人里に着いて保護されました。
大昔に転生し草むらにて気付いた床屋さんは、無事近くの里に辿り着きました。
体に異常もなく安心したが、、、着ている服に違和感がある。
着物みたいなものを着て、下は袴で、草履を履いている、、、
なんだか、時代劇の農民役みたいな格好だ。
そして気になるヘヤースタイルは、長髪で後ろでくくってある。
へ?ポニーテール?いや髷?
しばらく呆然とした後、なんでこんな格好でこんな場所にいるのか考えてみるが、わからない。
なにかの余興で時代劇をして、頭を打って気絶して?
それにしてもこの髪はないぞ!
いやいや、その前に、ここはどこなんだ?
やっぱり頭を打ったのかもしれない。
月夜のなか少し移動してみるが、暗くて危険すぎる。
近くに少し大きめの岩があったので、そこにもたれ朝まで待つ事にした。
翌朝周りが明るくなり見渡すと、向こうに二つの小さな丘があり、その一つには道のようなものが見えた。草むらの中をその道に向かった。
たどりついた道は、人ふたり分くらいの幅で舗装もされてなかったが、山道という感じでもなくしっかりとした感じで、ふだんから人が往来しているように感じられた。
ここにいれば誰かに会えるだろう。
安心とともに、空腹と喉の渇きをかんじるが、まずはあの丘の上までいこうと歩く。
丘の上でその先をみると、村が見えた。
時代劇の農村のような藁ぶき屋の集落、ここはどこなんだ?
タイムスリップでもしたのかと呆然とする。
気を取り直して、半場やけになりながらその村を目指すことにした。
村に入るには低い木戸があり、それは閉まっていた。人を呼ぼうと村側をみると、木戸近くの小屋から人が出てきて開けてくれた。知っている者をみる感じでそいつが話しかけてくるが、なんだかよく聞き取れない。
「よお、今日は朝からおどろくなぁ」
「昨日さがしたんだ、どこにいたんだ」
「まあ、こっちこいよ」
どうもそんな事を言ってるようだ。
悪意は感じられないが、騒がせやがってと叱られてるような感じ。
こちらもここはどこかと聞いてみるが、うまく伝わらない。
「おい、なんだよ、ちゃんとしゃべれよ。」
「なにいってるんだよ」
「おーい、向こう町のヒロがなんかおかしいぞー」
人が集まってきて周りをとりかこみ、なにか言ってくるが、よくわからない。
悪意なく心配しているようなので、怖くはないが、、、
空腹と渇きと疲れと、混乱で気を失った。
転生直後のあれこれな導入部分は早めに終わらせたいと思います。
転生やタイムスリップなんてのは、実際に起こることは無いのですが、
もしそうなった場合どんな感じになるんでしょうね。
話し言葉も違うでしょうし、生活する上での常識も違いますし、大分苦労するでしょうね。
ボク的には、食べ物とトイレ環境の違いにショックを受けると思います。
あと、人付き合いの濃淡が今よりも昔の方が濃いような気がしますので、疲れちゃうかも。