第五十三話 『流れの先に繋がるもの 〜鉄と血の血筋〜』
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「どこか、だって? しっかりしろよナハト。そりゃ、月の中心から少し外れた地下空間の、敵の本体のあるところだろ」
アリアムは、一瞬だけ景色に見とれた視線を剥がし、呼吸を整え伸びをする。
【カムイ】を通じて伝わるセリフに、すぐ隣にいるかのように返事を返し、再度辺りを見渡した。
そこは月の内部とはとうてい思えぬ、巨大すぎる空間だった。吹き抜けの空は気流が流れ、薄い雲すらできている。自然の空気の流れがあり、頬を撫でて通り過ぎる。人工の温かみすらある光源が未だ生きて降り注ぎ、誰かがそうしたのか、偶然そうなったのか定かでないが、床の隙間に草原が生え、それを目当ての虫が集まり生を奏でて飛んでいた。
正式に、いったい何キロある空間なのか、人間の感覚ではとうてい掴めはしないだろう。
元々ここは、巨大な宇宙船の修理工場、宇宙ドックだったのだろう。いやもしかしたら、この月そのものが、本来、大戦が無事に終わったのなら、外宇宙へ行く為の船の、寄港地であり建造場所になる予定であったのかもしれない。
圧倒的な広大さを備えたそこは、全長30kmを超えるといわれた伝説の船を収納してなお、余りある空間だった。月の地中の中というのに、空に消失点が存在し、自然としか思えない風がそよいで吹いていた。
そしてその途方もない空間に、静かに山のような船が横たわっていた。
元々あった星中心の場所からドックの位置に運ばれた事ですら、信じられない巨大さだった。専用の機械体にやらせたのだろうが、よく運ぶことができたものだ。
船には隙間も無いほど膨大な管が、緑に覆われたドックの壁から所狭しとまるで縛られてでもいるようにしっかりと繋げられていた。
お陰で元の形がどんなものだったのかすら、おぼろげにしか把握できない有様だ。500年近い年月と、その前の数千年間、航行中まで数えれば数万年間もの間この世界に在り続けた伝説の船。確かに古い。もはや宇宙に出ただけで壊れてしまう代物に見える。
しかしそれでも。
それを見た全ての者は、数百世代にわたり先祖が過ごしたその場所を、遺伝子に記録されて記憶されたもう一つの故郷の姿を、深層心理で覚えていた。見覚えは無い。だが、そこにいる全ての者の血液が、圧倒的な懐かしさに沸騰する。
『恒星間移民船、正式名【アルシラー=ヘカタイオス】。マタノ名ヲ【ヘカトンケイル】。【エインへリャル】タチヲ乗セ、アーディル歴で4776年前ニコノ星ニタドリ着イタ、【サドアルメリリ】ノ【ギェナー】デアリマス』
風の中、【カムイ】の鳥が説明書のような説明を高らかに歌い上げていた。
元々は、巨大移民船を核として最初の月が造られたらしい。どこまでもまあ、スケールのでかい話なことだ。
「これが……本体……か、この中にそれがあるのか……。まさか、伝説の移民船が、こんなところにあったとはな」
しかも、辛うじてだとしても、生きて存在していたなどとは。アリアムが感慨深げにため息をつく。
「しかし、【王の星】とか【百腕五十頭の巨人】とか、大仰な名前過ぎるだろ。しかも、【戦いの野にたどり着いた英雄】たちを乗せた【王の幸運】の【翼】とか……どこまでプライドのくそ高い連中だったんだ、ご先祖たちは。いや、違うのか。それともこれは……」
そこまでして露骨に皆を鼓舞しなければならないほどに、過酷な旅だったということなのか。数百世代、数万年の流浪の旅は。
「……母星を出た経緯も、深宇宙開発星探査及び恒星間移民という華々しい名前とは裏腹の、体のイイ姥捨てだったようだしな、伝説をまともにとって解釈すれば」
