風紀委員長の実態
俺が通う学校、私立郡が丘高校は他の学校と違い一味違う。
何が違うかというとまず制服が昨今のブレザーブームに乗らず女子はセーラー、男子は学ランと珍しく主流を崩さない所だ。
あとはまぁ、あれだ。他の学校と違って風紀委員会があるところとか。
あと他は...特にないな、うん。時々理科室が爆発したり不良が襲ってくるぐらいだ。一週間に一回ぐらいのペースで。
そんな学校だが結構生徒の立場が確立している。それを表す体として代表できるのが生徒会である。
もうね、この生徒会が凄いの。他所の子があんよでよちよちしたレベルよりもっとすごいの。
何が凄いってまず自分たちで予算決められちゃうんだから。部活に行事に改修に工事まで全てのことに干渉できちゃうぐらいなんだからもう凄い。ていうか凄い凄い言いすぎて何が凄いのか分かんなくなってきたわ。何?俺の文才の無さが凄いの?もう笑えばいいの?
閑話休題
つまりは郡が丘高校は色々凄くて色々おかしい学校なのである。
「っていう文章なんだけどどうだ?」
「......」
俺は学校紹介誌に載せる郡が丘高校の紹介文を木下に見せる。
「野笠に頼まれて書いたが、何分語彙力が足りなくてな...改善点があったらどんどん言ってくれ」
「全部だよ...」
そう言い木下は俺が三日寝ながら考えた紹介文が書かれた紙を真っ二つに破りながらはっきり言った。
「そうか、やっぱり」
「あっさり認めちまうのかよ...」
「だって俺理系行ってるからなぁ。最終的におまえに頼むつもりだったし」
まぁ、それに三日かけたのは事実だが...
「...いつまでに完成が良いんだ」
「週末までが良いな。やってくれるか?」
「今日金曜じゃねぇか...暇だしな」
流石我が風紀委員のエース、今日もツンデr「何か言ったか?」...面倒見が良いなぁ
「さて、じゃあ暇になった俺は姉の練習風景でも見に行くか」
この頃見に行ってなかったし、もしかしたら悪い虫が付いてるかもしれないしなぁ。
...なんかそう考えると有りえるように感じてきた。
今すぐ見に行こう。うん、そうしよう。
「...そりゃ無理そうだぞ」
「え?なんで?」
木下の言葉に疑問を感じ尋ねてみると、ちょうどその時俺の肩を誰かが叩いた。
振り返ってみると、
「なに一人でサボろうとしているのかなー?」
笑っていながらも後ろに般若の顔をしたスタンドをにたたずませている九十九紫の姿があった。
「い、いやぁもう仕事残ってないし少しぐらい外をぶらぶらしても...」
「仕事ならここにたくさんあるわよ~。どっかの誰かさんがいつの日か生徒会に「どうせ忙しい日なんて一か月に一日ぐらいしかないし、少しぐらいの仕事ならこっちに回してもらってもかまわないぜ」なんてカッコつけて言ってくれたから、ほら。こんなにある」
そして彼女が自分の机の方を顎で指したため見てみるとそこには、全く嬉しくない生徒会からのプレゼントが山になって置いてあった。
確かに少しぐらいならいいって言ったけど、まさか週単位でこんなにも持ってくるとは………
生徒会...恐ろしい子!!
「というわけで...今日は休憩なしのデッドヒートよ」
「真顔で言うな、現実味増すだろうが」
「現実なんだから仕方ねぇだろうが...」
「はいはい、今日は金曜なんだから今日中に終わらすわよ。一年の子は行事の採用案と不採用案を仕分けて。あんたは会計担当。私と咲久は書類書き込みやるから」
テキパキと役割分担を決める九十九こと風紀委員副委員長。流石だな。なんでこいつが委員長じゃないんだ。ていうか風紀委員会の委員長って誰だ?
「...この紹介文終わらせてからな」
「あ、俺も姉ちゃんの練習見てから...」
「あんたはさっさとやる!!!委員長でしょうが!!」
「自分の仕事ぐらいやれ、委員長...」
そうですよ委員長、などと名前も忘れた一年たちもはやし立て俺に仕事させようとする。
バッ、お前あれだよ。組織のボスってやつはあれだ。どっしり構えときゃそれだけでいいんだよ。
ほら、奈良の大仏さまもそーじゃん。あれの存在感半端ないぞ。寺焼いた程度じゃあいつの構え解かせられねぇぞ。
まぁしかし...
「はぁ。しょうがねぇ。珍しく働いてやるか。」
「「「「いや、当たり前だから(な...)」」」」
頼られるのも悪くねぇ...か!!
これからも俺たちの風紀委員会は続く!!
~風紀委員活動日誌 完~
「いや、終わらねぇし、綺麗にまとまってもねぇから...」
そーなのかい。ちゃんちゃん
終わりません