能の器>が拡張される事によりステータスの伸びが良くなる。
またその手で魔王を倒すと、相手のギフトおよびスキルの一部を貰い受ける事ができるため、魔王討伐経験のある勇者は隔絶した強さを持つ。
勇者の子孫が魔人族を倒すことにより、後天的に覚醒する場合アリ。
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あちゃ〜、しっかり勇者になっているなぁ〜。
父さんゴメンナサイ……「爺ちゃんの嘘を真に受けただけ」と思っていたけど、貴方の言っていたことは正しかったみたいです。
「メグミ君が<勇者>ってどういう事? ステータスが、別人かと思うくらいアップしてるんだけど」
まだ心の整理はできないけど、サーシャが戸惑う様子を見て少しだけ落ち着いたので……彼女に「勇者の子孫であること」と、覚醒について説明する。
職業にダンジョンマスターが残っているし、種族も<魔人族>のままなので、人間社会へ戻り<勇者>として働く気はない。
体感的にも、「ホカホカするものの大きく変わった点はない」ことを伝えると……彼女は安心したのか、笑顔を見せ抱きついてくれた。
「そっかぁ〜。メグミ君と一緒にいられるなら、魔王でも勇者でも……なんでもいいや」
「ありがとう。勇者の特性を知ればダンジョン運営にも役立つし、邪神に目を付けられそうなこと以外は”棚ぼた”だと思っている」
「そうだね! 細かいことは、落ち着いてから考えよう」
「うん」
予想外の変化が起こり時間をくってしまったが、<手形フロア>に残っているロミオットとナステックも、早急に狩らないといけないので……
変更点の検証は後から行うことにして、バカ2人を潰しにかかる。
「魔王を倒すって言葉が曖昧というか……どれくらい寄与したら条件をクリアできるか分からないから、トドメはメグミ君が刺すほうが良さそうだね」
「たしかに。ナステックを殺すときは、心臓を奪わなきゃいけないからサーシャにも手伝ってもらうけど、ロミオットは僕が一人で狩るよ」
「うん。私もとなりで見ているから、メグミ君の糧にしちゃって♪」
「ありがとう」
ロミオットは火属性・ナステックは土属性だから、2人の能力を奪えれば、ステータスはバランス良くアップするだろう。
そして……チカラをつけた暁には、地上にいる水属性のハイドンも……。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