空しくなるような話だが、それが実際の先祖の話となれば、空しいとだけ言ってなどいられなかった。それほどの流浪の果てにたどり着いた場所なのだ、ここは。
どれだけ今が過酷だとしても、それでも間違いなく、先祖が被った地獄に比べれば、確かに間違いなく幸運で、王の星なのだろう。
「そうか……これが移民船【アルシラー=ヘカタイオス】、俺たちの先祖が生涯を過ごし、星の海を万年の永きをかけて渡りきった、もう一つの故郷の姿、か」
若き王が改めてもう一度名前を呼んだ。
「なんだか、還ってきたって感じだぜ。おかしなもんだな」
言い終わる寸前で、地下を渡る一陣の風がはためいて、音を包んで運んでいった。
休憩直後だったこともあり、景色に慣れた数分後には、広大なドックの端、壁の中腹から船内へと繋ぐ連絡通路、その長さだけで3キロはありそうなその糸のような道中を、アリアムたちは本気の全力で疾走していた。
長さの割りには太く丈夫なチューブだったが、それでもこれまでの巨大通路に比べたら恐ろしい程狭い場所だ。走るのに支障無い程度には耐久力があってくれて助かったが、これも罠でないという保証はない。横になって走れる人数は二人のみ。機械体や【ガイア】たちが妨害しようとするならば、これほど適した場所は無い。
ほぼ全ての兵士が連絡通路内に入っていた。今襲われたら間違いなく全滅だった。抵抗しようも無いだろう。せめて少しでも船に近づいておかなくてはならなかった。
だれもが警戒しつつ全速だった。そして、
不可解なことに、15分後、アリアムたちは何事もなくハッチの前に到着する。この船が宇宙に出ることは最早ない。だからドアは必要ない。歴史的遺物的には勿体ないにも程があるが、ここで全滅するよりかは遥かにマシだ。と、デュランとリーブス、コールヌイが全力をもって破壊し入り込んだ。
30分後、何一つ妨害が無いままにアリアムたちは、一人も損なうことの無いまま、船内に全員突入していた。
三重になったハッチを抜けたそこは、見渡す限りの公園だった。
しかし、木々は枯れ、乾ききって古木のように石化していた。
そこは、枯れた世界だった。枯れた木と枯れた風と、枯れた空気を枯れた人工太陽だけが瞬くように照らしていた。
生き物の姿は無い。ただ、土だけが黒々とその存在を主張していた。
どこもかしこも乾いていて、既にここが生者のいる場所では無いのだと強く実感させられる。地面の黒き豊穣さだけが、あまりにも違和感だった。
なぜ、土だけが黒いのだろう。
黒土? 腐葉土? こんな枯れた水の無い世界で?
しかし、そういう類いのものでもないようだった。
何かが変だった。どこかがおかしかった。
兵の一人が、膝をつき一掴み土を掴んだ。
持ち上げるとボロボロと隙間から崩れて落ちる。
土にしては変だった。目の前に掲げ目を近づける。気付いた兵士が悲鳴と共に掴んだものを投げ捨てていた。
土ではなかった。それは、土ではありえなかった。
かつては土だったものだろう。だが、それは断じて土などと言いたくもない代物だった。
そうその固まりやすい粒たちは、砂鉄でも無いのに、粒の奥まで真っ黒だった。
「……まさか」
アリアムがもう一度それをすくって近づける。
「まさか………血、なのか……これ、全部!??」
呆然と血の気が引いた表情で、船の中にすら存在した地平と消失点の先に視線を向ける。地平の先まで真っ黒だった。それなりに広い公園の端を超えてすらも、地面はどこまでも遥か先まで黒いままだ。
それは、5千年近く経ち、水分による侵食が無いまま風化されて砂と化した、凝固した血液の化石、成れの果てだった。見渡す限りの足元に、かつて公園だった場所の全てに、それどころかそこすら越えて地平の先まで。いや、もしかしたら確実に、このとてつもない全長の星を行く船全ての土が。
