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「ジョシュア君の後ろ、メリーゴーランドがよく見えるね」
「ああ」
後ろを振り返って、ジョシュア君はすぐに視線を戻したかと思うとアイスリンクの方向を見た。
「……」
「他に行きたいところはある?」
「……え? あ……ジョシュア君は、行きたいところってないの? 私ばかりじゃ悪いから」
「僕は別にないよ」
「そう……」
返事をした私はジョシュア君を見た。彼の視線は、まだアイスリンクに向いていた。
「……あの、そう言えば、ジョージ君から誘われたの。池が凍ったら一緒にスケートをしようって」
「……よかったね」
「ええ。薔薇園で言われて。赤い薔薇が咲き乱れて、とてもきれいだった。ジョシュア君は赤い薔薇が好き?」
「僕が好きなのは、白い薔薇だよ」
「本当に? ジョージ君にも言ったのだけど、私も白が好き。前はね、お庭に白いプリムラ・ブルガリスが植えてあったの。お母様がそれは好きな花で……」
そこまで話して、矢継ぎ早にまくし立てたことを私は後悔した。
「プリムラ・ブルガリス……プリム・ローズとも言うね」
ティーを飲んで彼は言った。
「ええ……」




