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100日後に卒業するインキャ  作者: とねり
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11月24日

〜とある朝〜


「おはよ〜」

「おはよ〜」


オーディエンスは今日も呑気な会話をしている。俺は机に伏せて寝たフリをしている。

これが少し早く学校についてしまった俺の日常である。


秒針を見つめて時間を待つ、テスト後の余った時間のように時間はゆっくりと過ぎていく。



突然だが、俺はいわゆる『隠キャ』である。

クラスのグループラインには加入していないし、休憩時間に喋る人もいないし、打ち上げなんて存在すら知らなかったのである。

加えて、特にアニメが好きとかもないので、ヲタクの人とも仲良くない。真の陰キャと言えるだろう。

と言っても、好きで陰キャをしている訳ではない。

もちろん人と喋りたい。

しかし、理由はきっかけだろうか。俺が人と喋ることはあまりないのである。

ある日、自分から喋らなかった日には、喋りかけられたことは日に一回であった。


♫キンーコンーカンコン♫


二年と半年ほど聴き続けたこのチャイムを聴くことも来年からは無いのであろう。

朝のホームルームでは、みんな机に向かっている。

というのも、今は受験前、11月末だからである。

もちろん俺もすることがないので机に向かう。

そうしていると、誰も前を向いていないのに担任が喋り始める


「今日で卒業まであと100日だから、一日を大事に過ごせよ〜」


俺は手を進めながら少し意外に思った。

それは周りも同じだったようで、

「早いね〜」

「寂しいね〜○○とはズッ友だよ〜」

などという声が聞こえる。


誰とも共感することなく、俺の朝は過ぎていく。







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