数千年が経過して、パリパリに崩れながら、黒土の腐葉土のように漆黒に変質しながらも。雨を降らせる機能を失い乾いた船内、その墓標を埋め尽くす全ての土と砂の一粒に至るまで。染み込んで、取れなくなってしまう程に。
「これほどの血が。時の風化ですら消せない量が、この場所で流されてきたということなのか……!?」
しかも、こびりつき具合からみて、日常的に。
それが、船が使用されなくなって5千年近く経った今も、消えていないというのだろうか。
それほどまでに船の中に敷き詰められた土壌は黒く、染められているということなのか。
流された血で全ての地面が、深くに渡り染まるほどに。この船の中では流血がありふれていたということなのか。
アリアムは真上を向いて、目を閉じて黙祷した。
ここで何が起こったか。行われていたのか。深く考える気力すら湧かなかった。たぶん、想像もしたくもないことなのだろうから。
だが、どう考えても、ただの戦いや争いだけで流れた量ではあり得なかった。それだけは考えなくても全員、理解った。
自分たちの、原点が、ここなのか。
自分達は原点からしてこうなのか。
どんな闘いですら怖気づかず、大切なものの為なら躊躇無く命を捨てることのできる者たちの足が、震えていた。
意味に気付いた兵士たちの歩みが、止まっていた。ガクガクとした膝の震えが止まらなかった。瘧のように筋肉が痙攣を繰り返し、また震えた。
立っているのがやっとだった。
おのれ達が善などではない事は分かっていた。そんなことは思っていない。
そこまで厚顔になどなれはしない。なかったはずだ。だが。
星から恨みをぶつけられても、それでも生きる事は、生きる為に全力を尽くすことは間違っていないのだと。そう信じる事はできた。だが、しかし!
彼らは知る。
自らの中に眠る遺伝子が、既にこの星に着いた最初から、【悪】だったのだと知らされた。
自分たちの先祖たちが、ルーツたちが、源たちが、何万年も旅する際に、ホームとして過ごした僅か全長30km程度の箱庭で、その中ですら!
呉越同舟で仲良くする事もできない、ここまで罪深い存在でしかないのだとしたら……!
この悪の子孫たちに、この星に存在する、し続ける価値が本当にあるというのだろうか……!?
兵士たちの全てが、自問に、誰も答えが出せないでいた。
「それでも!」
誰もが呆然と立ち尽くすその場所に、
「変われば良いんだよ! 変わればきっと、いいんだよ!!」
全ての者の脳髄に、凜!と、
「だから、なげく必要はないよ! きっと無い! ないんだよっ!」
吹きわたる風に乗り、少女の確かな声が響いていた。
小さな声のはずだった。なのに、数百人全ての兵士たちが、瞳を上げて前を見た。
そこに立ち、こちらを見やるシルエット達がいた。薄暗い人工太陽、その逆光の中で佇む、10数人の人影たち。
「そう……それでも、ですね」「ぼくたちはずっと、そうやって」「そうね、私たちは皆全員が」
「そう、全ての人が、変わっていく事のできる存在なのですから……!」
彼らは内側から膨れ上がる声に従い口にしていた。言うべきことなどではなく、内側からはじける声を、言葉に乗せて叫んでゆく。
「優先順位を忘れないで欲しいですね。我々には、自分自身よりも守るべきものが存在する。だからこそ」
「だからこそ、ここに来たのではなかったかしら」
そう、その為にこそ、ここに来た。ここまで来たのだ。そして、
「私たちは、正義ではありませんわ。でも、悪でもない。なぜならそれは、そこまで強固なものでは無いのですから。自らの想いの強さで変えてゆくことのできる、そういうものでしかないのですから」
「そうですね。だからといって、それが悪いという訳でも軽いという訳でもありませんし」
「要は気の持ちようってことだろーが。そこまで大袈裟に口にする事じゃねーだろうよアホくせえ。だからよ」
