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プロローグ
俺、加納響は今年の春に高校生になったばかりの15歳。成績は平均、運動神経も特別良いわけではなく、彼女もいない。顔は中の上で悪くはないしどちらかというとかっこいい方に分類される。だが、俺がモテないことには理由がある。
そう、俺はオタクなのだ。
この日本という国は、一般的にオタクへの風当たりが強い。オタクというだけで「きもい」と言われ両親にまで「見苦しい」と言われる有様である。
でも、そんな俺が毎日楽しく学校へ行けているのは幼馴染達のおかげだ。あいつらは俺がオタクになっても小さい頃とかわらず接してくれた。いまもこうして5人で下校中だ。
「ん?」
ふと、幼馴染の一人ハジメが何かみつけたらしい。覗いてみると、薄暗いはずの裏路地からは凄まじい光が溢れていた。
「……………………」
俺たち5人は無言で光のほうへ近づく。
「………………………………………………………………………っ!?」
そこにはとてつもない光を放つ模様、いわゆる魔法陣があった。
「っ……みんな、逃げっ……」
俺が叫ぼうとした途端、視界が白にそまった。