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改めてテーブルを見ると髪や目の色、年齢までもがバラバラの子供達が和気藹々と朝食を食べていた。総勢17人とそんなに大人数ではない。男の子11人、女の子は6人と男の子の人数の方がやや多い。上は15から下は3までいる。
ここはマーウェス孤児院。国から援助を受けている由緒正しき施設なのである。
上座に座るじいさんも昔は凄腕のルーンマスターと言っていたが、それは魔法使いと何が違うのかマーウェスには終ぞ分からなかった。
それと従業員は3人、今朝方会ったアリスとそれ以外に女の人が二人いる。アリスは妹のアリサと共に一年前にここにやってきたばかりである。新人であることも一因ではあるがアリスはよく働いた。美人で明るく性格も良いアリスはたちまち子供達から人気になった。
対して妹のアリサは、将来はアリスを凌ぐ美人になりそうな顔立ちをしているが消極的で他の子達とあまり会話をしない。加えてマーウェスには無愛想なのだ。
しかも今回の風呂をうっかり覗いてしまったのが引き金となり、二人の間柄はほとんど冷戦状態になってしまった。




