真っ白な空間
「は?」
目を開けると真っ白な空間に居た。周りには俺と同じであろう人たちが倒れていた。
「此処は一体…」
周りはすべて真っ白。壁もなくただ白い空間が広がっている。
「取りあえず今までのことを思い出そう」
数分かけて漸く冷静になった俺はここで目が覚めるまでのことを思い出すことにした。
俺は菅野颯、高校二年生。確かここにいる前はゲームをした後にベットで寝た。だが、目を覚ますとこの真っ白な空間にいた。
「それにおかしいんだ」
そう、どんなに頑張っても壁もなくこんな真っ白な空間が続くはずがない。それに光源が無いのに普通に見えるんだ?窓はないのに。
「う、うーん」「なんだこれ!」「此処はどこなの!」
どうやらほかの人たちも起きたようだ。話を聞くために歩こうと思ったその時だった。
「ようやく起きたか人間ども」
どこからともなく声が聞こえた。恐らく俺たちを誘拐した犯人だろう。
「おい!此処はどこだ!」「私たちを元の場所に返して!」「姿を見せろ!卑怯者!」
罵倒が飛び交う中、一人の女が姿を現した。
「うるさいわね」
真っ白な衣装をきていて、神様の様だった。
「あら、そこの坊やの通り、私は神様よ」
思考を読まれた!?
「神様だから考えを読むことは簡単よ」
その言葉に周りは神を呆けたように見ていた。そりゃそうだ、俺たちの考えを読めるなら俺たちが何をしようとも全てお見通しなのだ、恐怖するだろう。
「あなた達には異世界で過ごしてもらうわ」
恐怖に振るえる俺たちを嘲笑うかのように神はそう言った。
「そうね、剣と魔法の世界とでも言っておきましょう」
俺たちに何をさせるつもりだ?こんなことするには何か理由があるはずだ。
「あなた達にはそこで私の暇つぶしになってもらうわ。一つだけ言っておくけど、転移したら偶にミッションを与えるくらいで基本的にあなた達には干渉しないわ。貴方たちが好きなように生きる様を視るだけよ」
「そんなことで俺たちをここに呼んだのか!」
暇つぶしで俺らを呼ぶのかよ神は
「あなた達に拒否権でもあると思うの?そうね…特典くらいは三つ上げるわ」
その言葉に周りは動揺の声を上げた。
「ステータスと念じた後、好きな特典を書き込みなさい。ただし抽象的なものはダメよ」
他の人たちが歓声を上げる中、俺も特典を書くことにした。
(ステータス)
名前 ハヤテ
年齢 17
種族 ヒューマン
性別 男
クラス 付与魔導士
LV 1
MP 70/70
STR 60
DEX 40
VIT 70
AGI 70
INT 65
LUK 50
スキル 魔導LV1 付与魔法LV1 魔力操作LV1
エキストラスキル
ユニークスキル
スキルポイント 100p
所持金10000鉄貨
STR=力 DEX=器用さ VIT=耐久 AGI=素早さ INT=知性 LUK=運
ステータスはこんなものか。恐らく、性格やその人の職業、得意不得意をステータスに現したのだろう。現に、俺は細かい作業が苦手だからDEX低いし、学生で部活をしているからSTR、VIT、AGI、INTが高い。
さて、特典の一つ目は言語理解にしておこう。言語理解が無かったし、異世界だから言葉は通じなさそうだからな。
一つは決めたし、次はスキルポイントを使ってみようか。
取得可能スキル
共通
・鑑定 30p
・隠蔽 30p
・魔法 20p
・体術 20p
・剣術 20p
・槍術 20p
・格闘術 20p
etc…
専用スキル
・並列展開 30p
・詠唱短縮 30p
・遠隔魔法 30p
etc…
ふむ、共通スキルは誰でも取得可能で専用スキルは多分クラス専用スキルだと思う。なら俺はこれを取るか
・鑑定 30p
・隠蔽 30p
・魔法 20p
・体術 20p
・並列展開 30p
・詠唱短縮 30p
・ステータス上昇 50p
この七つだ。ステータス上昇はいやらしいことに大量にあるスキル一覧の一番下にあった。かなりの量があったからこれはかなりいい効果だろうな。
ということで二つ目は110スキルポイントの取得だ。正直、もっと多くしたかったが制限があった。くそう
最後はどうするか。10000銅貨か。物価とか諸々見ておこう。
100鉄貨=1銅貨 100銅貨=1銀貨 100銀貨=1金貨 100金貨=1白金貨
鉄貨が1円、銅貨が100円、銀貨が1万円、金貨が100万円みたいなものか。白金貨は…使わなさそうだしいいか。
今の所持金は10銅貨か。一日にだいたい1銅貨らしいし10日は持つのか、ならお金はいいや。
なら最後は転移先の世界についての解説書にしておこう。
特典
・エキストラスキル 言語理解
・スキルポイント110p取得
・転移先の解説書
これさえあれば何とか生きれるか。ゲーマーとしては嬉しいがミッションが気になる。
「ミッションは年に数回よ。人によって内容は変わるわ」
年に数回は拍子抜けだな。
「そろそろ時間もいいころだし転移してもらうわ」
ついに来たか…出来れば穏やかなところがいいな
「あなた達の行く末を楽しませてもらうわ」
光が満ちていき、目を開けると塔の入り口に立っていた。
困惑されるような方が出ると思うので補足を。
共通スキルはあくまでも一般の者でも使えるスキル、クラスはスキルにない魔法や術を持ちます。魔法は共通スキルですが、クラスになると「付与」や「聖」など普通の魔法とは違い専用スキルを取得します。
剣術なんかもそうです。「騎士」「侍」「剣聖」などになり専用スキルがあります。
共通スキルは弱いわけでは無いですがサブウェポンにするなど、メインウェポンの補佐に使ったりするのが主流です。