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RAKUBUの青春  作者: はる
3/3

第1話:出会い、そしてRAKUBU結成!

 新学期、ましてや一年生の四月はだれであってもそわそわとする季節だ。中高一貫校である風の森学園の面々(めんめん)もそれにもれずそわそわ、そしてどこかしらうきうきと浮ついていた。三島昂貴も同じく、


「うちの学校は持ち上がりっていっても、外部入学生もいるしな。 どんなやつが入ってくるかな?」


 なんて浮かれていたのである。


「あんたねえ、小学生じゃないんだから。ほとんど同じメンバーじゃない。どうせクラスに5・6人でしょ? そんな変わんないわよ。」


 となりでは相変わらずクールな美玲が昂貴を鼻で笑っている。風の森学園は一学年170名で中等部を卒業し、外部生30名を加えた全200名で高等部生活を送ることになる。4クラスだったクラス編成は5クラスに増え、だいたい40名ずつ、そのうち5・6名が外部生ということになる。昂貴はクラスに5人も増えたら結構な人数だろうと思うのだが、そんなことを言ったところで美玲にはあしらわれるだけなのはわかっているので口には出さない。


「まあまあ、いいじゃんか。新学期、新入学! 心が(おど)るのは仕方ないだろ? まわりだってみんなそわそわしてんじゃん。」


「それはまあ、そうね。」


 言葉少なく同意をする美玲も内心では高等部生活に思いをはせていたのだ。学ラン・セーラー服からブレザーへと制服の雰囲気も大きく変わり、つい先日まですごく上の先輩だと感じていた人たちと同じ格好をして同じ校舎に通う。それは普段クールなスタンスを崩さない美玲にとっても気持ちが盛り上がるものだった。


「おーっす昂貴! 高等部でもさっそく仲良く二人で登校かー? 春休みでついにゴールインかー?」


 などとばからしいセリフに絡まれている昂貴を美玲は完全スルーで歩調を崩さずに歩く。


「うるせえ、んなわけねえだろ。美玲にかまってほしいのはわかったからサッサと行かないとまた全スルーされてお前が傷つくだけだぞ。」


 昂貴が隣で失礼なことを言っているのには内心ムッとした美玲だが、事実ではある。こういうからかいは受け流すのがいちばん良い。いちいちかまっていても何も生まれないのだ。美玲は貼り付けた完璧な笑顔をその同級生に向けた。


「あー! 昂貴だけいいなあー! 獅子舞さんみたいな美人の隣を歩けるんだからさあー。副会長様の特権かあ……。」


「ちげえからな。ただの(くさ)(えん)だよ。もうわかったから、外部生の可愛い子でも見つけとけ。」


 適当にあしらう昂貴だが、そんな対応でも嫌われることはない。昂貴自身は自覚はないのだが、結構『人たらし』な奴だと美玲は思っていた。



 校舎の昇降口ではクラス分けが貼りだされ、たくさんの生徒たちが群がっていた。昂貴たち二人も貼りだされた巨大な紙を見上げる。


「あ、俺1組だ。美玲は?」


自分の名前をサラッと見つけてしまい、昂貴は美玲に(たず)ねながらほかのメンバーも見ていく。


「へえ、また同じクラスなのね。私も1組だったわ。ちなみに城澤も。」


 なんとも都合のいいことに美玲も悟も昂貴と同じ1組だったようだ。それにしても中等部の生徒会会長・副会長の3人を同じクラスに配置してよいのだろうか…。教師陣の意図を理解しかねる昂貴だった。

(もちろん作者のご都合主義である。)

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