1085話 搾取神<ゴサン>逝く
メグミは簡単に「逝ってらっしゃい」とか言うが、上級神にとって「死ぬ」という行為は、そこまで簡単なものじゃない。
たとえ本人が死にたいと願っても、リソースが十分あって自刃できない限り、個体のスペックが高すぎてちょっとやそっとじゃ死ねないのだ!
『ああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!?』
<−−−ドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクドクッ −−−>
当然<ゴサン>も、血液の流れが止まって酸欠になった程度じゃ、簡単に逝くことはできず……
鬼のように拍動する心臓と、全身から「こんにちは♪」する寄生虫モンスターに絶望しつつ、自殺することもできない"生き地獄"を味わった。
そこへ、現金の魅力に取り憑かれた彼にとって何にも増して耐え難い仕打ちが、メグミから降り注ぐ。
「あっ、業務はさっきまでで終わりね。もう残業代とか出ないよ〜。苗床続けても、これ以上は"ただ喰われたくて趣味でやっている"って事になるから〜」
『ああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!?』
どれだけ辛い思いをしても、対価としての報酬はもらえない。
自分は文字どおり"肉体を捧げている"にもかかわらず、おざなりにされ一切報われない。
それを、理解させられてしまったのだ。
「あっ、寄生虫君達は別だよ。そんなバッチいものを頑張って食べてくれて、本当にありがとう! お家に帰ったら、唐揚げ食べ放題のご褒美をあげるからね」
<<<<<−−− クチュクチュ……グチュグチュグチュ………… −−−>>>>>
そして、自らを蝕む「キモい侵略者達」は褒美を確約され、働神の応援歌でさらに活気づいてウネりまくる。
長きに渡り派閥のトップとして君臨し、目下の神々から搾取し続けた上級神<ゴサン>は、ようやく「全てを搾取される側の辛さ」を理解した。
だがハイパーインフレした札束を復活させるために、手持ちのリソースを8割方注ぎこみ、「派閥」という最大の資産まで換金した彼に……
残された手段など、もう一つもなかった。
「あっ、最期に別れを告げておく? アンタが切り捨てたことで先に逝った、"股間の干物"写真をどうぞ。アンタの記録は、その写真で残すから〜」
『ああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!?』
そして顔写真すら残さず、神としての存在を「粗チン写真のプロフィールで記録する」と明言したメグミは、配下の寄生虫モンスターを引きあげさせ……
完全に心折れて生ける屍と化した<ゴサン>に、トドメを刺した!
「残った僅かなリソースを、剥離! アスタリア先輩、この餌……吸引おねがいします!」
「了解〜!!」
まだ死んでいないのに力尽くで生命エネルギーをはぎ取り、粗チンだけでなく本体も「干からびたミイラ」にしてしまったのだ!
動いているのは、喝を入れられ気合い入りまくりの心臓だけ。
だが心臓も、残されたリソースがゼロになるとエネルギー源を失い、「ありがた迷惑なサビ残」を続けられなくなって動きを止める。
『(次……次こそは、間違え……ない。転生した……ら、次こそ…………)』
「あはは、面白い妄言を吐くね〜〜! 復讐リスクが高いアンタの転生なんて、認める訳がないでしょう。鞘転生すら危険だよ」
ほぼ失った記憶でボケッする頭が、最期に考えだした「転生したら〜」というありきたりな仮定を、秒で否定したメグミは……
聖魔法で<ゴサン>の魂を消滅させ、残渣の全てを<恵のダンジョン>に喰わせて、「餌としての最期」を全うさせた。
もちろん、余裕をもって脱出した寄生虫達は無事。
中には、まだ生まれておらず卵のまま<ゴサン>の肉体に残った子もいるが、上級神になったメグミの攻撃コントロール力は高いのだ!
生まれる前の「可愛い配下」には手出しせず、苗床<ゴサン>だけを滅ぼすなんて、朝飯前である。
「お疲れさま〜。これで討伐軍の上級神、討伐完了だね!」
「闇神も死んだし、目先の危機はなくなったな」
<ゴサン>の亡骸から生まれる前の寄生虫の卵を回収し、残された「原型をほぼ留めていないミイラ」を、ミキサーで砕いて素材化したところで……
その様子を見守っていたモンティートとマサルも合流し、3人でハイタッチを交わす。
だが彼等の仕事は、まだ終えていない。
たとえ上級神が壊滅しても、地獄世界には「派閥の残骸」が残っており、彼等が主人の死をどう扱うかは不明。
また地獄世界と対を成す天界も、パワーバランスが崩れたことで動き出すだろう。
何より……
「メグミ君には、まだ残業がたっぷりあるけどねー。<サルトー区・ポルカト界>の代わりに地獄世界と繋いだ<恵のダンジョン>、処理しなきゃいけないし」
「そうだな。部下の慰労で金出ていく一方だろうが、頑張ってくれ。俺達は、後ろで高級和牛のステーキでも食いながら応援するから」
「にゃあぁぁぁ〜〜〜〜!? ねぇちょっと、二人とも仲間でしょう!? そこは一緒に手伝ってくれるとか……」
「「ない。疲れたし。頑張れ、サビ残神」」
「ぴえん!!」
働神<メグミ>は労働に好かれやすく、常に仕事が寄ってくる体質なので、敵を倒して「はい、終わり!」とはいかないのだ。
…………ドンマイ。
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






