一言紹介その2
室木 柴/緑乃帝國『隠し剣 百奇夜行』
一つの話でも短編として読め、うっすら背後に繋がりも見いだせるSFガジェットを使用した時代劇短編集(時代劇要素濃い目)。
短編を書こうとすると、この作品の恐ろしさがわかる。どの短編も起承転結がしっかりしてすらりと読め、胸に残るものも季節の風情も味わえるだろう。つまり短編といえる短さのなかで表現と情報のバランスが実に絶妙。無駄がない。そして、面白い。
まさに話の剣豪。話と短編が好きなあなたにオススメ。
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室木 柴/big bear『異世界の天下布武』
主人公:下方弥三郎は織田信忠の家臣であり二条御所にて華々しく討ち死にを遂げた実在の武士。彼は死後、異世界に行き、森の魔女に救われ彼女に忠誠を誓う。真面目で誇り高い漢である。主人公が東洋人ながらいるのは西洋的世界という取り合わせも面白い。
作者が歴史と戦術に詳しいこともあってコッテリ面白い。例えば「ドリフターズ」が好きな方にオススメ。物語が進むほど異世界の強かな武将も現れる。しかも作者はヤンデレ好きに定評がある。
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室木 柴/三茶 久『稜戦姫の恋』
先日完結した作品。タイトル通りで王道に面白い。
周囲でも有名なお転婆娘、美しいけれど着飾るより暴れることが好きな稜花。しかし世は戦乱。稜花は戦の残酷さを知り、戦いの恐ろしさを知り、なお国の為戦う。そしてそのなかでは恋が芽生え、しかし姫という立場では当然政略も絡み……
戦に手に汗握り、姫の純粋さ真っ直ぐさが愛おしく、成長に微笑み、恋に胸をときめかせる素敵な作品だ。
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室木 柴/空伏空人『イル≒イナイ~学校に行こうとしたら眼球拾いました~』
読みやすく中毒性のある文章と、伝奇のような設定が活かされた作品。
身体をバラバラにされたバケモノの少女。主人公はそのバケモノの身体の一部:眼球を拾い、その一部が身体に入り込んで交換されてしまう……というわかりやすいがブッとんだ現代ファンタジー。
主人公も負けず劣らず、理解はできるがブッとんでいる。現代で安定して見事にブッとぶのがとても好き。
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室木 柴/粉乃山葵『ダークエルフはつらいよ。~女の子になっちゃったりもしたけれど、僕はげんきです~』
元男、転生後は美少女、そんな主人公:ユーリを襲う脅威が意外と容赦がない! しかしいわゆるバカワイイにも通じる、お人好しで一生懸命な主人公には好意を寄せる人間も多く、ほのぼのした気分にもなれる。その緩急が癖になる。そしてキメるところではガツンとチートをキメてくれるのが爽快だ。
そして若干エッチかもしれない。だって美少女ダークエルフなんだもの。ちょっと生々しいのがまた親近感がわき、応援したくなる美少女。
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