あとがき
※ ストーリーについて
本当に完結までお待たせしました!
まず、読者様にお詫びをしたいと思います。
「ビュ=レメンの舞踏会」シリーズ第一弾を2011年3月7日から連載を開始してから一年七ヵ月が経ち、やっと完結を迎えることができました。
もともと「ビュ=レメンの舞踏会」はとある短編賞に応募しようと書き始めたものでした。でも、“短編”という短さの中で書きたいことをすべては書ききれず……内容はありきたりだし、自分の力のなさを思い知るばかりで、応募するかどうか迷いました。
悩んだ結果、応募は諦め、短編用にと削っていたエピソードを入れ、加筆修正してできたのが第一弾の「ビュ=レメンの舞踏会 ―はじまりの招待状―」でした。
もちろん、書きはじめた時は続編なんて考えていませんでした。舞踏会に行く手前で、憧れのレオンハルトと踊ることができてハッピーエンドという落ちでした。そういう結末にしたのも、“短編”の予定だったからなのですが。
もう短編にこだわることないじゃん! もっとティアナに冒険させようと思ったのをきっかけに続編を書き始めました。確か、第一弾の第二章を書いているあたりで、もう続編を考えていました。
第一弾を書き終えてから、少し気分転換に恋愛モノをいくつか書き、第二弾の「ビュ=レメンの舞踏会 ―魔法のとびら―」を書き始めました。
それまでは同時進行に複数の話を書けていたのですが、この時は一つずつしか書けなくて更新ペースがややゆっくりでした。
続編を書くことを考えていた時、ルードウィヒの過去がティアナと関係してくるというのは決めていましたが、あとはもう思いつくまま書いていった感じです。
思った以上にシリアスになってしまって、第一弾との温度差ができてしまったのが問題点ですかね……
第三弾の「ビュ=レメンの舞踏会 ―星砂漠のスルタン―」は、第二弾がシリアスだったのであまあまな話にしようと思いました。
予告で、あまあまな話と書いたところ、レオンハルトとのあまあまを期待された方が多いみたいで申し訳ないです。だって奥手なレオンハルトじゃあまあまにならないんですよ……
ということで白羽の矢が当たったのが新キャラのダリオです。サブタイトルがダリオのことを示してるっていうのはある意味すごいですよね。
この回はかなりスムーズに書けていました、途中までは。
第五章あたりで、第一弾や第二弾と比べて文章量が多くなりすぎてしまって、途中で切るか迷いました。まぁ、文章量のバランスより話の流れを優先して、ぶった切るのはやめました。だから、四つのシリーズの中で、第三弾が一番長い話になっています。
そして、予想外にダリオは人気がありました。
このあたりで気付いたのですが、ビュ=レメンの舞踏会では一つのシリーズごとに主要男性が変わっていました。第一弾ではレオンハルト、第二弾ではルードウィヒで、第三弾ではダリオ。主役のはずのレオンハルトの登場回数がルードウィヒやダリオやジークベルトとあまり変わらないような……
けっしてわざとじゃないんですよ!
普段なら完結に近づくと「あとちょっとだ!」と勢いがつくのですが、この第三弾では終わってしまうのがとても寂しかったのを覚えています。そして、第三弾完結と同時に、すぐに第四弾を書き始めているのです、実は。
第四弾「ビュ=レメンの舞踏会 ―さいごの契約―」の連載開始自体は書き始めてから一月半後でした。それは、第四弾で本当にビュ=レメンシリーズが完結するので、書かなければならないことがたくさんあって、どうしてもシリアス傾向になってしまうのは仕方がないのですが、気分が滅入ってしまって、なかなか続きが書けなかったのです。
ゆっくりペースで更新との宣言通り、第四弾の連載期間は他の三つが二~三ヵ月に対して、十ヵ月ですよ!
まあ、実際はその十ヵ月の半分ほどしか執筆はしてなかったです。
この回はプロットが完全に出来上がっていて、それを文章にするだけだったのですが、シリアスな文章を書く気分になれず、浮気心で違う話を書き、その上、三月から本当に執筆する時間がぜんぜん無くなってしまって、書かない上に書けないという悪循環で執筆していませんでした……
いい加減これじゃいかん――と思ったのが七月。それなのに八月にパソコンが壊れ約一ヵ月執筆できず、それでも、入れなおした気合いでここまで頑張りました。
今まで書いてきた話は恋愛オンリーだったのに対し、「ビュ=レメンの舞踏会」はファンタジー要素ありということで、初の三人称で書きました。これでいいのか今でも不安です。
とにかく初めての書き方をした「ビュ=レメンの舞踏会」で、書きたいことは書きつくすことができたと思います。
※ キャラについて
今更、ティアナやレオンハルトについて語る必要もないかな、と思い、ここではジークベルトについて少し触れさせてもらいます。
第四弾の触りで、さくっとジークベルトの過去について触れましたが、見落とさず、気付いてくださった方がいて嬉しく思います。
ジークベルトが転生者というのは第一弾から決めていたことで、本当は第一弾の後に、彼の過去の話を書こうかとも思ったんですが、本編を優先させていただき、あやふやなままだったのですが、ところどころに“それ”を臭わせることは書いてはいます。
たぶん、力尽きて番外編には書けないと思うので、ここで簡単に説明しちゃいます。
前世はイーザ国の魔法使いで、最後の国守となるマグダレーナ・テアの恋人でした。かなりの魔力を操ることができる偉大な魔法使いだったジークベルトは、十七歳の時、国に猛威を振るった疫病を治すために、禁忌の悪魔と契約し、命を代償に国を守りました。マグダレーナを守るために、ジークベルトはあっさりと自分の命を差し出す、強い意志を持っています。現代では一定の場所に落ち着かずふらふらしている印象ですが。
ジークベルトが悪魔と契約したことを知ったマグダレーナは、自分の元に再びジークベルトが転生するように魔法をかけ、八十年の時を経て、マグダレーナが九十五歳の時にジークベルトは人間として転生してきます。ジークベルトに記憶はあり、マグダレーナも彼がジークベルトだと知っていました。
第一弾の二人の会話も、その辺を含めて読んでいただけると、違和感ないかな、と思います。
※ for Thank you!
長々と書いてしまいましたが、どうにかハッピーエンドということで満足していただけたでしょうか?
ティアナもレオンハルトも好きという気持ちを胸に抱きながら、立場とかいろいろな気持ちと格闘して、気持ちを伝えられなくて。それでも最後には、やっぱりそばにいたいのはこの人だ! と気付くことができました。
最後は、二人の結婚式の場面でおわりとしましたが、きっとこの先も二人にはいろいろと問題が降りかかってくるのではないかなぁ~と思います。
レオンハルトがティアナにプロポーズしてから結婚式に辿り着くまで、特にレオンハルトが苦労していそうですよね。
シスコンのエリクとジークベルトに小言を言われて胃に穴が開きそうになったり、婚約した後もダリオが猛れつなアプロチーをかけて冷や冷やしたり。
でも、ティアナはレオンハルト一筋で、レオンハルトもティアナだけを愛していくんだろうなと思います。
二人一緒ならなんとかなるよね、って笑い合っている姿が想像できます。
本当に、最後まで読んで頂きありがとうございます。コメントいただけると嬉しいです。
たくさんの方に感謝感激です!
2012.10.15 滝沢美月




