103話 メグミとサーシャの真の狙い
〜ロミオットside〜
<−−− 24時間が経過しました。地獄ミッション”無期限放映”の素材撮影を終了します。部屋番号8番の方は、速やかに次の試練へ進んでください −−−>
「グスッ……ヒックゥ…………」
傷付けられた身体をポーションで癒し、あふれ出る涙をぬぐいながら<第10の試練>へ進む。
1日以上暴力で支配され、屈強なオリハルコンゴーレムに陵辱された私の心はズタボロだ。
「ぅぅっ……メグミ、ナステック……絶対に殺す…………」
はい上がろうとする私をチカラでねじ伏せ、「尊き血をもつ者」としての尊厳を穢したメグミ。
共闘する間柄でありながら重要な情報を事前に知らせず、私をこんな目に遭わせたナステック。
元<側近No.1>のくせに私を裏切り……そして共闘にいたった今回すら何の役にも立たなかった、ホムビッツという無能男も同罪だ!
ダンジョンのコアルームへたどり着くまでは、私の駒として生き永らえさせてやるが、ラスボスを倒した日が「奴らの命日」。
奪い取ったゴーレムを使って「自ら死を懇願するまで」凌辱し、ボロボロになった骸を汚物フロアへ放り込んでやる!
「なっ……!? なんだよ、この不愉快な壁紙は!!」
1階層最後の地獄である<第10の試練>を受けるべく、個室へ入った私を出迎えたのは、サーシャ・バークレーがメグミとキスしている写真の壁紙。
「うぅっ、うぇぇ〜ん!!」
そして……中央の大きなモニターに映し出された、「私が凌辱されている姿」だった。
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〜メグミside〜
「メグミ君、ロミオットが10の試練へ進んだよ〜。あははっ、私たちの”キス画”を見て泣いてる! 一人が寂しいなら、ゴーレムと結婚すればいいのにね〜」
「うん。地上で”報告よこせ!”とブチ切れてる、ハイドン先輩と結ばれるのも”お似合い”だと思うよ」
ロミオットがゴーレムと致している間、僕らもサーシャの提案により「24時間デスマッチ」を行い、ベッドの上で乱れ合った。
そういう時だけ狩人になるサーシャに惨敗した僕は、ヘナヘナになるまで搾り取られて、立つことすらままならない状態だ。
情けない限りだけど……<三馬鹿>の惨状を思うと優越感に浸れるし、美しい彼女といっぱい愛し合えて嬉しく思う。
「よしっ。ホムビッツとナステックも、新しい部屋へ移動完了! メグミ君、ここからは通常モードで進めていいんだよね?」
「うん。引き返されると”ギフト&ポイント”を貰えなくなるから、<大地獄ルーレット>は打ち止めで! 20階層くらいまで引きつけてから狩りたいね」
「了解! 設定切り替えま〜す♪」
ロミオットが「ア〜ン♪」の被写体となっている間に……同じく”無期限放映”を引いたホムビッツ、”新しい扉”を開く事となったナステックもお勤め満了!
ナステックが開いた扉も<ピー>なやつだから、事後処理&動画編集担当のオートマタとゴーレムは、仕事が増えてテンテコ舞いだ。
僕やサーシャが手伝うことも出来るけど、さすがに絵面が汚すぎて吐き気を催すから、「そういう感情を持たない機械」の彼らに任せた。
終わったら「からあげ食べ放題」していいから、奴らが生きているうちにフィードバックできるよう、いい作品を作り上げてくれ。
「ところで執事くん。極秘ミッションの首尾はどう? キモ過ぎてほとんど見てないから把握できていないんだけど、上手くやってくれたかな?」
「はい。ご命令どおり、ターゲット3名の体内に”寄生型モンスターの卵”を植えつけました」
「ふふっ、お疲れさま。君たちが頑張ってくれたお陰で、トドメにつながる小細工ができたよ。ありがとう」
「もったいないお言葉でございます」
実は<大地獄ルーレット>って、幸運アイテム対策だけに作ったものじゃなく、「生物兵器を仕掛ける隠れみの」でもあるんだよ。
今回も<三馬鹿>とゴーレムが交わっている最中、前回撮った「ナステックの映像」を流して、部下であるヒュージヒールスライムの目を欺き……
誰にも気付かれぬよう、奴らの体内に5種類の<寄生型モンスターの卵>を植えつけた。
名目上は「お産プレイ」なんだけど、実態はモンスターの侵略行為であり……
卵から孵った寄生型モンスターは、悟られぬよう気配を消しながら、僕の命令に従って奴らの体内で活動する。
寄生虫タイプのモンスターは知能が高くないから、複雑な命令を遂行することはできないけど、上手く使うことで魔王を殺す”切り札”にもなるのだ。
「くくっ……! この作戦を実行へ移すために、1億ロルも使って、”ダンジョンにいる全ての配下と意思疎通できる能力”を買った」
外にいたモンスターで動物実験して、おおよその効果も把握済みだよ。
今回はあくまでもチュートリアルで、本命のターゲットは、ハイドンのような「強いチカラを持つ先輩魔王」だが……<負け犬トリオ>の御三方。
手頃な実験台として、数百体もの「小さな悪魔」に身体を蝕まれ、内側から命を削られる感覚を味わってくれ。
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






