20
私はジョシュア君の後を歩きながら、辺りを見回した。あたたかなともしびに輝く露店は、見ているだけで心が落ち着いてくる。けれど、ジョシュア君は興味がないという風に前だけを見て歩いている。おもちゃを買ってもらった子供が、あまりの喜びからはしゃいで走ってきたけれど、それさえも見ない。
「……あの、ジョシュア君。少し、寒いね」
「そうだね。何か、温かい物でも飲む?」
「ええ」
「何がいい?」
「ホットチョコレートを」
「オーケー」
私たちは道を反れて、飲み物を売る露店に立ち寄った。
「あの、お金……」
私がポシェットから小銭入れを出そうとするのを遮るように、彼は「いいよ」と言った。
「ありがとう……」
「どういたしまして。すみません、ホットティーとホットチョコレートを一つずつお願いします」
「ホットティーとホットチョコレートね。十セントだよ」
店員は復唱すると慣れた手つきで用意しだした。ジョシュア君は小銭入れから十セントを取りだして台に置く。しばらく待っていると、店員が、「はい、お待たせ。ありがとうね」と言ってカップを置いた。
それを持って、横にある露店が用意したテーブルに私たちは移動した。ジョシュア君の斜め後ろを見ると、ちょうどメリーゴーランドがよく見える位置だった。私はそれを見ながらホットチョコレートを一口飲んだ。甘くて、とても美味しい……。




