鎌倉時代の床屋事情(1)
鎌倉時代の髪の手入れについてです
この世界にもなれ、髪の手入れ事情もわかってきた。
髪はそのまま伸びるにまかせて、後ろで結わえる。
長くなり過ぎたら刀子と呼ばれるナイフみたいな刃物で切るんだが、
カットして整えるというより、伸びすぎた分を切るのが基本だ。
(女性の場合は前髪のふくらみを整えるために、男よりも手間をかけている。)
そのナイフみたいなのはだいたいどの家庭にもある。
髪切り専用だったり、普段使いの刀子をそのまま使ったり、
その家それぞれらしいが、女性はたいてい専用のを持っている事が多い。
髪を切るのは自分でやるのが基本だが、家族で切りあったりもあるらしい。
不用意な旅人などで刀子を持って無い場合は宿で借りる。
旅商人は身なりに気を使っているので、たいてい専用のものを持っている、
旅先で貸したりすることがあるらしいが、
わざわざ人に貸すための髪切り刀子を持っている者もいたりする。
当たり前だが庶民でも身だしなみには気を遣う。
それなりに整っているし、器用なもんだなぁとは思う。
でもなぁ、やはりそこは素人でどこか足りない。
サイドの前の方は長めで、後ろは短めにして、頭頂部も短めにすれば、後ろで結わえる時にまとまりがよくなり、すっきり二枚目になるのに。とか思う。
その点、女性の方が整っている、手間のかけかたが違う、櫛を使って細かく手入れしている。俺は床屋だったから、美容よりも理容に興味があるのだが、女性の髪の手入れ法を、男にも使うべきだと思った。
銭を払っての男髪結いもあるが、とても床屋とは認めがたい。(うーん、この話は少し長くなる。。。)女性用の髪結いの方は、それなりに美容と言ってもいいんじゃないかなとは思うが。まあ、どちらにしろ、結うのが主で、カットはほとんどしない。
俺ならもっとうまくカットできるんだがなぁ。
しかし、ハサミも無いし、ましてスキバサミ(梳き鋏・セニングシザー)も無いからどうにもならない。
刀子と櫛だけでうまく出来るだろうか?
まあ、髪の手入れに興味を持ちすぎるのも考え物だ、こっちの世の妹に変な目で見られた。ましてとくに男の髪の方に熱心なものだから、勘違いされる事はなはだしい。
今回は床屋さん成分多めになりました。
少し長くなったので二つに分けました。
次回はこの続きではなく他の事を書く予定です。