ならば、
『なら、自らが正しいと信じる方に、変わっていけば良いだけ、なんだろうね』
なにを今更嘆くというのか。
その結論に、全てのシルエットが頷いて返していた。
明るいローブに着替えた青年の言葉を踏み台に、彼を含む全ての人の影達が、言葉の端の後を継ぐ。
「一歩ずつ、少しずつ、ってアタシが言うのもなんだけどね」
「いえいえ、僅かだとしても絶え間なくですよ、ねえ坊ちゃん」
「この野郎。いつもいつもテメーはそれを言わねェとセリフの最後を終われねーのかッ!?」
「締まらないわねー。せめてここでは格好つけた言葉をいえばイイのに」
「自然体だな、さすがだよお前たちは」
「ディー、そこ褒める所と違うと思う」
「先輩、先輩はどう思われますか?」
「ここで振らないで欲しいですねカルナ? 振るタイミングが違うとは思わないのですか、君も少しは」
「クローノ。せっかく格好つけた後なのだから、少しは後輩には鷹揚に」
「私も何か言った方がよろしいかしら」
「姫もそこで加わらないでも宜しいかと存じますぞ」
「お前らその辺でいい加減にしておけよ。仕切り直して続けるぞ」
『ああ、まだボクがしゃべっていないのに!』
「ひとり一言だ。お前は最初に言ったろう」
『そんなの決めて無かったと思うんだけどね。ともあれ、あれはそれこれはコレと昔の人も』
「言ってないから静かに黙れ。」
あまりの脱力に兵士たちが苦笑し始めたタイミングで、アリアムが毅然と止めに入っていた。一人ズレて遅れていたが。
笑いが取れて満足したか、全ての影たちが歯を見せて笑顔に変わる。
前向きな皮肉たちが苦笑して、笑って視線に光を宿し、伝えたい想いを込めて拙い言葉で締めくくる。
「まあなんだ、自分が幼かった頃、なりたいと心の奥底で思っていた、そんなもので、良いんだろうなきっと。目指すものなんてなあ、そんなもんで、きっとな」
そう、誰もが子供の頃に思い描くもの、誰もが一度は心に宿す大切な大切な僅かな光。
「良いんじゃねーか? そうありたいと憧れたテメーの中の勝手気儘な気高いもンで」
「ならば。完全にはなることはできぬとしても。勝利することは、できぬとしても」
「いまこの時よりも死ぬまでに、この場所よりも少し先へ。たぶんきっとそれだけがさ」
≪この意味の無い世界の中で、唯一意味のある何かなのだと思うから≫
揃った声が自然に重なり、打消し合わず太いまま、静かに心に浸透する。誰もが折れる寸前で、誰もが土から膝を離した。
全ての兵士が軍靴を鳴らして直立する。
それを見て、アリアムはもう一度だけ、靜かに声を張り上げ語りかける。
「お前らに真実を教えてやるよ。
世界はな、綺麗じゃない。世界は実は綺麗でもなんでもないんだ。ただ、そこにあるだけだからな。それが事実、真実だ。
だが、世界は時として素晴らしく美しくなる時がある。壮絶に美しく見える時がある。それはなぜか。簡単だ。俺たちは世界を綺麗にするだけの力をもっている。それだけの事さ、それだけの事なんだ。俺たちの心がそいつを美しいと決めるんだ。
そしてお前らが、世界を綺麗と思えたのだとしたら、なんのことはない。他の誰のおかげでもなく、お前らが、お前ら自身が、世界を綺麗に変えたのだということさ。お前らの心と共に、な。
ならば誇れ。自信をもって誇っていけ。世界を美しいと一瞬でも感じたなら、世界を美しいと感じた自分を、美しく思えた自分を誇りに思え。それはお前の誇れる力だ。世界ってやつはな、ずっと、ずうっと、な……そうやって、続いてきたんだと俺は思うぜ。きっとな」
枯れて煤けた船(世界)の中で、アリアムが満面の笑みで笑顔を浮かべた。
兵士たちはそれを目にした。言葉もなく瞬きもなく、そのままの言葉と共に瞳の中で反芻したのち転写する。
