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100話 同じ道を歩むもの


〜ロミオットside〜




 ハイドンの野郎に脅され、準備もなしにダンジョンへ放り込まれたものの……スライム作戦が上手くハマり、1階層の攻略は順調に進んだ。


 <天国と地獄フロア>は、魔王メグミの性分を表した「卑しい造り」だが、ヒールスライムで部屋を埋め”幸運系アイテム”を身に着けるだけで突破できる。


 このフロアに苦戦したあげく、全滅した討伐軍がいると聞いたが……先に到着してゴーレムと<ピー>していた、どこぞのアホと同じくらい愚かだな。



 2階層以降も、ジジババ魔王が用意した対策があるからソレに乗っかり……コアルームを落としたタイミングで、ホムビッツとナステックを始末。


 「ダンジョンを交換する権利」を使って、私が<恵のダンジョン>の支配者となればいい!



 なぜこのロミオット様が、”我が城”と”下賎な野郎のダンジョン”と交換するのか?


 それは……メグミからダンジョンを奪う以外に、「自由の身」となる方法がないからだ。






 ハイドン達は私を”捨て駒”としか見ていないため、我々が<恵のダンジョン>を落とすと同時に、<皇帝のダンジョン>のコアも破壊されるだろう。


 奴らは殺戮ポイントランキングの順位に、何故かこだわっており……高ポイントを得ることができる、ダンジョンコアを壊したがっているからな。



 悔しい話だが、ウチのコアルームは奴らの部下に押さえられており、ハイドンには日頃から「生意気言うとコアを叩き割るぞ!」と脅されている。


 新しいカモである79期の投入が近付いている今、「ハッタリだ!」と言い切れるわけもなく……私の命は風前の灯火だ。



 それゆえ殺される前に<恵のダンジョン>を奪って、「コアを質に取られた状態」を解消し、ハイドン達の害意から身を守る。


 これは天が私に与えた”最大の試練”であり、長く続く「皇帝伝説」の始まりなのだ!



「メグミはかなりのポイントを貯め込んでいるし、ホムビッツとナステックの資産も殺せば奪える」


 <阻害系ギフト>持ちのハイドンがいる間は、ダンジョンを改造したりモンスターを増やすことは出来ないが……奴だって暇じゃない。



 ミッション期間を過ぎてもココに居座るより、新しく入ってくる79期をカモる方が簡単だから、殺戮ポイントランキングが終わるまで耐えれば引くだろう。


 そして私は、魔王4人分の資産を使って<恵のダンジョン>を大きくし……新しく入ってくる後輩と古株共を狩って、ふたたび頂点に返り咲くのだ!






 もうすぐ私の物となるダンジョンを下見しながら、<9の試練>まで進み……ルーレット代を支払うと、突然「意味の分からないアナウンス」が流れ始めた。


<−−− 不定期開催の”大地獄ルーレット”が始まります、チャレンジャーは1名。今回選ばれるのは……”脇の下が一番クサイ者”です! −−−>


「はあっ!?」



 メグミの野郎……自分が貧乏育ちで”ワキガ臭い”からって、こんな下品極まりないルーレットをはさむ事はないだろう。


 やはり「育ちが卑しい者」は、成長して資産を持っても”品性”を買うことが出来ないんだな。



 <第9の試練>に参加している者で一番不潔なのは、<ウ◯コ砲>を喰らいまくっているヒュージヒールスライム……


「いや、それは違う! スライムに脇なんてないから、ホムビッツかナステックのどちらか……。でも、奴らは後ろの試練でモタついてやがる」



 っておぃ、ちょっと待て!


 <第9の試練>に参加している中で、”脇の下”があるの私しかいないじゃないか!



「えっ? じゃあつまり……。消去法で……私が生贄?」


 いや、さすがにそんな理不尽は……



<−−− 大地獄ルーレットの挑戦者……一番脇の下がクサイのは部屋番号8番の方です。ルーレットを切り替えますので少々お待ちください −−−>


 ふざけんな、こんなクソシステム受け入れられるか!






「おぃ、コアルームでニタついているゲス魔王! 私はそんな説明聞いていないぞ! 予告なく悪辣なルーレットを差し込むのは、ルール違反だ!」


 ハイドンへ連絡して、魔王掲示板に「ダンジョン運営規約を破った新人がいる」と晒してもらうぞ!



<−−− 大地獄ルーレットの詳細は、フロア入り口にある”ルール説明”に記載されております。入った時点で、全てのルールに同意したと見なされます −−−>


「そんなもの知らん! きちんと私に説明しなかった時点で、貴様等に文句を言う資格など……うわぁっ!?」



 メグミのミスを追及していると、突然横のドアから、オリハルコンゴーレムとミスリルゴーレム3体が現れた。


 そして私の身体をつかみ、全ての衣服を奪いとったあと拷問用の拘束台へ……。



「おいっ、オリハルコンゴーレムなんて聞いてないぞ! この前ハイドンが、” 1階層に強いモンスターはいない”と言っていたはず……」


 なぜ私を押さえこめる腕力を持つ、Sランクモンスターがココにいるんだ!



<−−− ダンジョンマスターへの度重なる暴言が確認されました。ペナルティーとして、鞭打ち100回を行います −−−>


「なんだとっ!?」

読んでくださり、ありがとうございます!


10月8日に、『クラス全員で魔王転生!』のコミック2巻が発売されます!

興味がある方はぜひ読んでくださいm(_ _)m


詳細ページへは、下の表紙イラストから飛べます↓↓↓

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あれ? 大地獄ルーレットに入った時にゴーレムに全ての衣服をはがされ〜とあるが装備している幸運系アイテムもはがされてない?
[一言]  ロミオット、アウトー(年末のあの番組風に)
[一言] 100話おめでとうございます。 しかし、こりゃまたひどい。 恵みのダンジョンを万が一にも奪えたとして、 その直後にハイドンが攻めてくるって考えはないのかな? 負け犬トリオが奪えるダンジョ…
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