何日も食べてない
レッチリのアンダーザブリッジが流行ってた頃
若かった。
バンドもバッキバキにやってた。
今の3倍ぐらい動けてた。
Y君がずっと練習に来なかったことがある。
当時は携帯もない時代である。
彼の一人暮らしの家に電話しても留守電ばかり。
どっかで白骨化でもしてるんじゃないかと心配していた。
しばらくしてY君から電話があったと母親からいわれ
俺はあわてて電話した。
Y君の声は明らかに衰弱していた。
わけを聞くと金がなくもう何日も飯を食べてないらしい。
いてもたってもいられなくなった俺は
ちょっと待ってろといって電話を切り
自分でおにぎりを2つ作りアルミホイルにつつんだ。
まってろよ〜死ぬなよ〜
親はあきれ顔で俺を見ていた覚えがある。
とにかくY君の家に着いた俺は
自分の作ったおにぎりを渡した。
Y君はこの味は一生忘れん!とか言いながら食べていた。
そのあとずっといろんなことを彼と話していた。
音楽の事、女の事、夢、未来、、、、、、、、いろいろと
将来に漠然とした不安を抱えて
悶々としていた時期だった。彼もそうだったと思う。
酒を飲んでも女の子と遊んでもそれは晴れなかった。
まだ人生について何も分からなかった。今もわからないが、、、
ただ友達は大切だなとこの出来事で知った気がする。
食べれるくらいの金は
手元に残しておきましょう