彼らはそれを忘れない。彼らはそして、言われた通り、自らが美しいと思ったものを、誇りに思うことに決めたのだった。
悠久の時すらも、連綿と繋がる思いは凌駕することがある。突破してどこまでも繋がり続いてゆく。
シルエット姿の少年が、光の方に振り向き様、照らされた横顔に優しい笑みを浮かべながら皆の方へと左手を出す。
「行こう。嘆くのは後でいい。オレたちには、待っていてくれる人がいる。いるんだからさ」
「だ、そうだぞ。聞こえたか、お前ら? あの星では今も、今でも……こんな状況になってしまった世界の中でも、これと同じような、お前たち訓練した兵士の足すらもすくむような出来事が行われているんだろう。認めよう。それが俺たち全ての、ネアンデルタもクロマニョンも違わない、変わることなき原罪だ。だが……それでも。俺は悲観していない。
【人は、変わってゆける】
変わっていけるものだから。それを俺たちは、実際に自分たちで体験した。お前たちもだ。お前たちも、自分たちでは分からないかもしれないが、ちゃんと変わっている。イイ顔をしているぜ。前よりもずっとでかく、恰好良い顔になってやがる。保証してやる。俺たちは、変わってゆける。自らの決意と心で、変わってゆける生き物なんだ。俺たちには、守りたいものがある。そして世界を美しいと思えること。それは強靭さだ。それ自体が【強さ】なんだ。ならば、お前たちは強い! お前たちは負けない。こんな所でお前たちが負けるはずがないだろう! その強靭さを忘れるな。そうすれば……きっともう間違えることはないはずだ」
傾いた人工の夕日が翳る。再び再稼働し始めた箱庭船の逆光の中、誇らしげにその男は、頭を傾け片目を閉じた。
その横には彼の仲間たちがいた。光の中でシルエットが伸びてきて、彼らの影がこちらに繋がる。
自らの力で己を変えた者たちが。
自らの力で己を変えることのできた者たちが。
そこにはいた。
その全ての顔が、崩れ落ちる寸前だった兵士たちの方を向いていた。
真正面から、自然体のまま堂々と胸を張り、両の瞳に濡れた光を灯した視線で、見つめていた。
それらを受け止め返すみたいに、眩しげなまま満ちたりた顔でライラが見つめる。
今はまだ、自分はあそこに加わる訳にはいかない。いつか加われるかどうかすら今は考える事もおこがましいだろう。自分はまだ、彼らが乗り越えてきた一部ですらも歩んでこれていないのだから。それだけの資格がない。けれど、あの場所にいる人たちが自分も必要としてくれた。それは、それだけは確かな自分の力だ。
(自分の価値を決めるのは、自分がどう生きたか。そして、どう決めてどう過ごしたか。そうですよね、アリアムさま)
彼のこれまでの言動全てを思い返し、胸に刻みながら。ライラはおのれの価値をおのれで決めた。自らの価値を認めてくれた人たちに、報いる価値を築くのだ。もう一度おのれにそれを科してゆく。信じた人が信じてくれた。それ以上の自信の元が他にあるとは思えなかった。
見つめる中、そして彼らは腕を上げ、背中を向けて歩き出す。
兵士たちもライラも、同じように足を出して後ろに続いた。
目指す先はルシアの杖の示す先。3羽揃った【カムイ】の鳥が先導する、過去の船の残骸の、メインエンジンがあったはずの空間だった。
第五十三話 『流れの先に繋がるもの 〜鉄と血の血筋〜』 了.
第八章 『 Over The 【Grand Road】 』
第一話 『行く先の、夢のまた先 〜憤り 1〜』に続く……
次話は、申し訳ないのですが、またしばらく間を空けさせてもらいます。
それと、次回から章を第八章としようと思います。
まだ第七章の内容が続いている上、七章が最終章のつもりでしたが、七章が長くなりすぎましたので、第八章をラストエピソードとして独立させます。
お願い致します。