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104話 ブーメランを投げまくる男


〜ナステックside〜




 地獄ミッション<新しい扉を開こう>を引き当てた私は、次から次へと訳の分からない薬を飲まされたり、エロい女物の服を着させられたり……


 前回よりもさらに酷い扱いを、オリハルコンゴーレムから受けることとなった。


 飲まされた薬の作用なのか、執行時は気分が高揚しそれなりに楽しめたが……今振り返ると、「男として大切なナニカ」を失った感じがする。



「気分が舞い上がっているときに”無限放映権”承諾の契約書を見せられ、ノリノリでサインしちゃったからなぁ〜」


 きっと「今回の醜態」も前回と同じように晒され、税金を納めることすら出来なかった、オアシスフロアの貧民共から笑われるのだろう。



 だが私は、前回やられた時ほど絶望していない。


 「虐められると興奮する」という、認めがたい体質になったのもあるが……それ以上に、何度も私を侮辱してきたクソ野郎。



 ロミオットとホムビッツの二人が、<大地獄ルーレット>で「無期限放映ミッション」を引きあて、私よりもさらに惨めな姿を晒していたから。


 <第9の試練><第10の試練>で中央モニターに映る、奴らの汚らしい<ピー>動画を見たときは、心の底から「ざまぁ」と思ったよ。



 私だけ2回も凌辱されたのは納得いかないが、これで奴等からバカにされる事はなくなるはずだし……たとえ侮辱されても言い返すことができる!


 ラスボスを攻略した時点で殺す相手だから、そこまで気にする必要もないんだけど、今回のルーレットに関してだけはメグミに感謝だ。



 もちろんダンジョンを攻略した暁には、メグミも徹底的に痛めつけて殺し……亡骸を”肥溜め”へ放り込む予定だけどな。


 サーシャを奪い取っただけでは飽き足らず、私をこんなカラダにした報いは必ず受けさせてやる!!






 そんな思いを抱きつつ2階層へ降りると、現実と向き合えていないバカ二人から文句が飛んできた。


「おぃナステック。貴様、<大地獄ルーレット>の存在をなぜ教えなかった! そのせいで私たちは、言葉にするのも憚られるほど酷い目にあったんだぞ!」


「ロミオットの言うとおりだ! “落とし前”としてこの場で土下座し……上層階の攻略では、手持ちのモンスターを捨て駒にしろ」



 自分達がルールを読まなかっただけなのに、なにバカな事をほざいているんだか。


 これだから、「坊ちゃん育ちで頭の弱い奴ら」は始末に負えない。



「ふんっ! 私がハイドン様に嘆願した時点で、”何があったのか”確認しなかったお前達が悪いんだろ? というか、大人なんだからルール読めよ」


「「くっ……!」」



「それに……私のギフトは<恵のダンジョン>と相性が良く、配下のゴーレムも攻略の主戦力。捨て駒には、お前等が飼っている”役立たず”を使うんだな」


「なんだとっ!?」



 激昂したロミオットが殴りかかってくるが、一足早く2階層に到着していた私のミスリルゴーレムが、そのパンチを受けカウンターを喰らわせる。


 遅刻した上に指揮官が一番乗りしたせいで、「手下のモンスターが1体も到着していない」という惨状になっているのに、なぜ上から目線で行動できるのか?


 生まれた時から甘やかされて育ったせいで、脳ミソが腐ったとしか思えない。



「ぶふぇぇ……。ごのぉ…………」


 ハイドンに殴られすぎて劣化したとはいえ……美形を売りにしていたロミオットの顔面が、金属の拳で破壊され醜く歪むのは……見ているだけで面白い。


 今の映像をオカズにすれば、カビ臭い黒パンだって完食できる気がするよ。






「ふんっ、仕方がない。部下が合流するのを待ち攻略を急ぐぞ。どこぞのバカが鞭打ちされすぎたせいで、試練部屋が詰まり……ハイドン様がお怒りだ」


 至極まっとうな反論とミスリルゴーレムの一発を見て、「私の戦力を削ぐこと」は難しいと判断したのだろう。


 「強い者に巻かれる主義」のホムビッツは、ハイドンの名前を出して話を切り替えつつ、ロミオットを落として身の保身を図った。



「なっ!? ホムビッツ、貴様ぁ……!!」


「そうだな。戦力となる配下全員を2階層へ運ぶには、まだ時間がかかる。各自”温度調節機能付きのテント”で体力・精神力を回復し、行軍に備えるべきだ」



 殴られても懲りないロミオットがまた激昂しかけるが、2対1じゃ勝ち目などないし……


 意味もなくメグミを罵倒し<ピー>を鞭打たれる様は、「そういう趣味の人」にしか見えなかったから、イジられて当然だと思うぞ。



 くくっ……自分が凌辱されるまで、散々<ピー>された私をバカにしていたんだ。


 少しは「被害者の立場」を味わって、己の愚行を悔いるがいい!



「しかし、何故だろう? 心なしか腹が痛むような」


 感染症の原因になりそうな<ウ◯コ砲>はくらっていないし、この気温じゃ腹を冷やすこともない。


 <ピー>された傷もポーションで回復済みだから、気のせいだと思うが……。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
新たな扉を開いたせいで体がないはずの物を作り出そうとしてる可能性が微レ存
[良い点] 祝コミック化 [一言] この話はヴァルキリーではなくアンリアル掲載かなw
[気になる点] 「エロい女物の服」は自販機が進化したのかな?
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