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第弐航海  ~1890年(明治23年)12月27日~

(艦が傾斜していく・・・

こいつは俺に似てタフだが、どうやらここまでのようだな。)


俺はそんなことを思いながら机から拳銃を取り出した

艦と運命を共にする・・・・。


今は無き帝国海軍の伝統・・・

俺も・・・俺も靖国神社に祭られ英霊となるのか


思い残すことは無い





俺は艦長席に座ると頭に拳銃をあて引き金を引いた。

それと同時に何処か遠くのほうで何かが爆発する音が聞こえたような気がする。


俺は、その時確かに、確かに死んだはずだった・・・
















ここは・・・?どこだろうか?

俺は・・・

確か、艦と運命を共にしたはず・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


だめだ、何故か詳しいことが思い出せない

自分は一体何をやっていたのだろうか?


その日から、あやふやな前世の記憶を持つ俺の第二の人生が始まった










『・・・・・・・広ちゃん!広ちゃん!!話聞いてる?』

俺はあの日のことを思い出しながら窓の外を眺めていると

急に現実へと引き戻された。


「えっ?あっああ、 何の話だったけ宗ちゃん?」


俺に今話しかけていたのは、

岸田宗己きしだそうき

俺の親友だ。

学年でもトップの成績を持ち先生からの信頼も厚い。


『いやね、あと数ヶ月もしたら卒業だし、どこを志望するのか気になってね』

なんだ、そんなことか、俺は・・・

「江田島だよ、江田島。」

『えっ?』

「だから、江田島海軍兵学校。」


・・・・別にそこまで、驚くことじゃないだろう?


『いや、てっきり争いごとが嫌いな広ちゃんだから

兵隊さんになるとは、思わなくて』


「・・・・・一つ言っとこう。徴兵令でいやでもみんな軍務に就くんだ。

だったら、上で指示するほうがいいだろう?」


『まぁ・・・そうだよね。』


海軍兵学校か、確か日本最大の難関校だったな


でも何か俺が・・・そこへ行って海軍将官にならなければいけない気がするんだよな





それから約半年後、俺は海軍兵学校の入学試験を受けていた


ガリガリガリガリと鉛筆で筆記をする音が室内に響きわたる


『やめっ!鉛筆は置きなさい』


試験官のその声で全員の動きがピタリと止まる




四日に亘った試験が終わった。

合格か否かは誰にも分からない。





俺は一応合格していた。

174名中163位。


何故か、同じく兵学校を受けていた宗ちゃんは21位。





まぁ合格できたからいいか・・・・・


こうして俺たちのつらく厳しい学校生活が始まった

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