涼を求めて
暑い!
家中の窓を開けているのに風が入って来ない。
って言うかソヨとも風の動きが無い無風状態。
扇風機だけでこの暑さを乗り切るなんて不可能だ。
昼だけならともかく夜も同じ状態、ムシムシジメジメと蒸し暑い夜が続くこれじゃ眠る事も出来ない。
俺は涼しさと安眠を求めて家の前を流れる小川に飛び込んだ。
あー涼しい、始めからこうしとけば良かった。
小川のせせらぎを子守唄にそのまま眠ってしまう。
「暑いって? 此処なら涼しいよ。
あんたらも入りなよ。
此の小川の清流で一緒に涼しもうぜ」
暑くて寝られない熱帯夜、涼を求めて小川に飛び込みそのまま熟睡して溺死した土左衛門が仲間を求めて、暑さに喘ぎ涼しさを求める人たちを水の中から誘っていた。